問題
次のうち,介護保険制度において行政行為に当たるものとして,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題39
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
「行政行為」とは、行政が法律に基づいて、一方的に国民の権利や義務を決める行為(「処分」とも呼ばれます)のことです。市町村による要介護認定は、法律(介護保険法)に基づいて市町村が一方的に「あなたは要介護2です」と決めるもので、その結果によって受けられるサービスの量が決まります。まさに行政行為です。
覚え方:行政行為=「行政が一方的に決めて、国民の権利義務が変わる」。教示や助言(お知らせ)、ケアプランの作成(サービス)、勧告(お願い)は行政行為ではありません。
正解は 5
要介護認定は、市町村が介護保険法に基づき、被保険者の要介護状態区分を一方的に決定し、保険給付を受ける権利の範囲を定める行為であり、行政行為(処分)に当たる。このため審査請求の対象にもなる。
1 誤り。制度に関する教示(説明)は、相手の権利義務を変えない事実行為である。
2 誤り。介護予防ケアプランの作成は、相談援助として行うサービスの提供であり、事実行為。
3 誤り。事業者に対する改善勧告は、相手の任意の協力を求める行政指導の性格を持ち、それ自体は法的拘束力がない(従わない場合の命令は処分に当たる)。
4 誤り。介護保険審査会への審査請求は、被保険者が行う不服申立てであり、行政が行う行為ではない。
ポイント:行政の活動は、行政行為(処分)、行政指導、事実行為などに区別される。処分は国民の権利義務を一方的に決めるもので、審査請求や取消訴訟の対象になる。要介護認定は介護保険審査会への審査請求の対象となる処分の典型例である。勧告は行政指導、説明や計画作成は事実行為と整理すると、選択肢を見分けやすい。
正解は 5
【行政行為(処分)とは】
行政行為は、行政庁が法律に基づき、公権力の行使として、一方的に国民の権利義務を具体的に決める行為をいう。行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法では「処分」と呼ばれ、審査請求や取消訴訟の対象になる。行政の活動には、ほかに行政指導(任意の協力を求めるもので法的拘束力なし)、行政契約、行政計画、事実行為(説明、調査、サービスの提供など)がある。
【要介護認定の性格】
介護保険法では、要介護認定を受けた被保険者が保険給付を受けられる。市町村は、認定調査と主治医意見書をもとに介護認定審査会の審査判定を経て認定を行う。認定は被保険者の受給権の範囲を決めるので処分である。介護保険法183条は、要介護認定などの保険給付に関する処分や保険料などの徴収に関する処分に不服がある者は、都道府県に置かれる介護保険審査会に審査請求できると定める(選択肢4はこの不服申立ての側である)。
【誤りの選択肢の掘り下げ】
1 制度の説明・教示は情報提供であり、事実行為。なお行政不服審査法では、処分をする際に審査請求ができる旨などを書面で教示する義務がある(教示制度)が、それは処分に付随する手続であって、教示そのものが処分になるわけではない。
2 地域包括支援センターは、介護予防支援(要支援者のケアプラン作成)や介護予防ケアマネジメントを行う。行政直営であっても、ケアプランの作成は利用者とともに計画を立てる援助行為であり、相手の権利義務を一方的に決めるものではない。
3 介護保険法では、都道府県知事・市町村長は指定事業者が基準を満たさない場合にまず「勧告」し、従わないときは公表、さらに正当な理由なく措置をとらないときに「命令」ができる。勧告は行政指導の性格を持ち、命令や指定の取消しは処分である。段階を区別して押さえる。
4 審査請求は国民の側の行為。介護保険審査会は、都道府県に置かれる第三者機関で、被保険者代表・市町村代表・公益代表の委員で構成される。要介護認定に関する審査請求は、公益代表委員による合議体で扱う。
【関連論点】
・行政処分の取消訴訟は、介護保険法では審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起できない(審査請求前置)。
・生活保護の決定、障害支援区分の認定、措置入所の決定なども処分であり、それぞれ審査請求の仕組みがある。
- 介護保険法第183条e-Govで原文を読む
- 行政手続法e-Govで原文を読む
- 行政不服審査法e-Govで原文を読む
- 行政事件訴訟法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題39です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

