社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題38権利擁護を支える法制度

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・権利擁護を支える法制度

事例を読んで,次のうち,事件当時にAさんに備わっていたか否かが問われる能力として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(15 歳)は,口論の末,Bさんを殴ってしまい,Bさんにけがを負わせてしまった。Bさんは,Aさんに対し,治療費を請求することを考えている。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題38

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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正解は 5
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5

Aさんは15歳で、Bさんを殴ってけがをさせました。BさんがAさんに治療費を求めるのは、民法の「不法行為」による損害賠償です。民法712条は、未成年者が他人に損害を与えても、「自分の行為の責任を理解できる知能」(責任能力)がなければ賠償責任を負わないと定めています。そのため、事件当時のAさんに責任能力があったかどうかが問われます。

覚え方:不法行為で賠償責任を負うか=「責任能力」。目安はおおむね12歳前後とされ、15歳なら通常は責任能力があると判断されます。

正解は 5

民法712条は、未成年者が他人に損害を加えた場合に、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能(責任能力)を備えていなかったときは賠償責任を負わないと定める。不法行為の賠償請求では責任能力の有無が問われる。

1 誤り。行為能力は、単独で有効に法律行為(契約など)をする能力。不法行為の責任とは別の概念。

2 誤り。事理弁識能力は、成年後見制度で後見・保佐・補助の開始の基準とされる判断能力。

3 誤り。意思能力は、自分の行為の結果を理解する能力で、これを欠く法律行為は無効となる(民法3条の2)。不法行為の責任の判断基準ではない。

4 誤り。権利能力は、権利義務の主体となる資格で、人は出生により取得する(民法3条1項)。

ポイント:民法上の「能力」は場面ごとに使い分けられる。権利義務の主体になる資格が権利能力、法律行為の意味を理解する力が意思能力、単独で確定的に有効な契約をする力が行為能力、成年後見の開始の基準が事理弁識能力、不法行為の責任を負うための力が責任能力。けがをさせた損害の賠償請求は不法行為の問題なので責任能力が問われる。

正解は 5

【責任能力とは】

不法行為(民法709条)によって損害賠償責任を負うには、故意・過失、権利侵害、損害、因果関係に加え、加害者に責任能力があることが必要である。民法712条は未成年者について、713条は精神上の障害により責任を弁識する能力を欠く状態にある者について、それぞれ賠償責任を負わないと定める(713条は故意・過失で一時的にその状態を招いた場合を除く)。判例上、責任能力の有無はおおむね12歳前後が分かれ目とされ、15歳のAさんは通常、責任能力が認められる。

【責任能力がない場合】

責任無能力者が損害を与えた場合、その者を監督する法定の義務を負う者(親権者など)が賠償責任を負う(714条)。ただし、監督義務を怠らなかったこと等を証明すれば責任を免れる。判例は、責任能力のある未成年者による加害であっても、親の監督義務違反と損害との間に因果関係があれば、親自身に709条の責任を認めている。本事例でも、BさんがAさんの親の責任を追及する余地はある。

【4つの能力の違い】

・権利能力(3条1項):権利義務の主体となる資格。すべての人が出生とともに持つ。胎児は相続・不法行為の損害賠償請求などで例外的に生まれたものとみなされる。

・意思能力(3条の2):自分の行為の法的な結果を判断できる能力。7〜10歳程度が目安とされる。欠く場合は法律行為が無効。2017年改正で明文化された。

・行為能力:単独で確定的に有効な法律行為をする能力。未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人(同意権付与の場合)は制限行為能力者とされ、取消しができる。

・責任能力(712条・713条):不法行為の責任を弁識する能力。

・事理弁識能力:成年後見制度の開始の基準。欠く常況→後見、著しく不十分→保佐、不十分→補助(7条・11条・15条)。また、被害者側の過失相殺(722条2項)では、被害者に責任能力までは不要で、事理弁識能力があれば足りるとされる。

【ねらい】

本問は、「契約の場面(行為能力・意思能力)」と「不法行為の場面(責任能力)」を区別できるかを問う。15歳のAさんは未成年で行為能力は制限されているが、それは契約の取消しの話であり、殴ってけがをさせた責任とは別である。社会福祉士の業務では、子どもや認知症の人が他人に損害を与えたときの家族の責任(監督義務者責任)の相談にも関わるため、712条〜714条の構造を押さえておく。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題38です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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