問題
1990 年(平成2 年)の「福祉関係八法改正」に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 (注) 「福祉関係八法改正」とは,「老人福祉法等の一部を改正する法律」のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題24
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 4
1990年の「福祉関係八法改正」は、在宅福祉サービスの推進や、福祉の仕事を市町村中心に進める方向へ大きく舵を切った改正です。
このとき社会福祉事業法(現在の社会福祉法)に基本理念が設けられ、地域で必要な福祉サービスが総合的に提供されるよう、社会福祉を目的とする事業を広く計画的に実施するよう努めることが定められました(選択肢1)。また、国・地方公共団体・事業者は、事業を行うにあたり地域に即した創意と工夫を行うこととされました(選択肢4)。
地域福祉計画や利用者の意向の尊重は、2000年の社会福祉法への改正で定められたものです。
正解は 1 と 4
福祉関係八法改正(老人福祉法等の一部を改正する法律・1990年)は、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法(当時は精神薄弱者福祉法)、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、社会福祉事業法、老人保健法、社会福祉・医療事業団法の8つの法律を改正しました。
- 1:正しい。社会福祉事業法に基本理念の規定が設けられ、地域において必要な福祉サービスが総合的に提供されるよう、社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施に努めることが定められました。
- 2:誤り。市町村地域福祉計画と都道府県地域福祉支援計画は、2000年の社会福祉法への改正で規定されたものです。
- 3:誤り。1990年改正で市町村に策定が義務づけられたのは老人保健福祉計画です。障害者計画は障害者基本法に基づく計画、地方版エンゼルプランは八法改正より後に策定されたエンゼルプランを受けた計画で、八法改正で定められたものではありません。
- 4:正しい。国、地方公共団体、社会福祉事業を経営する者は、事業の実施にあたり地域に即した創意と工夫を行うことが規定されました。
- 5:誤り。事業経営者が利用者の意向を十分に尊重するよう努めることは、2000年の社会福祉法で定められた規定(現行の第5条)です。
正解は 1 と 4
改正の背景と全体像
1989年に「高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)」が策定され、在宅福祉サービスと施設サービスの計画的な整備が国の目標になりました。これを実施するための法整備が、1990年の福祉関係八法改正です。主な内容は次のとおりです。
1. 在宅福祉サービスの法定化:ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイなどを在宅福祉の柱として社会福祉事業に位置づけ
2. 市町村への権限の一元化:特別養護老人ホームなどへの入所措置の権限を町村にも移し、高齢者・身体障害者の福祉を市町村中心で行う体制に
3. 老人保健福祉計画の策定義務化:市町村と都道府県に、老人保健福祉計画の策定を義務づけ
4. 社会福祉事業法の改正:基本理念、地域等への配慮の規定の新設など
選択肢1・4の位置づけ
1990年改正後の社会福祉事業法では、基本理念として、社会福祉事業その他の社会福祉を目的とする事業は、福祉サービスを必要とする者が地域社会の一員として日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるようにすること、地域において必要な福祉サービスが総合的に提供されるよう、広範かつ計画的に実施されなければならないことが掲げられました。あわせて、事業の実施にあたって地域に即した創意と工夫を行い、地域住民等の理解と協力を得るよう努めるという「地域等への配慮」の規定も置かれました。
これらの考え方は、2000年の社会福祉法への改正で整理し直され、現行法では、国・地方公共団体が事業者と協力して社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう措置を講じる責務(第6条)や、事業者が創意工夫を行いつつ福祉サービスを総合的に提供できるよう努めること(第5条第1項)に受け継がれています。
誤りの肢の論点
- 選択肢2:地域福祉計画は、「地域福祉の推進」を法の目的に掲げた2000年の社会福祉法で初めて規定されました。2017年改正で策定が努力義務化され、福祉の各分野の共通事項を定める上位計画と位置づけられています。
- 選択肢3:3つの計画をまとめて1990年改正の成果としている点が誤りです。障害者計画は1993年の障害者基本法で規定され、地方版エンゼルプランは八法改正より後に策定されたエンゼルプランを受けて地方で作られた計画です。
- 選択肢5:現行の社会福祉法第5条第2項は「利用者の意思決定の支援に配慮しつつ、その意向を十分に尊重するよう努めなければならない」と定めていますが、この利用者本位の規定は「措置から契約へ」の転換を図った2000年改正の産物です。
似た用語との違い
「福祉関係八法改正」(1990年)と「社会福祉基礎構造改革」(2000年の社会福祉法への改正)は混同されやすい組み合わせです。前者は在宅福祉と市町村中心の体制づくり、後者は利用者本位・契約制度・地域福祉の推進がキーワードです。
- 老人福祉法e-Govで原文を読む
- 社会福祉法第5条e-Govで原文を読む
- 身体障害者福祉法e-Govで原文を読む
- 知的障害者福祉法e-Govで原文を読む
- 児童福祉法e-Govで原文を読む
- 障害者基本法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題24です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

