問題
インタビューデータの整理と分析に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題83
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4 と 5 です。
インタビューなどの質的データは、結果が調査者の思い込みに偏らないよう、手順を守って整理・分析します。
- 4 分析を終えるまで、逐語録(録音を文字に起こしたもの)を繰り返し参照する:適切です。細部を見直して解釈を確かめられます。
- 5 分析結果を概念図にして、対象者に説明し意見を求める:適切です。解釈の妥当性を確かめる方法(メンバーチェッキング)です。
1は自分の意見に合う部分だけ抜き出すもので偏りが生じます。2は専門用語に当てはめるもので、語りに即したコーディングではありません。3は先行研究に合わせて分類するもので、データから分析する姿勢に反します。
なぜこれが正解か
正解は 4 と 5。質的データの分析では、データに繰り返し立ち返りながら、解釈を確かめる。逐語録を分析が終わるまで何度も参照すること(4)と、分析結果を対象者に示して意見を求める(メンバーチェッキング)こと(5)は、分析の信頼性・妥当性を高める手続きである。
各選択肢の解説
- 1 誤り。調査者の意見に合う部分だけを抜き出すのは、恣意的な選択で、結果が偏る。逐語録は、インタビューの内容を、できるだけ忠実に文字に起こして作る。
- 2 誤り。コーディングは、データの語りの意味に即して、コード(ラベル)をつけていく作業である。対象者の発言を、既存の専門用語に当てはめると、語りの固有の意味が失われやすい。
- 3 誤り。カテゴリーの数を先行研究に近づけるように分類するのは、データではなく、期待に合わせる操作である。カテゴリーは、データに基づいて作る。
- 4 正しい。
- 5 正しい。
なぜこれが正解か
正解は 4 と 5。質的調査では、結果の「信頼性・妥当性」を、統計的な手続きではなく、データの扱い方と解釈の確認によって担保する。逐語録を分析の最後まで繰り返し参照して、解釈が元の語りから離れていないかを点検すること、解釈や概念図を対象者に提示して意見を求めること(メンバーチェッキング)は、その代表的な方法である。
質的データ分析の基本的な流れ
1. 録音データから逐語録を作成する(取捨選択せず、できるだけ全体を忠実に)。
2. 逐語録を読み込み、意味のまとまりごとに、データに即したコード(ラベル)をつける(コーディング)。
3. コードを比較・整理して、カテゴリー(概念)にまとめ、カテゴリー間の関係を考える。
4. 概念図や構造図にして、全体像を示す。
5. 解釈の妥当性を、対象者や他の研究者との確認で検討する(メンバーチェッキング、ピア・デブリーフィング)。
この過程は、一方向ではなく、データと解釈の間を行き来する(往復的な)過程である。
各選択肢の解説
- 1 都合のよい部分だけの抜き出しは、確証バイアス(自分の考えに合う情報だけを集める傾向)を生む。逐語録は、後の分析で、調査者の意図に合わない部分も含めて検討するための基礎資料となる。
- 2 既存の概念をあてはめるやり方は、データから概念を作る帰納的な分析(例:グラウンデッド・セオリー・アプローチ)とは異なる。コードは、できるだけ語りに近い言葉でつけ、カテゴリーの段階で抽象度を上げる。
- 3 カテゴリー数を先行研究に合わせるのは、データの特徴を無視した分類で、新しい発見を損なう。
- 4 分析を通じて、逐語録に立ち返ることで、解釈の根拠を確かめ、恣意的な読みを防ぐ。
- 5 概念図を対象者に提示し、自分の経験が適切に表現されているかを確認する。ただし、対象者の意見が分析結果と異なる場合の扱い(どちらを優先するか)は、調査の目的に応じて検討する。
関連して出る論点
- トライアンギュレーション(複数の方法・データ・調査者を組み合わせて妥当性を高める)。
- 半構造化面接、フォーカス・グループ・インタビュー、参与観察などの質的調査法の特徴。
- 質的調査の倫理(録音の同意、匿名化、発言の引用の確認)。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題83です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

