問題
事例を読んで,次の記述のうち,資料内容を検討した結果,明らかになったこととして,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 A大学の児童・家庭福祉論の授業では,レポート課題として「世界の児童労働と家庭内暴力の実態について」というテーマが出された。その際,担当教授から国際労働機関(ILO)やユニセフ(UNICEF)が公表している条約や白書等を参考にすると良いとの助言があった。社会福祉士資格の取得を目指している2 年生のBは,早速,課題に取り組むために,1999 年にILOで採択された「条約182 号」と「世界子供白書2024(要約版)」を収集し,資料内容の検討を行った。 (注)1 「条約182 号」とは,「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(第182 号)」のことである。 2 「世界子供白書2024(要約版)」とは,公益財団法人日本ユニセフ協会による「世界子供白書2024 2050 年の子どもたち 要約版」のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題95
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2。
「「条約182 号」では,加盟国が児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて,女子である児童の特別な事情を考慮するための効果的な措置をとることを定めている。」が資料から明らかになったことです。
ILOの「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(第182号)」は、子どもの売買や強制労働、危険な労働など最悪の形態の児童労働をなくすための条約です。条約では、教育の重要性を考えに入れながら、女子である児童の特別な事情を考慮する効果的な措置をとることを加盟国に求めています。
なお、この条約でいう「児童」は18歳未満のすべての者で、16歳未満ではありません(1の誤り)。
👉 覚え方:ILO182号=最悪の形態の児童労働・児童は18歳未満・女子への配慮。
正解は 2
「「条約182 号」では,加盟国が児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて,女子である児童の特別な事情を考慮するための効果的な措置をとることを定めている。」
条約第182号は、最悪の形態の児童労働の撤廃に向けて加盟国がとるべき措置を定め、教育の重要性を考慮に入れて、女子である児童の特別な事情を考慮するための効果的な措置をとることを求めている。
誤りの肢
- 1:条約第182号第2条は、「児童」を18歳未満のすべての者と定めている。16歳未満ではない。
- 3:「世界子供白書2024(要約版)」では、児童労働の比率はサハラ以南のアフリカで最も高い地域として示されている。中東・北アフリカの方が高いという関係は逆。
- 4:妻に対する暴力を正当化する考えの比率は、南アジアの方がラテンアメリカ・カリブ海諸国より高い傾向として示されており、記述は逆。
- 5:子どもへの暴力的なしつけの比率についても、サハラ以南のアフリカの方が東ヨーロッパ・中央アジアより高く、記述は逆。
各地域の具体的な数値は版によって更新されるため、比較の向き(どちらが高いか)を押さえておけば十分。
正解は 2
「「条約182 号」では,加盟国が児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて,女子である児童の特別な事情を考慮するための効果的な措置をとることを定めている。」
条約第182号のポイント
ILO(国際労働機関)が1999年に採択した「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(第182号)」は、すべての児童労働ではなく「最悪の形態」に焦点を当て、その撤廃を緊急課題とした条約である。
- 児童の定義:18歳未満のすべての者(第2条)。
- 最悪の形態:児童の売買・強制労働・債務奴隷などの奴隷的慣行、武力紛争への強制的徴集、売春やポルノへの使用、薬物の生産・取引など不正な活動への使用、健康・安全・道徳を害するおそれのある労働。
- 加盟国の措置:教育の重要性を考慮に入れて、最悪の形態の児童労働への従事を防ぎ、従事している児童を引き離し、リハビリテーションと社会復帰を支援し、無償の基礎教育や職業訓練へのアクセスを確保し、特別な危険にさらされている児童を把握し、女子である児童の特別な事情を考慮する、といった時限を定めた効果的措置をとる。肢2はこの最後の要素に当たる。
誤りの肢の論点
- 1:就業が認められる最低年齢を定めるのは別の条約(就業の最低年齢に関する条約、第138号)で、そこでは義務教育終了年齢などを基準に原則15歳が示される。第182号は「18歳未満」で、両条約の年齢の役割の違いが出題ポイント。
- 3〜5:白書の地域比較は、いずれも「サハラ以南のアフリカ」「南アジア」が高い側として描かれる指標が多く、肢はその向きを入れ替えている。地域別の具体的数値は年版で更新されるため、ここでは比較の向きだけを押さえる。
関連論点
- 子どもの権利条約第32条は、経済的搾取や危険・有害な労働からの保護を定めている。ILO第182号・第138号はその具体化と位置づけて理解するとよい。
- 日本は第182号・第138号のいずれも批准している。
似た用語との違い
「児童労働」は法律上の最低年齢未満の就労や有害な労働を指し、子どもが家庭の手伝いをすること一般を含むわけではない。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題95です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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