問題
事例を読んで,Aさんの就労に関する福祉事務所の対応について,次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 アパートで一人暮らしのAさん(40 歳)は,派遣切りにあったのち,わずかな貯えで生活していた。入院をきっかけに生活保護となったが,先月退院し,アパートに戻った。しかし,まだ生活の見通しは立っていない。Aさんは腰痛を訴えており定期的に通院をしているが,日常生活では問題は生じてはいないようである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題98
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4。
「年齢や医学的な面からの評価だけではなく,資格,生活歴,職歴を客観的総合的に勘案してAさんの稼働能力の有無を評価する。」が適切です。
生活保護では、働く能力(稼働能力)を活用することが保護の要件の一つです。ただし、働けるかどうかは年齢や病気だけで決まるものではありません。資格、これまでの生活の様子、職歴なども含めて、客観的・総合的に評価するとされています。
Aさんは腰痛で通院中で、退院したばかりです。いきなり保護を廃止したり、保護費の支給を条件付きにしたり、辞退届を書かせたりするのは不適切です。
👉 覚え方:稼働能力は「能力・意思・場」の3点で総合的に判断する。
正解は 4
「年齢や医学的な面からの評価だけではなく,資格,生活歴,職歴を客観的総合的に勘案してAさんの稼働能力の有無を評価する。」
厚生労働省の通知では、稼働能力を活用しているかどうかは、①稼働能力があるか、②その能力を活用する意思があるか、③実際に能力を活用する就労の場を得ることができるか、によって判断し、稼働能力の有無は年齢や医学的な面からの評価だけでなく、資格、生活歴・職歴等を把握・分析し、客観的かつ総合的に評価するとされている。
誤りの肢
- 1:指導・指示に従わない場合でも、文書による指導・指示、弁明の機会の付与などの手続を経て停止・廃止が検討される。就労しないことから「速やかに廃止」するのは手続を欠く。
- 2:主治医の意見は判断材料の一つにすぎず、医学的評価だけで直ちに文書指示を出すのは、総合的評価の考え方に反する。
- 3:保護費の支給を求職活動の確認後に先送りすることは、最低生活の保障を損なう。支給を就労指導の条件にする根拠はない。
- 5:辞退届は本人の任意かつ真摯な意思によるものでなければ有効とならない。自立意欲がないとして提出させるのは違法・不当な扱いになりうる。
正解は 4
「年齢や医学的な面からの評価だけではなく,資格,生活歴,職歴を客観的総合的に勘案してAさんの稼働能力の有無を評価する。」
根拠の位置づけ
生活保護法第4条第1項は、保護は生活に困窮する者が「その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と定める(保護の補足性)。このうち「能力」の活用、すなわち稼働能力の活用について、厚生労働省の実施要領(局長通知)は判断の枠組みを示している。
1. 稼働能力があるか
2. その具体的な稼働能力を前提として、能力を活用する意思があるか
3. 実際に稼働能力を活用する就労の場を得ることができるか
そして①の評価は、年齢や医学的な面からの評価だけでなく、本人の資格・生活歴・職歴等を把握・分析し、それらを客観的かつ総合的に勘案して行うとされる。③についても、本人の能力に見合った就労の場が地域の求人状況等から実際にあるかを見る。肢4はこの枠組みそのもの。
誤りの肢の論点
- 1:指導・指示(法第27条)に従わないときに保護の変更・停止・廃止を行う場合は、文書による指示を経て、弁明の機会を与える(法第62条)手続が必要。そのうえで比例原則に照らし、まず変更や停止を検討するのが通常。
- 2:主治医の「就労可能」の意見は医学的な面の評価にすぎない。Aさんは派遣切りを経験し、退院直後で生活の見通しも立っていない。生活歴・職歴を含めた評価と本人との合意形成を飛ばして文書指示に進むのは不適切。
- 3:保護費は最低限度の生活を保障するために毎月支給されるもの。求職の確認を条件に支給を遅らせる運用は、保護の目的(第1条)に反する。
- 5:生活保護の目的は「最低限度の生活の保障」と「自立の助長」の二つだが、自立助長を理由に辞退を迫ることはできない。辞退届による廃止は、本人の任意かつ真摯な申出であることが前提。
関連論点
- 就労支援の手段として、福祉事務所とハローワークが連携する「生活保護受給者等就労自立促進事業」や、被保護者就労支援事業、被保護者就労準備支援事業などがある。
- 就労による自立を後押しするため、就労自立給付金の制度もある。
似た用語との違い
「指導・指示」(法第27条)は保護の実施機関が必要な事項について行うもので、被保護者の自由を尊重し必要最少限度にとどめなければならないとされる。「相談・助言」(法第27条の2)は要保護者からの求めに応じて行う任意のもので、性格が異なる。
- 生活保護法第4条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題98です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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