問題
我が国の貧困問題に対する制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題97
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5。
「1950 年(昭和25 年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。」は正しい記述です。
現在の生活保護法第7条は「申請保護の原則」を定め、保護は本人・扶養義務者・同居の親族の申請に基づいて始まるとしています。ただし、急迫した状況にあるときは申請がなくても保護できます。
ほかの肢は歴史の事実と違います。恤救規則には生活扶助のような扶助の種類の規定はなく、救護法では働ける失業者は対象外でした。生活困窮者緊急生活援護要綱は失業者も対象とし、旧生活保護法には素行不良な者を除く欠格条項が残っていました。
👉 覚え方:申請保護の原則は1950年の現行法で明記。
正解は 5
「1950 年(昭和25 年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。」
1950年制定の現行生活保護法第7条は「保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする」と定め、申請保護の原則を明記した。ただし書で急迫時の職権保護も認めている。
誤りの肢
- 1:恤救規則(1874年)は「人民相互の情誼」による救済を基本とし、対象を身寄りのない極貧者等に限った規則で、扶助の種類としての生活扶助を明記したものではない。
- 2:救護法(1929年制定)は、65歳以上の老衰者、13歳以下の幼者、妊産婦、障害等で働けない者を対象とし、労働能力のある失業者は対象とされなかった。
- 3:生活困窮者緊急生活援護要綱(1945年)は、失業者、戦災者、海外引揚者、在外者留守家族、傷痍軍人とその家族などを対象としており、失業者は含まれていた。
- 4:旧生活保護法(1946年)は、素行不良な者や勤労を怠る者を保護しない欠格条項を残していた。欠格条項が廃止され無差別平等が徹底されたのは1950年の現行法。
正解は 5
「1950 年(昭和25 年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。」
現行法の原理・原則
1950年制定の生活保護法は、日本国憲法第25条の理念に基づき、四つの基本原理(国家責任、無差別平等、最低生活、保護の補足性)と四つの原則(申請保護、基準及び程度、必要即応、世帯単位)を定めた。第7条の申請保護の原則は、保護を受ける権利を前提に、本人等の申請によって保護が開始されることを示す。ただし書は「要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる」として職権保護を認める。第2条は「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り…無差別平等に受けることができる」とし、旧法の欠格条項を退けた。
誤りの肢の論点(制度史の流れ)
- 1 恤救規則(1874年):救済は本来、家族・親族や近隣の相互扶助(人民相互の情誼)で行うべきとし、それに頼れない「無告の窮民」に限って米代相当を支給した。救済の範囲は極めて限定的で、公的扶助としての権利性も扶助の種類の体系もなかった。
- 2 救護法(1929年制定):世界恐慌後の困窮に対応し、初めて公的救護義務を定めた法律とされる。救護の種類は生活扶助・医療・助産・生業扶助などを定めたが、対象は労働能力のない者に限られ、失業者は対象外。また救護を受ける者には選挙権の制限があった。「失業者が救済対象と明記」は誤り。
- 3 生活困窮者緊急生活援護要綱(1945年閣議決定):敗戦直後の混乱に対する応急措置で、失業者、戦災者、海外引揚者などを対象に、宿泊・給食・衣料などの援護を行った。
- 4 旧生活保護法(1946年):GHQの示した無差別平等・国家責任・必要充足などの原則を受けて制定されたが、「能力があるにもかかわらず勤労の意思のない者、勤労を怠る者その他生計の維持に努めない者」や「素行不良な者」には保護を行わない欠格条項を置き、保護請求権や不服申立ても明確でなかった。これらの不備を正したのが1950年の現行法である。
関連論点
- 現行法では不服申立て(審査請求)の制度が整備され、保護の権利性が明確化された。
- 職権保護は「急迫した状況」が要件で、居住地が明らかであっても急迫時は現在地の福祉事務所が保護を行う(第19条第2項)。
年表で押さえる
1874 恤救規則 → 1929 救護法→ 1945 生活困窮者緊急生活援護要綱 → 1946 旧生活保護法 → 1950 現行生活保護法。
- 生活保護法第7条e-Govで原文を読む
- 日本国憲法第25条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題97です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

