要指導医薬品とは何か、薬機法第4条第5項第3号の定義、特定要指導医薬品、第一類医薬品との違い、薬剤師だけが販売できる理由、販売時の確認事項、陳列、一般用医薬品への移行を、e-Gov法令検索と厚生労働省の手引き(令和8年4月)で整理します。厚生労働省の要指導医薬品一覧の読み方もわかります。
目次
結論:要指導医薬品の一覧は、厚生労働省の一覧ページで確認できます。要指導医薬品は、一般用医薬品とは別の区分で、売れるのは薬剤師だけで、登録販売者は売れません(薬機法第36条の5第1項)。その中で、薬剤師が対面で売ることが特に必要なものが特定要指導医薬品です(第36条の5第3項)。
要指導医薬品の一覧は、厚生労働省のページで見る
要指導医薬品の一覧は、厚生労働省が「要指導医薬品一覧」のページで公開しています。どの医薬品が要指導医薬品かは、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定します(薬機法[医薬品医療機器等法]第4条第5項第3号)。
品目は追加され、一般用医薬品への移行で外れることがあります。この記事では、2026-10-28に確認した一覧の件数と、特定要指導医薬品の品目を示します。
要指導医薬品の一覧:厚生労働省のページ「要指導医薬品一覧」は、有効成分、販売名、製造販売業者、承認年月日、根拠条文(第4条第5項第3号/第4条第3項第4号ロ(特定要指導医薬品)/第4条第6項)、調査期間(予定)、販売開始日、備考の列で構成されています。根拠条文の列で、特定要指導医薬品に当たる品目がわかります。ページの更新日の表記は2026-10-22でした。同じページの下には、別の表「要指導医薬品(劇薬)一覧」(販売名・製造販売業者・承認年月日の3列)もあります。最終確認日:2026-10-28。出典:厚生労働省 要指導医薬品一覧。
一覧の件数(2026-10-28 確認)
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 要指導医薬品一覧の販売名(表の行) | 34 |
| 同じ表の有効成分の欄の記載(配合剤は組み合わせ全体で1と数える) | 22 |
| うち特定要指導医薬品(根拠条文が第4条第3項第4号ロ)の販売名 | 2 |
| 別表「要指導医薬品(劇薬)一覧」の販売名 | 4 |
厚生労働省のページの表(更新日の表記は令和8年10月22日)を保存し、同じデータから数えました。34行には、備考に「令和6年承認整理」とある1行(モートリンNX)も含みます。
特定要指導医薬品の品目
根拠条文の列が「第4条第3項第4号ロ」の品目は、次の2つです。
| 有効成分 | 販売名 |
|---|---|
| レボノルゲストレル | ノルレボ |
| レボノルゲストレル | レソエル72 |
特定要指導医薬品は、令和7年厚生労働省告示第280号(令和7年10月20日)が、レボノルゲストレル(内用剤に限る)、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤と定めています(厚生労働省 医薬品等安全対策部会 参考資料、令和8年3月6日)。
試験では、個々の品目名を覚えるより、定義(イ〜ホ)と販売の決まりを理解する方が土台になります。品目を調べるときは、一覧の「有効成分」「承認年月日」「調査期間(予定)」の列を見ます。
登録販売者試験では、第4章「薬事に関する法規と制度」で、要指導医薬品と一般用医薬品の区別、販売できる専門家、陳列の決まりが問われます。
条文は、e-Gov法令検索の現行条文(2026-10-28時点)と、厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」令和8年4月版(以下「手引き」)にもとづきます。
参考:厚生労働省『要指導医薬品一覧』(ページの更新日の表記は2026-10-22)
要指導医薬品とは:法令上の定義
要指導医薬品とは、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして、厚生労働大臣が指定する医薬品です。
薬機法第4条第5項第3号は、次のイからホまでの医薬品のうち、次の3つにすべて当てはまり、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものと定めています。
- 効能及び効果において、人体に対する作用が著しくないもの
- 薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく、需要者(買って使う人)の選択により使用されることが目的とされているもの
- その適正な使用のために、薬剤師の対面等による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なもの
イからホは、次のとおりです。
| 号 | 医薬品 |
|---|---|
| イ | 製造販売の承認の申請に際して第14条第12項に該当するとされた医薬品で、承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの(ホを除く) |
| ロ | イの医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた医薬品で、承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの(ホを除く) |
| ハ | 第44条第1項に規定する毒薬 |
| ニ | 第44条第2項に規定する劇薬 |
| ホ | 第6項の規定による指定を受けた医薬品 |
ホの指定は、第4条第6項で、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて行います。イ・ロの医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要な場合に指定できます。
一般用医薬品は、その特性及び使用の実態を勘案して、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要な場合に指定できます。手引きは、この定義を第4章(210〜211頁)で説明しています。
ここでの「対面等」は、薬剤師の対面、または映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法として、厚生労働省令で定めるものです(同号)。
要指導医薬品は、薬剤師の説明を聞いてからでないと通れない「門」がついた薬のようなものです。
令和7年改正の施行日:令和7年改正(令和7年法律第37号)のうち、要指導医薬品の販売方法(映像及び音声による情報提供、特定要指導医薬品)の部分の施行日は、2026-05-01です。最終確認日:2026-10-28。出典:厚生労働省医薬局長通知 医薬発1128第6号(令和7年11月28日)、厚生労働省 WEBマガジン。
改正の流れは、次の3行です。
- 2025-05-21:令和7年法律第37号が公布されました(厚生労働省 WEBマガジン)。
- 2025-11-28:省令(令和7年厚生労働省令第117号)が公布され、令和8年5月1日の施行と定められました(医薬発1128第6号)。
- 2026-05-01:要指導医薬品の情報提供・販売の方法の部分が施行されました(施行通知は令和7年12月26日付 医薬発1226第2号)。
条文の版と今後の改正:次の2026-05-21は、令和7年改正の施行日ではなく、e-Gov法令検索で現行条文として表示される版の施行日です。この版は2026-05-21施行です。2027-05-20施行の版では、要指導医薬品の定義が第4条第5項第3号から第9項第3号に移り、指定の規定は第6項から第10項に移ります(e-Govの版どうしを比べた結果。第36条の5・第36条の6・第36条の9・第36条の10の条文は同じ)。施行規則第7条の3も「法第四条第九項第三号」に変わります。特定要指導医薬品の定義は第4条第3項第4号ロから第6号ロに、定義のイの「第14条第12項」は「第14条第13項」に変わります。最終確認日:2026-10-28。出典:e-Gov法令検索 医薬品医療機器等法。
参考:e-Gov法令検索『医薬品医療機器等法』(2026-10-28時点)、厚生労働省『試験問題作成に関する手引き』(令和8年4月)
要指導医薬品の販売方法と、特定要指導医薬品
店舗販売業者などは、要指導医薬品を、薬剤師に販売させます(法第36条の5第1項)。施行規則第158条の11は、薬剤師に次の方法で販売させなければならないと定めています(手引き234〜235頁も同じ内容です)。
| 号 | 薬剤師が行うこと |
|---|---|
| 1 | 購入しようとする者が、使用しようとする者であることを確認する。使用者でない場合は、薬剤師等に販売する場合を除き、正当な理由の有無を確認する |
| 2 | 購入しようとする者と使用しようとする者の、他の薬局開設者・店舗販売業者からの購入・譲受けの状況を確認する |
| 3 | 確認した事項を勘案し、適正な使用のために必要と認められる数量に限って販売する |
| 4 | 情報の提供及び指導を受けた者が、内容を理解したことと質問がないことを確認した後に販売する |
| 5 | 購入しようとする者から相談があった場合は、情報の提供または指導を行った後に販売する |
| 6 | 販売した薬剤師の氏名、薬局または店舗の名称と電話番号その他の連絡先を、購入しようとする者に伝える |
| 7 | 対面以外の方法で情報提供を行った場合は、薬剤師によって情報提供が行われた者であることを確認した上で、その薬剤師に販売させる |
あわせて、次の決まりがあります。
- 使用しようとする者以外の者に、正当な理由なく販売し、または授与してはなりません。ただし、薬剤師等に販売し、または授与するときは、この限りではありません(法第36条の5第2項)。
- 薬剤師に、対面等により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて必要な情報を提供させ、必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければなりません。ただし、薬剤師等に販売し、または授与するときは、この限りではありません(法第36条の6第1項)。
- 情報の提供または指導ができないとき、その他適正な使用を確保することができないと認められるときは、販売し、または授与してはなりません(法第36条の6第3項)。
- 販売時の相談や、購入後の相談には、薬剤師に必要な情報を提供させ、指導を行わせなければなりません(法第36条の6第4項)。
- 要指導医薬品を販売し、または授与したときは、品名・数量・日時、薬剤師の氏名などを書面に記載し、2年間保存します(手引き236頁)。
要指導医薬品の中でも、特定要指導医薬品は、薬剤師が対面で販売することが特に必要なものです。
薬機法第4条第3項第4号ロは、適正な使用のために薬剤師の対面による販売または授与が行われることが特に必要な要指導医薬品を、特定要指導医薬品と呼んでいます。厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものです。
手引きは、特定要指導医薬品は令和7年厚生労働省告示第280号で定められていると注記しています(手引き211頁の注)。
- 薬局開設者または店舗販売業者は、特定要指導医薬品につき、薬剤師に、対面により、販売させ、または授与させなければなりません(法第36条の5第3項)。
- 施行規則第158条の11の2は、第158条の11の各号に加えて、対面での販売の理由を踏まえた対応と、販売の際に留意すべき事項に基づく販売を定めています。
- 特定要指導医薬品は、特定販売(薬局または店舗にいない者への販売)の対象から除かれます(施行規則第1条の2第2項第2号)。
特定要指導医薬品の規定(第36条の5第3項)は、現行条文にあります。令和7年の薬機法改正の全体は、登録販売者試験と法改正2026の記事にまとめています。
参考:e-Gov法令検索『医薬品医療機器等法』第36条の5・第36条の6(2026-10-28時点)
第一類医薬品・一般用医薬品との違い
要指導医薬品は、一般用医薬品とは別の区分で、第一類医薬品は、一般用医薬品の中のリスク区分です。どちらも薬剤師に販売させなければなりません(第36条の5第1項、第36条の9第1号)。
| 項目 | 要指導医薬品 | 第一類医薬品 | 第二類・第三類医薬品 |
|---|---|---|---|
| 区分 | 一般用医薬品とは別の区分(法第4条第5項第3号) | 一般用医薬品のリスク区分 | 一般用医薬品のリスク区分 |
| 販売できる者 | 薬剤師(法第36条の5第1項) | 薬剤師(法第36条の9第1号) | 薬剤師または登録販売者(法第36条の9第2号) |
| 情報提供 | 薬剤師が対面等で書面を用いて提供し、指導する義務(法第36条の6第1項) | 薬剤師が書面を用いて提供する義務。説明を要しない旨の意思表明があり適正に使用されると認められる場合は適用されない(法第36条の10第1項・第6項) | 第二類は努力義務(法第36条の10第3項)。相談があれば提供する義務(同条第5項) |
| 陳列 | 要指導医薬品陳列区画(鍵をかけた陳列設備などの例外あり)。一般用医薬品と混在させない(施行規則第218条の3) | 第一類医薬品陳列区画(例外あり) | 区分ごとに混在させない |
陳列の細かい例外は、手引きが246〜247頁で説明しています。店舗販売業では、販売しない時間は、要指導医薬品を通常陳列し、または交付する場所を閉鎖します(施行規則第147条第1項)。
要指導医薬品陳列区画は、鍵をかけた陳列設備に陳列している場合を除いて閉鎖します(同条第2項)。薬局にも同じ内容の規定があります(施行規則第14条の3)。
指定第二類医薬品の陳列や表示は、指定第二類医薬品の記事で整理しています。医薬品全体の区分は医薬部外品・医薬品の分類の記事も参考にしてください。
要指導医薬品から一般用医薬品へ
手引きは、要指導医薬品が所定の期間を経過し、薬事審議会で一般用医薬品として取り扱うことが適切と認められたものは、一般用医薬品に分類されると説明しています(手引き212頁)。期間は、施行規則第7条の3が定めています。
- 第4条第5項第3号イの医薬品:新医薬品の調査期間(延長があればその後の期間)、または製造販売の承認の条件として付された製造販売後の安全性に関する調査の期間(第7条の3第1項)。
- 第4条第5項第3号ロの医薬品:同一性が認められたイの医薬品に係る期間の満了日までの期間(同条第2項)。
手引きは、毒薬・劇薬は要指導医薬品に該当することはあるが、現在のところ、毒薬または劇薬で一般用医薬品のものはないと説明しています(手引き213頁)。
問題で確かめる:間違えやすい6つの点
要指導医薬品の定義・販売方法・陳列は、合格ナビの登録販売者の問題(自作問題)で確かめられます。
要指導医薬品の定義と販売方法(対面・書面・使用者本人)の問題
陳列・区画の規制(鍵かけ陳列・要指導医薬品の陳列・閉鎖)の問題
つまずきやすい点は、次の6つです。
- 要指導医薬品は、一般用医薬品の一部ではありません。一般用医薬品の定義は「要指導医薬品を除く」と書かれています(法第4条第5項第4号)。
- 第一類医薬品は、薬剤師が販売する点は要指導医薬品と同じですが、一般用医薬品のリスク区分です。
- 特定要指導医薬品は、要指導医薬品の一部です。特定販売の対象にならず、薬剤師が対面で販売します。
- 登録販売者が売れるのは第二類・第三類医薬品です。要指導医薬品と第一類医薬品は、薬剤師がいない時間は販売できません。
- 要指導医薬品は、使用しようとする者以外に、正当な理由なく販売できません。ただし、薬剤師等に販売する場合は別です。
- 一覧にある品目は変わります。試験勉強では、定義と販売の決まりを先に押さえます。
要指導医薬品は、「薬剤師だけが売る」と「定義イ〜ホ」から押さえよう
要指導医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして指定された、一般用医薬品とは別の区分です。売れるのは薬剤師だけで、登録販売者は売れません。
特定要指導医薬品は薬剤師が対面で売ることが特に必要なもので、第一類医薬品は薬剤師が売る点は同じでも一般用医薬品の区分なので、混ぜないようにしましょう。
品目は厚生労働省の一覧で確かめ、条文の項の位置が2027年5月に変わることも覚えておきましょう。
どこから解くか迷ったら、合格戦略診断(6問・登録不要)で、いまの弱点と優先する章がわかります。
章ごとの進め方は問題演習の使い方にまとめています。
よくある質問
Q特定要指導医薬品はどの薬?
厚生労働省の要指導医薬品一覧(2026-10-28確認)で、根拠条文が第4条第3項第4号ロの品目は、ノルレボとレソエル72の2つで、有効成分はどちらもレボノルゲストレルです。令和7年厚生労働省告示第280号は、レボノルゲストレル(内用剤に限る)、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤を特定要指導医薬品と定めています。薬剤師が対面で販売または授与しなければなりません(薬機法第36条の5第3項)。
Q要指導医薬品は、ずっと要指導医薬品のままですか?
品目によります。イ・ロ(新しい有効成分などの医薬品)は、所定の期間を経過し、薬事審議会で一般用医薬品として取り扱うことが適切と認められたものは一般用医薬品に分類されると、手引き(令和8年4月)が説明しています(手引き212頁、施行規則第7条の3)。ハ(毒薬)・ニ(劇薬)とホ(第6項の指定)には、この期間の定めはありません。手引きは、現在のところ毒薬又は劇薬で一般用医薬品のものはないとしています(手引き213頁)。
Q要指導医薬品は、インターネットや郵送で販売できますか?
特定要指導医薬品を除く要指導医薬品は、特定販売の対象になります。特定販売は、薬局または店舗にいない者への、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く。)、一般用医薬品または薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であるものを除く。)の販売または授与です(施行規則第1条の2第2項第2号)。特定要指導医薬品は、薬剤師が対面で販売または授与しなければなりません(薬機法第36条の5第3項)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

