電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和5年度上期 理論 問10|電磁誘導・インダクタンス

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図1のように,インダクタンスL=5Hのコイルに直流電流源Jが電流i[mA]を供給している回路がある。電流i[mA]は図2のような時間変化をしている。このとき,コイルの端子間に現れる電圧の大きさ|v|の最大値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図2:電流iは,0の状態から5msの間に1.0mAまで直線的に増加し,次の5msは1.0mAで一定,次の5msで0.5mAまで直線的に減少,次の5msは0.5mAで一定,最後の2msで0まで直線的に減少する。)

問題の図(出典: 令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問10/電気技術者試験センター)

図の出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問10

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正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

コイルに流れる電流が変化するときに生じる電圧の最大値を求める問題です(令和5年度上期 問10)。

コイルの電圧は v=L×(電流の変化の速さ) で,電流が一定の区間では0になります。電流が変化している三つの区間で,変化の速さを比べます。

・最初の5ms:1.0mA増加 → 0.2A/s → 5×0.2=1V

・3番目の5ms:0.5mA減少 → 0.1A/s → 0.5V

・最後の2ms:0.5mA減少 → 0.25A/s → 1.25V

最大は最後の区間の1.25Vです。正答は(4)です。

【コイルの電圧】

v=L(di/dt)

電圧の大きさは電流の変化の速さ(グラフの傾き)に比例します。電流が一定の区間では di/dt=0 なので v=0 です。

【区間ごとの計算】

① 最初の5ms(増加)

di/dt=(1.0×10⁻³)/(5×10⁻³)=0.2[A/s]

|v|=5×0.2=1.0[V]

② 次の5ms(一定):|v|=0

③ 次の5ms(減少)

di/dt=(0.5×10⁻³-1.0×10⁻³)/(5×10⁻³)=-0.1[A/s]

|v|=5×0.1=0.5[V]

④ 次の5ms(一定):|v|=0

⑤ 最後の2ms(減少)

di/dt=(0-0.5×10⁻³)/(2×10⁻³)=-0.25[A/s]

|v|=5×0.25=1.25[V]

【最大値】

|v|の最大は⑤の区間の1.25Vです。

【ポイント】

電流の変化量が一番大きいのは①(1.0mA)ですが,変化にかかる時間も5msと長いので,傾きは⑤より小さくなります。電圧を決めるのは変化量ではなく「変化量÷時間」です。

正答は(4)です。

【なぜ電流の傾きで電圧が決まるか】

コイルを貫く磁束は電流に比例し(LI=NΦ),ファラデーの法則で磁束の時間変化が起電力を生みます。

v=N(dΦ/dt)=L(di/dt)

このため,電流の大きさそのものではなく,電流が変化する速さだけが電圧を決めます。1.0mAで一定の区間は電流が最も大きいのに電圧は0です。

【符号まで考えると】

増加の区間①では v=+1.0V,減少の区間③⑤では v=-0.5V,-1.25V となり,電流が増えるときと減るときで電圧の向きが逆になります。コイルは電流の変化を妨げる向きに電圧を生じる(レンツの法則)からです。本問は「大きさ|v|」を問うているので,符号に関係なく最大の1.25Vを選びます。電圧の波形は,①で+1.0V,③で-0.5V,⑤で-1.25Vの長方形が並んだ形になります。

【選択肢の作り】

選択肢には,途中の計算結果と同じ値が並んでいます。

・(3) 1:最初の増加区間の電圧

・(2) 0.5:3番目の減少区間の電圧

・(1) 0.25:最後の区間の di/dt(0.25A/s)で,Lを掛ける前の値

グラフの見た目で「一番大きく変化している区間(最初の区間)」を選ぶと(3)になってしまいます。時間の目盛りが5msと2msで違うことを必ず確認します。

【エネルギーの見方】

コイルに蓄えられるエネルギーは W=(1/2)Li² です。1.0mAのとき (1/2)×5×(1.0×10⁻³)²=2.5×10⁻⁶J,0.5mAのとき 0.625×10⁻⁶J です。電流が減る区間ではこのエネルギーがコイルから電流源側へ戻されます。

【単位の注意】

電流はmA,時間はmsなので,比をとると10⁻³どうしが打ち消し合い,mA/ms=A/s となります。この性質を知っていれば,0.5mA÷2ms=0.25A/s とそのまま計算できます。

【関連する出題パターン】

・電流の波形から電圧の波形を選ぶ問題(本問の逆)

・コンデンサの電流 i=C(dv/dt) を電圧の波形から求める問題

・電流の変化からコイルの蓄積エネルギーの変化を求める問題

この問題の根拠出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。