電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和5年度上期 理論 問4|電磁気学(磁気回路)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

磁界及び磁束に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

磁界と電磁力に関する五つの記述から誤りを選ぶ問題です(令和5年度上期 問4)。

誤っているのは(3)です。2本の平行導体に反対向きの電流を流すと反発力が働く点は正しいのですが,その力は導体間の距離に反比例(1乗に反比例)します。「距離の2乗に反比例」は点電荷どうしのクーロン力の性質で,平行導体の電磁力とは違います。

平行導体間の単位長さあたりの力は F=μ₀I₁I₂/(2πr) で,rは1乗です。正答は(3)です。

【(1) 正しい】

無限長ソレノイドの内部磁界は,アンペアの周回積分の法則から H=NI[A/m](Nは1m当たりの巻数)です。式に透磁率が入らないので,磁界Hの大きさは内部の物質に影響されません(磁束密度B=μHは物質で変わります)。

【(2) 正しい】

磁界と直角な長さlの導体に電流Iを流すと F=BIl の力が働き,電流に比例します。

【(3) 誤り】

導体1の電流I₁が距離rの位置につくる磁界は H=I₁/(2πr) で,導体2が受ける単位長さあたりの力は

F=μ₀I₁I₂/(2πr)[N/m]

です。反対向きの電流なら反発力,同じ向きなら吸引力という向きは正しいのですが,力は距離rに反比例し,2乗に反比例ではありません。

【(4) 正しい】

フレミングの左手の法則は,中指が電流,人差し指が磁界,親指が力の向きです。

【(5) 正しい】

磁気抵抗 R_m=l/(μA) と電気抵抗 R=l/(σA) を比べると,透磁率μは導電率σに対応します。起磁力NIは起電力に,磁束Φは電流に対応します。

正答は(3)です。

【なぜ平行導体の力は距離の1乗に反比例するのか】

点電荷のクーロン力は,電荷から出る電気力線が球面状に広がるので,面積4πr²に反比例して弱まります。一方,無限に長い直線電流のまわりの磁界は,電流を囲む円周2πrに沿って一様に分布するので,Hは1/rで弱まります。もう一方の導体はこの磁界の中で F=BIl の力を受けるので,力も1/rになります。点源か線源かで距離の指数が変わる,と整理すると覚えやすくなります。

【力の向きの確認】

導体1の電流が紙面の手前向きなら,そのまわりの磁界は反時計回りです。右側に置いた導体2の位置では磁界が上向きになり,導体2の電流が奥向き(反対向き)なら,フレミングの左手の法則で力は右向き,つまり導体1から離れる向きになります。反対向きの電流で反発,同じ向きで吸引です。電荷の場合(同符号で反発)と逆になる点も出題されます。

【(1)の「物質に影響されない」の意味】

磁界Hは電流だけで決まる量(アンペアの法則 ∮H·dl=NI)であり,磁束密度Bは B=μ₀μ_rH で物質の比透磁率μ_rによって変わります。鉄心を入れたソレノイドで磁束が大きく増えるのは,Hではなくμが大きくなるためです。

【(5)の対応関係】

磁気回路のオームの法則 Φ=NI/R_m と電気回路の I=E/R を並べると,起磁力NI↔起電力E,磁束Φ↔電流I,磁気抵抗R_m↔電気抵抗R,透磁率μ↔導電率σ が対応します。ただし磁気回路では漏れ磁束が大きく,鉄心のμが磁束密度によって変わるため,電気回路ほど正確には計算できません。

【関連する出題パターン】

・平行導体間の力を数値で求める問題(μ₀=4π×10⁻⁷H/m を使う)

・電流の向きと吸引・反発の関係を問う問題

・ソレノイドや環状コイルの内部磁界・磁束を求める問題

いずれも「直線電流の磁界は1/r」「F=BIl」の二つが土台になります。

この問題の根拠出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。