問題
図のように,抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX_L[Ω]が直列に接続された交流回路がある。R/X_L=1/√2 の関係があるとき,この回路の力率cosφの値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図:交流電源E[V]にR[Ω]とX_L[Ω]が直列に接続されている。)
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
RL直列回路の力率を,抵抗とリアクタンスの比から求める問題です(令和5年度上期 問9)。
R/X_L=1/√2 なので,R=1,X_L=√2 とおいて考えられます。インピーダンスは
Z=√(R²+X_L²)=√(1+2)=√3
力率は cosφ=R/Z=1/√3≒0.577 で,最も近いのは0.58です。
R/X_Lの値1/√2≒0.71をそのまま力率と考えないことがポイントです。正答は(3)です。
【力率の式】
直列回路の力率は,インピーダンス三角形の底辺Rと斜辺Zの比です。
cosφ=R/Z=R/√(R²+X_L²)
【比だけで解く】
R/X_L=1/√2 より X_L=√2R。これを代入すると
Z=√(R²+(√2R)²)=√(3R²)=√3R
cosφ=R/(√3R)=1/√3≒0.577
【別の形での確認】
分母分子をX_Lで割ると
cosφ=(R/X_L)/√((R/X_L)²+1)=(1/√2)/√(1/2+1)=(1/√2)/√(3/2)=1/√3
同じく約0.58です。
【誤りの選択肢】
(4)の0.71は R/X_L=1/√2≒0.71 そのもので,比と力率を取り違えたときの値です。R/X_L は tanφ の逆数(1/tanφ)であって,cosφではありません。(5)の0.87は √3/2(φ=30°の力率)で,本問のφとは異なります。
【ポイント】
力率は「R÷Z」で,「R÷X_L」ではありません。比が与えられたら,R=1などと置いて三辺を具体的な数にし,インピーダンス三角形を描いてから比をとると取り違えを防げます。
正答は(3)です。
【インピーダンス三角形で考える】
RL直列回路では,横にR,縦にX_L,斜辺にZをとった直角三角形(インピーダンス三角形)ができます。力率角φは底辺Rと斜辺Zのなす角で,
cosφ=R/Z,sinφ=X_L/Z,tanφ=X_L/R
です。本問は tanφ=X_L/R=√2 が与えられたことになり,三角形の辺の比は R:X_L:Z=1:√2:√3 です。
cosφ=1/√3≒0.577,sinφ=√2/√3≒0.816,φ≒54.7° となります。
【tanφからcosφを求める公式】
1+tan²φ=1/cos²φ より
cosφ=1/√(1+tan²φ)=1/√(1+2)=1/√3
比が与えられた問題では,この関係を使うと実際の値を仮定せずに一度で計算できます。
【よく出る比と力率の対応】
・R:X=1:1 → Z=√2,cosφ=1/√2≒0.71(φ=45°)
・R:X=√3:1 → Z=2,cosφ=√3/2≒0.87(φ=30°)
・R:X=1:√3 → Z=2,cosφ=0.5(φ=60°)
・R:X=1:√2 → Z=√3,cosφ≒0.58(本問)
選択肢の0.50,0.71,0.87は,有名な角度(60°,45°,30°)の力率です。本問の比はこれらと違うので,三角形を描いて確かめずに「見覚えのある値」を選ぶと誤ります。
【電力との関係】
電源電圧をEとすると,電流は I=E/Z=E/(√3R),有効電力は P=I²R=E²/(3R),皮相電力は S=EI=E²/(√3R) です。P/S=1/√3 となり,力率の定義(有効電力÷皮相電力)とも一致します。
【関連する出題パターン】
・RC直列回路(進み力率)で同じように比から力率を求める問題
・RL並列回路の力率(並列では cosφ=X/√(R²+X²) と,直列とは形が変わる)
・力率改善のためにコンデンサを並列に入れる問題
直列と並列で力率の式が入れ替わることに注意します。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


