電気工事士の区分は第一種と第二種だけで、2級・3種はありません。電気工事士法の条文で名称を確認し、第一種・第二種の合格率を公式の人数から計算。2級電気工事施工管理技士や第三種電気主任技術者との取り違えも整理します。
目次
結論:電気工事士に「2級」「3種」という区分はありません。電気工事士法が定める免状と試験の種類は、第一種と第二種の2つだけです。令和7年度の合格率は、第二種が学科56.6%・技能71.8%、第一種が学科57.4%・技能58.1%です(合格者÷受験者、上期と下期の合計)。名前が似た別の資格に、2級電気工事施工管理技士と第三種電気主任技術者があります。出典:電気工事士法(e-Gov法令検索)、電気技術者試験センター 試験結果と推移。
| 検索で見かける言い方 | 電気工事士の区分にあるか | 近い(または取り違えやすい)資格 |
|---|---|---|
| 電気工事士2級 | ない | 名称として対応するのは第二種電気工事士。名前が似た別の資格に2級電気工事施工管理技士がある |
| 電気工事士3種 | ない | 名前が似た別の資格に、電気主任技術者の第三種(電験三種)がある |
| 第一種電気工事士 | ある | 自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の工事まで扱える |
| 第二種電気工事士 | ある | 一般用電気工作物等の工事を扱える |
電気工事士に「2級」「3種」はあるか(正しい名称)
電気工事士法の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-04 時点の現行条文)。
- 4条1項:「電気工事士免状の種類は、第一種電気工事士免状及び第二種電気工事士免状とする。」
- 6条1項:「電気工事士試験の種類は、第一種電気工事士試験及び第二種電気工事士試験とする。」
電気技術者試験センターも、資格概要で「電気工事士の資格には、第一種と第二種の2種類があります。」と説明しています(電気工事士の資格概要)。電気工事士法・施行令・施行規則の本文(附則を除く)には、電気工事士の区分として「2級」「3種」を定める規定がありません(施行令・施行規則に出てくる「第三種」は、第三種電気主任技術者免状を指す語です)。
正式な名称は「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」で、略して「電工一種」「電工二種」「1種」「2種」と呼ばれます。免状の名称や履歴書の書き方は第二種電気工事士の正式名称と免状で整理しています。
第一種・第二種の違い(できる工事の範囲)
違いは、従事できる電気工事の範囲です。センターは次の表で示しています(電気工事士の資格概要)。
| 電気工作物 | 第一種電気工事士 | 第二種電気工事士 |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物等(住宅・商店など) | できる | できる |
| 自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備) | できる | できない |
条文では、電気工事士法3条1項が自家用電気工作物の電気工事の作業を第一種電気工事士に、同条2項が一般用電気工作物等の電気工事の作業を第一種または第二種の電気工事士にそれぞれ限っています(括弧書きの除外あり)。ネオン工事・非常用予備発電装置工事(特殊電気工事)は特種電気工事資格者、簡易電気工事は認定電気工事従事者という別の資格で、電気工事士の免状とは別に取得します(同条3項・4項)。
試験の違い、免状の要件(第一種は3年以上の実務経験が必要)、どちらから受けるかは第一種と第二種の違いで扱っています。ここでは、区分の線引きを問題で確かめられるリンクだけを置きます。
- 第二種電気工事士でも従事できない作業を選ぶ問題(検査・法令 問50)
- 第二種電気工事士免状を受けていても従事できない作業を選ぶ問題(検査・法令 問58)
- 第二種電気工事士が単独でできる工事を選ぶ問題(検査・法令 問76)
第一種・第二種の合格率(公式の人数から計算)
「2級」「3種」で探している人にとって最も近い数字は、第二種(いわゆる2種)と第一種の合格率です。電気技術者試験センターが公表する受験者数と合格者数から、合格者÷受験者で計算しました。
| 試験 | 第二種(令和7年度・上期と下期の合計) | 第一種(令和7年度・上期と下期の合計) |
|---|---|---|
| 学科試験 | 受験者139,087人・合格者78,711人(56.6%) | 受験者36,154人・合格者20,735人(57.4%) |
| 技能試験 | 受験者99,610人・合格者71,471人(71.8%) | 受験者28,403人・合格者16,509人(58.1%) |
出典:電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験の試験結果と推移」「第一種電気工事士試験の試験結果と推移」。
令和8年度上期の合格率:第二種は学科が受験者78,290人・合格者48,692人で62.2%、技能が受験者58,393人・合格者42,875人で73.4%。第一種は学科が受験者14,507人・合格者8,307人で57.3%、技能が受験者12,514人・合格者7,019人で56.1%。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 第二種電気工事士試験の試験結果と推移・第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
見るときの注意が2つあります。
- 技能試験を受けられるのは、学科試験の合格者または学科試験の免除者だけです。技能の受験者は、すでに学科を通った人の集まりなので、学科の合格率と同じ尺度では比べられません
- 令和5年度以降の数値には、CBT方式の申込者・受験者・合格者が含まれます(センターの注記)
年度ごとの推移や、上期・下期の違いは第二種電気工事士の合格率の分析、第一種は第一種電気工事士の合格率の分析にまとめています。
「2級」と名前が似た別の資格
2級電気工事施工管理技士
建設業法27条は、国土交通大臣が建設工事に従事する者について技術検定を行うことができると定めています。建設業法施行令37条は、その検定種目の1つに「電気工事施工管理」を挙げ、技術検定を一級と二級に区分して行うとしています。二級は、主任技術者として必要な知識及び能力を判定するための検定です(同条4項)。
電気工事士が電気工事の作業に従事するための資格であるのに対し、施工管理技士は工事の施工計画や工程・品質・安全の管理に関する検定です。根拠法も、検定や試験を行う大臣も別(建設業法は国土交通大臣、電気工事士法は経済産業大臣)で、電気工事士の免状とは関係しません。受検資格や合格率は、この記事では扱いません。
第二種電気工事士を「2種」と書く場合
「電気工事士2種」の「2種」は、第二種電気工事士の略称です。「2級」という名称の電気工事士の資格はないので、住宅などの配線工事の資格を調べたい場合は、第二種電気工事士として調べてください。
「3種」がある資格は電気主任技術者
電気事業法44条1項は、主任技術者免状の種類として第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状を挙げています(4号以降はダム水路主任技術者・ボイラー・タービン主任技術者)。センターは、事業用電気工作物を設置する事業場には「その規模や受電電圧に応じて、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者もしくは第三種電気主任技術者を選任する必要があります」と説明しています(電気工作物の概要)。
センターは、電気工事士は「工事・施工」、電気主任技術者は「保守・管理」が主な業務だと説明しています(電気工事士の資格概要)。電気主任技術者の受験資格や合格率は、電験3種の受験資格と電験三種の合格率の分析で扱っています。
探している資格の早見表
| 探しているもの | 正しい名称 | 見る記事 |
|---|---|---|
| 住宅や店舗の配線工事の資格 | 第二種電気工事士 | できること(電気工事士法の範囲) |
| ビルや工場(高圧受電・500kW未満)の工事の資格 | 第一種電気工事士 | 第一種と第二種の違い |
| 電気設備の保安を監督する資格 | 電気主任技術者(第一種〜第三種) | 電験3種の受験資格 |
| 工事の施工管理の検定 | 電気工事施工管理技士(一級・二級) | 当サイトでは扱っていません |
まとめ
- 電気工事士は第一種と第二種の2つ。「2級」「3種」という区分は、電気工事士法にない
- 第一種は自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)まで、第二種は一般用電気工作物等まで扱える
- 令和7年度の合格率は、第二種が学科56.6%・技能71.8%、第一種が学科57.4%・技能58.1%
- 名前が似た別の資格に、2級電気工事施工管理技士(「2級」)と第三種電気主任技術者(「3種」)がある
よくある質問
Q電気工事士2級という資格はありますか?
ありません。電気工事士法4条1項は、免状の種類を第一種電気工事士免状と第二種電気工事士免状としています。「2級」と書かれたとき、名称として対応するのは第二種電気工事士です。別の資格に、2級電気工事施工管理技士があります。出典:電気工事士法(e-Gov法令検索)。
Q電気工事士3種はありますか?
電気工事士の区分に3種はありません。3種があるのは電気主任技術者で、電気事業法44条1項3号が第三種電気主任技術者免状を定めています。電気工事士は工事の作業、電気主任技術者は保安の監督と、資格の役割も別です。出典:電気事業法(e-Gov法令検索)、電気技術者試験センター 電気工事士の資格概要。
Q第一種・第二種のほかに、電気工事に関する資格はありますか?
電気工事士法には、自家用電気工作物の特殊な工事のための特種電気工事資格者(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)と、簡易電気工事のための認定電気工事従事者があります。これらは電気工事士免状とは別の認定証で、電気技術者試験センターは、取得の手続は経済産業省の産業保安監督部の窓口に問い合わせるよう案内しています。出典:電気工事士法3条3項・4項、電気技術者試験センター 電気工事士の資格概要。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

