問題
次の文は、「保育所保育指針」に示された保育所の社会的責任や子どもの人権への配慮に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。 B 保育所は、地域社会との交流や連携を図り、保護者や地域社会に、当該保育所が行う保育の内容を適切に説明するよう努めなければならない。 C 保育所は、入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとともに、保護者の苦情などに対し、その解決を図るよう努めなければならない。 D 保育所における子育て支援に当たっては、保護者の利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することとされている。 A〜Dの正誤の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育原理」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は2(A○ B○ C○ D×)です。A〜Cは、指針第1章1(5)「保育所の社会的責任」のア〜ウの文そのものです。Dは誤りです。指針は秘密の保持を求めていますが、その条件は「子どもの利益に反しない限りにおいて」であり、「保護者の利益」ではありません。虐待が疑われる場合には、市町村や児童相談所に速やかに通告することが指針でも法律でも求められています。秘密を守ることは大切ですが、それより子どもの安全と利益が優先される、という順番で考えましょう。
A ○ 第1章1(5)アの文です。社会的責任の筆頭に「子どもの人権」と「一人一人の人格の尊重」が置かれています。
B ○ 同イの文です。地域社会との交流・連携と、保育内容の説明(説明責任)を求めています。「努めなければならない」という書き方です。
C ○ 同ウの文です。個人情報の適切な取扱いと、苦情の解決に努めることが示されています。
D × 第4章1(2)イは「子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持すること」としています。限定の基準は「子どもの利益」であり、Dはこれを「保護者の利益」に入れ替えている点が誤りです。基準が子どもの利益であるため、第4章2(3)イは、虐待が疑われる場合には「速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること」と定めています。児童虐待の防止等に関する法律第6条も、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告義務を課し、守秘義務に関する規定は通告義務の遵守を妨げないとしています。
以上から2が正答です。
社会的責任の3項目 指針第1章1(5)は、ア 人権への配慮と人格の尊重、イ 地域との交流・連携と保育内容の説明、ウ 個人情報の適切な取扱いと苦情解決、の3つで構成されています。アだけが「行わなければならない」、イとウは「努めなければならない」という書き方です。語尾を入れ替えた肢に注意してください。
苦情解決の法的な背景 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第14条の3は、児童福祉施設に、苦情を受け付けるための窓口を設置するなどの必要な措置を講じることを求めています。指針ウはこれと対応しています。
秘密保持の法的な背景 児童福祉法第18条の22は、保育士に対して、正当な理由がなく業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定め、保育士でなくなった後も同様としています。一方で、児童虐待の防止等に関する法律第6条第3項は、刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならないとしています。通告は「虐待を受けたと思われる」段階で行うもので、確証は要りません。
「子どもの最善の利益」との関係 指針第1章1(1)アは、保育所を「入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場」としています。秘密保持の限定(子どもの利益に反しない限り)は、この最善の利益の考え方を保護者支援の場面に当てはめたものと読むことができます。
令和8年4月1日現在の関連制度 児童福祉法の改正(令和7年10月1日施行)により、第33条の10の「被措置児童等虐待」に保育所等の職員による虐待が含まれるようになりました。これを受けたと思われる児童を発見した者は都道府県知事又は市町村長に通告しなければならず(第33条の12第1項)、守秘義務の規定はこの通告を妨げるものと解釈してはならず(同条第5項)、通告をした施設職員等は解雇その他不利益な取扱いを受けません(同条第6項)。
紛らわしい点 第4章1(2)イは保護者への子育て支援の項にあり、プライバシーを守る対象には「保護者や子ども」の両方が並びます。そのため限定の基準まで「保護者の利益」と読み替えやすいのですが、原文は「子どもの利益に反しない限りにおいて」です。秘密保持と通告は対立するものではなく、子どもの利益という同じ基準から導かれます。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
- 児童虐待の防止等に関する法律第6条e-Govで原文を読む
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第14条の3e-Govで原文を読む
- 児童福祉法第18条の22e-Govで原文を読む
- 刑法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育原理」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章 1(5)ア〜ウ・第4章 1(2)イ・2(3)イ/児童虐待の防止等に関する法律 第6条条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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