問題
次の文は、日本の幼児教育・保育の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 倉橋惣三は、子どもの自発的な生活を大切にしながら、保育者がそれを充実させていく「誘導保育」を唱えた。 B 1899(明治32)年の「幼稚園保育及設備規程」では、保育の内容を「健康・人間関係・環境・言葉・表現」の5つの領域で示した。 C 1948(昭和23)年に文部省が刊行した「保育要領」は、幼稚園だけでなく、保育所や家庭における幼児の教育の手引きともなるものとして作られた。 D 1965(昭和40)年に、厚生省によって初めて「保育所保育指針」が示された。 A〜Dの正誤の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育原理」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は5(A○ B× C○ D○)です。倉橋惣三は、子どもの自発的な生活を大切にする「誘導保育」を唱えました。1948年の「保育要領」は、幼稚園だけでなく保育所や家庭での幼児の教育の参考にもなるよう作られ、1965年には保育所保育指針が初めて示されました。Bは誤りで、1899年の幼稚園保育及設備規程の保育項目は「遊戯・唱歌・談話・手技」の4つです。「健康・人間関係・環境・言葉・表現」は、現在の保育所保育指針などで使われている5領域です。
A ○ 倉橋惣三は、子どもが自ら生活する姿を尊重し、その生活を保育者が誘導して充実させていく考え方を「誘導保育」として示しました。倉橋の誘導保育論や、東京女子高等師範学校附属幼稚園での誘導保育の成り立ちは、保育史の研究でも繰り返し取り上げられています。
B × 文部省『学制百年史』によれば、明治32年6月に公布された幼稚園保育及設備規程は、幼稚園の編制・組織・保育項目などを定め、保育項目を遊戯・唱歌・談話・手技としました。幼稚園について初めて詳細な法的規定が設けられた点で重要な意義をもつとされています。5領域は、現在の保育所保育指針(第2章)などが用いている枠組みです。
C ○ 『学制百年史』によれば、文部省は昭和23年に保育要領を刊行しました。保育要領は、幼稚園の保育内容の基準を示すだけでなく、保育所の保母や一般の母親たちにも幼児教育の参考となるよう編集されたことが特色とされています。
D ○ 保育所保育指針解説は、保育所保育指針が昭和40年に策定され、平成2年・平成11年の改訂を経て、平成20年の改定で告示化されたと説明しています。昭和40年当時、保育所を所管していたのは厚生省です。
以上から、正答は5です。
倉橋惣三と誘導保育 誘導保育は、子どもの自発的な生活を出発点とし、保育者がそれを充実させ、方向づけていくという考え方です。倉橋惣三の代表的な著作として『幼稚園保育法真諦』が知られ、その保育論は今も研究の対象になっています。Aは、子どもの自発性と保育者の関わりの両方を含んでいる点が要点です。
幼稚園に関する制度の流れ 『学制百年史』によれば、明治32年の幼稚園保育及設備規程で保育項目(遊戯・唱歌・談話・手技)が示され、大正15年(1926年)4月には、幼稚園に関する初めての独立した勅令である幼稚園令が制定されました。戦後は学校教育法(昭和22年法律第26号)の制定によって、幼稚園は正規の学校体系の一環として位置づけられました。昭和31年度には幼稚園教育要領が作られ、教育内容が6つの領域に分類されました。昭和39年度の改訂からは文部省告示として公示されています。
保育所の側の流れ 保育所は、昭和22年12月の児童福祉法の制定によって児童福祉施設として規定されました。昭和23年の保育要領は幼稚園・保育所・家庭のいずれにも参考となるよう編集された手引きでしたが、その後、保育所については昭和40年に保育所保育指針が策定されました。指針は平成2年・平成11年の改訂を経て、平成20年の改定で告示化され、現在は平成29年告示(平成30年4月1日適用)の指針が用いられています。令和8年4月1日現在は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第35条により、保育所の保育の内容は「内閣総理大臣が定める指針」に従うこととされています。
紛らわしい点 「5領域」は、現在の保育所保育指針・幼稚園教育要領などで使われている枠組みです。明治期の保育項目(4項目)や、昭和31年度の幼稚園教育要領の6領域と混同しないようにします。年号と、その時に何が「初めて」定められたのか(規程・勅令・要領・指針)をセットで整理すると、Bのような時代の入れ替えに気付きやすくなります。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
- 学校教育法e-Govで原文を読む
- 児童福祉法e-Govで原文を読む
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第35条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育原理」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:文部省『学制百年史』(幼稚園保育及設備規程・幼稚園令・保育要領・幼稚園教育要領)/保育所保育指針解説(策定と改訂の経緯)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章/児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第35条条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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