問題
次の文は、象徴機能と、文字の読み書きの土台となる経験についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A Kちゃん(2歳)が四角い積み木を手に持ち、「ブーブー」と言いながら床の上を走らせるのは、ある物を別の物で表す象徴機能の表れである。 B 見立て遊びやふり遊びは、言葉の獲得とは関係のない働きによるものであり、言葉の発達とは別の道筋で進んでいく。 C 文字の読み書きを本格的に学ぶ前の時期に、絵本を読んでもらったり、看板や名札の文字に興味をもったりする経験は、読み書きの土台(プレリテラシー)として大切だと考えられている。 D 保育所保育指針は、3歳以上児の保育において、小学校入学までに文字を正確に読み書きできるよう、系統的に練習させることを求めている。 E 保育所保育指針は、3歳以上児の領域「言葉」の内容の取扱いで、子どもが日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わい、文字に対する興味や関心をもつようにすることを示している。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は2です。積み木を車に見立てて走らせるのは、ある物を別の物で表す象徴機能の表れです(A○)。言葉も「物」を「音」で表す働きなので、見立て遊びと言葉の発達は同じ象徴機能に支えられています(B×)。文字を本格的に学ぶ前の、絵本や身近な文字に親しむ経験は読み書きの土台として大切です(C○)。保育所保育指針は文字の系統的な練習ではなく、文字を使って伝える喜びや興味・関心を大切にしています(D×、E○)。
A ○ 象徴機能は、目の前にない物や事柄を、別の物や身振り、言葉などで表す働きです。積み木(表すもの)で車(表されるもの)を表している点に、その働きが表れています。
B × 見立て遊びやふり遊びと言葉は、どちらも「あるもので別のものを表す」という象徴機能に支えられています。言葉は、物や出来事を音声という記号で表すものだからです。両者は深く関わり合いながら発達していくと考えられています。
C ○ 文字を読み書きする力は、正式に学び始める前から、絵本の読み聞かせ、身の回りの文字や記号への関心、言葉遊びなどを通して少しずつ準備されていきます。こうした読み書きの土台となる力や経験をプレリテラシー(萌芽的リテラシー)と呼びます。
D × 保育所保育指針は、文字の読み書きを系統的に練習させることを求めていません。数量や文字などについては、日常生活の中で子ども自身の必要感に基づく体験を大切にし、興味や関心、感覚が養われるようにすることを示しています。
E ○ 指針の第2章3(2)エ「言葉」の内容の取扱い⑤にある記述どおりです。内容⑩にも「日常生活の中で、文字などで伝える楽しさを味わう」とあります。
以上から A○ B× C○ D× E○ の2が正答です。
象徴機能と表象 象徴機能が働くには、目の前にない物を頭の中に思い浮かべる表象(イメージ)の働きが必要です。ピアジェは、感覚運動期の終わりごろに表象が育ち、延滞模倣、見立て遊び、言葉などの象徴的な活動が現れると説明しました。乳児期の終わりから幼児期にかけて、空のコップで飲むふりをする、葉っぱをお皿に見立てる、保育士を相手にお店屋さんごっこをするなど、象徴的な遊びが豊かになっていきます。
見立てから役割のある遊びへ 最初は一人で物を別の物に見立てる遊びが中心ですが、やがて友達とイメージを共有し、役割を分担してごっこ遊びを展開するようになります。イメージを共有するためには言葉で説明したり、相手の考えを聞いたりする必要があり、ここでも象徴機能と言葉の発達が結び付いています。
プレリテラシーの中身 プレリテラシーには、文字の形への関心だけでなく、絵本には文字で書かれた話があると気付くこと、言葉が音の単位に分けられると気付くこと(音韻意識)、自分の名前の文字を見分けることなどが含まれます。しりとりや「あ」のつく言葉集めなどの言葉遊びは、音韻意識を育てる遊びとして知られています。指針の「言葉」の内容の取扱い④でも、言葉遊びなどを通して言葉が豊かになるようにすることが示されています。
指針の位置づけ 指針は、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の一つに「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」を挙げ、遊びや生活の中で数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ね、標識や文字の役割に気付き、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる姿を示しています。小学校の学習を先取りして教え込むのではなく、遊びや生活の必要感の中で文字に出会うことを重視している点が、Dを判断する手がかりです。
紛らわしい点 Bは、見立て遊びと言葉の共通の基盤(象徴機能)を否定した肢です。Dは、指針の「文字への興味・関心」という書きぶりを「正確な読み書きの系統的な練習」に置き換えた肢です。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(象徴機能・表象、見立て遊び・ふり遊び、プレリテラシー)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章 3(2)エ 言葉 (ウ)⑤条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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