問題
次の文は、言葉の働きと発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A ヴィゴツキーの考え方では、音声を伴って他者とのやり取りに使われる言葉を外言、音声を伴わずに頭の中で思考の道具として使われる言葉を内言という。 B 岡本夏木は、親しい人と、具体的な場面を共有しながら、一対一のやり取りの中で用いられる言葉を一次的ことばと呼んだ。 C 岡本夏木は、場面を共有していない不特定の相手に向けて、言葉の文脈だけを頼りに伝える話し言葉や書き言葉を二次的ことばと呼んだ。 D 二次的ことばを身に付けると、一次的ことばは使われなくなり、二次的ことばに置き換わっていく。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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- 3
- 4
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は5です。声に出して人に話しかける言葉が外言、声に出さずに頭の中で考えるときに使う言葉が内言です(A○)。岡本夏木は、親しい人と同じ場面にいて一対一で話す言葉を一次的ことば(B○)、その場にいない不特定の相手に言葉だけで伝える話し言葉や書き言葉を二次的ことばと呼びました(C○)。二次的ことばを身に付けても一次的ことばはなくならず、両方が重なり合って使われていくので、Dは×です。
A ○ ヴィゴツキーは、言葉はもともと他者とのコミュニケーションの道具(外言)として獲得され、それが次第に自分の考えを整理し行動を調整する思考の道具(内言)になっていくと考えました。幼児の独り言は、外言から内言への移行の途中にある言葉とされます。
B ○ 一次的ことばは、目の前の具体的な事柄について、親しい人と状況を共有しながら、一対一の会話で交わされる言葉です。相手の反応を見ながら言い足したり言い換えたりでき、身振りや表情、その場の状況が意味を補ってくれます。
C ○ 二次的ことばは、その場にいない人や不特定多数の人に向けて、言葉の文脈だけで内容を伝える言葉です。クラス全体の前で経験を話す、文章を書くなどが例で、児童期の学校教育の中で本格的に求められるようになります。
D × 岡本は、二次的ことばが獲得されても一次的ことばは消えず、一次的ことばも二次的ことばの影響を受けて深まりながら、両者が重層的に発達していくと考えました。「置き換わる」は誤りです。
以上から A○ B○ C○ D× の5が正答です。
外言と内言の関係 ヴィゴツキーの考え方では、言葉の働きは「他者との間」から「自分の内側」へと移っていきます。外言はもともと他者に向けたものですが、幼児が難しい課題に取り組むときに「こっちかな、いや違う」と声に出して考える姿は、言葉を自分自身に向けて使い始めた姿です。これが音声を伴わない内言となり、思考や行動の調整の道具になります。ピアジェが独り言を自己中心性の表れとしたのとは対照的な見方です。
一次的ことばと二次的ことばの違い 岡本夏木は、両者の違いを、①状況(具体的な場面を共有しているか)、②対象(特定の親しい相手か、不特定の相手か)、③展開(一対一の会話の往復か、一方向の話や文章か)、④媒体(話し言葉か、話し言葉と書き言葉か)などの観点から整理しました。二次的ことばでは、相手が自分と同じ状況を知らないことを前提に、筋道立てて言葉を選ぶ必要があります。
幼児期から児童期への移行 小学校の授業では、クラス全体に向けて考えを発表する、教科書の文章を読む、作文を書くなど、二次的ことばが中心の活動が多くなります。幼児期に一次的ことばによる豊かなやり取りを十分に経験していることが、二次的ことばを支える土台になると考えられています。保育の中で、友達の前で休日の出来事を話す、当番活動で皆に伝えるといった経験は、一次的ことばから二次的ことばへの橋渡しにもなります。
保育所保育指針との関係 指針の3歳以上児の領域「言葉」のねらいには、人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わうことが挙げられています。また、内容には「人の話を注意して聞き、相手に分かるように話す」があります。相手に分かるように話す経験は、二次的ことばの育ちにつながるものとして理解できます。
紛らわしい点 Dは、発達を「古いものが新しいものに置き換わる」と考える誤りです。一次的ことばは大人になっても日常の会話で使われ続けます。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(ヴィゴツキーの外言と内言、岡本夏木の一次的ことばと二次的ことば)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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