問題
次のA〜Dは、保育所で見られる子どもの姿である。それぞれの姿に主に関わっている記憶の種類の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 A Mちゃん(5歳)は、「この前の遠足で、公園の大きな木の下でどんぐりをたくさん拾ったよね」と、いつ・どこで・何をしたかを友達と思い出して話している。 B Nちゃん(5歳)は、「りんごもみかんも果物の仲間だよ」と、特定の出来事とは結び付かない一般的な知識を使って話している。 C Oちゃん(5歳)は、三輪車をなめらかにこげるが、こぎ方を言葉で説明するように言われると、うまく説明できない。 D Pちゃん(5歳)は、保育士から「帽子をかぶって、靴を履いたら、砂場に集まってね」と言われ、言われたことを頭にとどめながら一つずつ順に行動している。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は5です。「いつ・どこで・何をしたか」という自分の経験の思い出はエピソード記憶です(A)。「りんごは果物」のような一般的な知識は意味記憶です(B)。三輪車のこぎ方のように、体で覚えていて言葉では説明しにくい記憶は手続き記憶です(C)。言われたことを頭に置いておきながら、順に行動していくときに働くのはワーキングメモリ(作動記憶)です(D)。
A エピソード記憶 個人が経験した出来事について、時間や場所の情報と結び付いた記憶です。「遠足で」「公園の大きな木の下で」という具体的な状況とともに思い出している点が手がかりです。
B 意味記憶 言葉の意味や事実、概念などの一般的な知識の記憶です。いつ、どこで覚えたかという情報とは切り離されています。エピソード記憶と意味記憶は、どちらも言葉で表すことができる宣言的記憶に含まれます。
C 手続き記憶 自転車に乗る、箸を使うなど、繰り返しの経験によって身に付いた技能ややり方の記憶です。言葉で説明することは難しくても、体が覚えているという特徴があります。
D ワーキングメモリ 情報を一時的に保持しながら、同時にそれを使って考えたり行動したりするための記憶の働きです。作動記憶とも呼ばれます。複数の指示を覚えておきながら順に行動する場面では、この働きが使われています。
したがって5が正答です。1はAとB、2はCとD、3はBとCが入れ替わっています。4のDの感覚記憶は、目や耳から入った情報がごく短い時間そのままの形で保たれる記憶で、指示を保持しながら行動する働きとは異なります。
記憶の分類 記憶は、保持される時間によって、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分けて説明されます。長期記憶は、言葉で表すことのできる宣言的記憶(エピソード記憶・意味記憶)と、言葉で表しにくい非宣言的記憶(手続き記憶など)に分けられます。エピソード記憶と意味記憶の区別は、タルヴィングによって示されました。
ワーキングメモリ 短期記憶が「情報を一時的に覚えておく」働きに注目した概念であるのに対し、ワーキングメモリは「覚えておきながら処理する」働きに注目した概念です。バッドリーらがモデルを示しました。ワーキングメモリで一度に保持できる量には限りがあり、幼い子どもほどその容量は小さいとされます。保育の中で、一度にたくさんの指示を出すのではなく、短く区切って伝える、絵カードなどで見て確認できるようにするといった工夫は、子どものワーキングメモリへの負担を軽くする関わりといえます。
幼児期の記憶の特徴 乳幼児期の出来事は、大人になってから思い出せないことが多く、この現象は幼児期健忘と呼ばれます。また、幼児は覚えるための方略(声に出して繰り返すリハーサル、まとまりにして覚える体制化など)を自発的に使うことがまだ少なく、年齢とともに使えるようになっていくとされます。どのように覚えるとよいかを自分で考えて調整する力は、メタ認知(記憶についてのメタ認知はメタ記憶)と関係しています。
延滞模倣との関係 以前に見た他者の行動を、時間がたってから再現する延滞模倣は、見た行動を記憶として保持し、思い出して再現する力の表れです。ピアジェは、延滞模倣を表象の働きが育った証拠の一つとしました。
紛らわしい点 「いつ・どこで」が手がかりならエピソード記憶、一般的な知識なら意味記憶、体で覚えているなら手続き記憶、「保持しながら処理」ならワーキングメモリと区別できます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:認知心理学の定説(タルヴィングによるエピソード記憶と意味記憶の区別、手続き記憶、バッドリーのワーキングメモリ)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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