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保育士 保育の心理学 問26|道徳性の発達と向社会的行動

問題

保育士 | 保育の心理学 | 令和8年4月1日時点の法令・指針に基づく

次の文は、道徳性や向社会的行動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A ピアジェは、幼い子どもは行為の結果(壊した物の数など)によって善悪を判断しやすく、発達につれて行為の意図や動機を考慮して判断するようになると考えた。 B ピアジェは、規則を大人から与えられた変えられないものとみる段階から、仲間どうしの合意によって変えることができるものとみる段階へと、道徳的な判断が移っていくと考えた。 C コールバーグは、道徳的な判断の発達を、前慣習的水準、慣習的水準、脱慣習的(後慣習的)水準の3つの水準に分けて示した。 D 向社会的行動とは、他者や集団のためになることを意図して、大人から指示されたときに行われる行動をいう。

【この問題について】

本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。

※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

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正解は 5
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

正答は5です。ピアジェは、幼い子どもは「どれだけ壊したか」という結果で善し悪しを決めやすく、成長すると「わざとか、手伝おうとしてか」という動機を考えるようになると考えました(A○)。また、規則を「大人が決めた絶対のもの」とみる見方から、「みんなで話し合えば変えられるもの」とみる見方へ移るとしました(B○)。コールバーグは道徳的判断を3つの水準で整理しました(C○)。向社会的行動は、他者のためになることを意図して自発的に行われる行動を指し、大人に指示されて行う行動のことではありません(D×)。

A ○ ピアジェは、手伝おうとして誤ってコップをたくさん割った子どもと、いたずらをしようとして一つ割った子どもの話を聞かせ、どちらが悪いかを子どもに尋ねるような方法で研究しました。幼い子どもは被害の大きさ(結果)で判断しやすく、年齢が上がると意図(動機)で判断するようになるとされます。これを「結果論的判断から動機論的判断へ」と表します。

B ○ ピアジェは、子どものゲームのルールの扱い方などを調べ、規則を大人の権威による変えられないものとみる他律的な道徳から、仲間との協同や相互の尊重にもとづき、合意によって変えられるものとみる自律的な道徳へと移ると考えました。

C ○ コールバーグは、道徳的なジレンマを含む物語への判断の「理由づけ」を分析し、罰や損得で考える前慣習的水準、周囲の期待や社会の決まりを重んじる慣習的水準、普遍的な原理にもとづいて考える脱慣習的水準の3水準(各2段階で計6段階)を示しました。

D × 向社会的行動は、他者や集団のためになることを意図して自発的に行われる行動(助ける、分け合う、慰めるなど)を広く指します。「他者や集団のためになることを意図して」までは正しく、「自発的に」を「大人から指示されたときに」に入れ替えた点が誤りです。

以上から、A○ B○ C○ D×の5が正答です。

ピアジェとコールバーグの関係 コールバーグはピアジェの考え方を引き継ぎ、道徳性を「判断の理由づけの構造」としてとらえました。どちらも、道徳性を大人から教え込まれる規範の量ではなく、子ども自身の認知の発達とともに組み替わっていくものと考えた点が共通しています。コールバーグの研究で使われた、薬を盗むかどうかで悩む人物の物語はよく知られていますが、評価されるのは「盗む/盗まない」という結論ではなく、その結論に至る理由の水準です。この点を押さえておくと、「結論が正しければ上の段階」という誤った理解を避けられます。

向社会的行動の育ち 向社会的行動は幼い時期から見られ、困っている人に物を渡そうとしたり、泣いている子に近づいたりする姿が観察されます。共感(相手の気持ちを感じ取ること)や視点取得の発達とともに、相手の必要に合った助け方ができるようになっていきます。アイゼンバーグは、向社会的な判断の理由づけが、自分の損得を中心とするものから、相手の必要への注目、さらに内面化された価値にもとづくものへと発達することを示しました。

保育所保育指針との関わり 指針の3歳以上児の「人間関係」の内容の取扱いでは、道徳性の芽生えを培うに当たって、基本的な生活習慣の形成を図るとともに、他の子どもとの関わりの中で他人の存在に気付き、相手を尊重する気持ちをもって行動できるようにすることが示されています。また、人に対する信頼感や思いやりの気持ちは、葛藤やつまずきをも体験し、それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくることに配慮するとされています(第2章3(2)イ(ウ)④)。

紛らわしい点 「他律から自律へ」はピアジェの用語です。コールバーグの3水準の名前(前慣習的・慣習的・脱慣習的)と取り違えないようにします。Dは定義の前半が正しいため読み流しやすく、「自発的に」の部分だけが入れ替わっています。また、向社会的行動のうち、見返りを期待しない行動をとくに「愛他的行動」と呼ぶことがありますが、向社会的行動そのものは、見返りを期待するかどうかといった背後の動機を問わず、他者のためになることを意図した自発的な行動を広く指すと説明されるのが一般的です。

この問題の根拠
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出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(ピアジェの道徳判断の研究〔結果論から動機論へ・他律から自律へ〕、コールバーグの道徳性発達の3水準、向社会的行動の定義)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章 3(2)イ(ウ)④条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。

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