保育士

保育士 保育の心理学 問32|ボウルビィのアタッチメント理論

問題

保育士 | 保育の心理学 | 令和8年4月1日時点の法令・指針に基づく

次の文は、アタッチメント(愛着)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A ボウルビィは、子どもが不安なときなどに特定の人に近づき、その近さを保とうとする傾向をアタッチメントと呼んだ。 B ボウルビィは、アタッチメントは授乳などで空腹を満たしてくれる人に対して、その結果として二次的に形成されるものと考えた。 C 子どもはアタッチメントの対象を安全基地として、そこから離れて周囲を探索し、不安を感じると戻って安心を得ることをくり返す。 D 内的作業モデルとは、アタッチメントの経験を通して形づくられる自分や他者についてのイメージ(表象)であり、その後の対人関係のもち方に影響を与えるとされる。 E ボウルビィは、乳幼児期に母親またはそれに代わる人からの継続的な養育が失われることの影響について、マターナル・デプリベーション(母性的養育の剥奪)の問題として論じた。

【この問題について】

本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。

※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

正答は1です。ボウルビィは、子どもが不安なときに特定の人にくっつこうとする傾向をアタッチメントと名付けました(A○)。ボウルビィは、近づいて近さを保つこと自体を目的とする仕組みと考えており、授乳してくれることの結果として生まれるものとは考えませんでした(B×)。子どもは安心できる人を安全基地にして探索に出かけ、不安になると戻ってきます(C○)。こうした経験から「自分は大切にされる存在だ」「人は助けてくれる」というイメージ(内的作業モデル)が育ちます(D○)。ボウルビィは養育が失われることの影響も論じました(E○)。

A ○ ボウルビィはアタッチメントを、危機的な状況や不安を感じたときに、特定の他者に近づき、近さを保つことで安心を得ようとする傾向として説明しました。泣く、ほほえむ、後追いをする、しがみつくといった行動(アタッチメント行動)がそれを支えます。

B × ボウルビィは、乳児が養育者に近づき近さを保とうとする傾向を、それ自体が目的の生物学的な仕組みと考えました。「授乳してくれるから好きになる」という、空腹を満たしてもらうことの結果として二次的に生まれるという考え方とは異なります。Bは、アタッチメントが形成される理由の部分だけを入れ替えた記述です。

C ○ 安全基地は、アタッチメントの対象が子どもにとって「離れて探索に出かけ、戻ってくれば安心できる拠点」として働くことを表す考え方です。

D ○ 内的作業モデルは、アタッチメントの経験から形づくられる自分と他者についての表象で、他者への期待や対人関係のもち方の土台になると考えられています。

E ○ ボウルビィは、施設などで育つ乳幼児の状況について報告をまとめ、母親やそれに代わる人による継続的な養育が失われることの影響を、マターナル・デプリベーションとして論じました。

以上から、A○ B× C○ D○ E○の1が正答です。

アタッチメント理論の成り立ち ボウルビィは精神分析の流れをくむ医師でしたが、動物行動学(刻印づけの研究など)や進化の考え方を取り入れ、乳児が養育者に近づこうとする傾向は、生き延びるための生物学的な仕組みであると考えました。「授乳してくれるから母親を好きになる」という考え方とは異なり、近さを保つこと自体が目的の行動系だと説明した点が特徴です。サルの赤ちゃんが、授乳用の針金の人形よりも布でくるまれた人形にしがみつくことを示したハーロウの研究も、接触による安心の大切さを示すものとしてよく紹介されます。

アタッチメントの発達の段階 ボウルビィは、人を区別せずに信号を送る段階、特定の人に信号を多く向けるようになる段階、特定の人を安全基地として後追いや人見知りが目立つ段階、相手の目的や気持ちを考慮した協調的な関係をつくる段階、という流れでアタッチメントの発達を説明しました。人見知りは、特定の人との関係が育ち、見知らぬ人と区別できるようになった表れとしてとらえられます。

内的作業モデルの意味 内的作業モデルは「自分は助けを求めれば応えてもらえる存在か」「他者は頼れる存在か」についての見通しのようなものです。乳幼児期に形づくられたモデルは比較的安定しているとされますが、その後の人間関係の経験によって修正されうるとも考えられています。保育士が一人一人の子どもに応答的に関わることは、家庭での関係に課題がある子どもにとっても、新しい信頼の経験を提供することにつながります。

保育所保育指針との関わり 指針は、乳児保育に関わるねらい及び内容の基本的事項で、乳児期の発達について、特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されるといった特徴があるとし、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要であると示しています。担当制などで同じ保育士が継続的に関わる工夫は、こうした考え方と結びついています。

紛らわしい点 ストレンジ・シチュエーション法を考案したのはエインズワースで、アタッチメントの質を観察で調べる方法です。知能や運動機能を測る検査ではありません。また、Bは「ボウルビィは…と考えた」と、Aと同じ書き出しで形成の理由だけを変えています。アタッチメントの対象は母親に限られず、父親や祖父母、保育士など日常的に子どもの信号に応じて関わる人も対象になりえますが、そのことと「授乳の結果として生まれるのではない」ことは別の論点なので、分けて押さえます。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(ボウルビィのアタッチメント理論・内的作業モデル・マターナル・デプリベーション、エインズワースの安全基地の概念)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章 1(1)ア条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

この問題の関連トピック

  • ボウルビィのアタッチメント理論

関連する問題

ページの先頭へ