問題
次の文は、乳幼児期の社会性の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 人見知りは、親しい人と見知らぬ人を区別できるようになったことの表れと考えられている。 B 柏木惠子は、幼児の自己制御を、自分の欲求や意思をはっきり表して実現しようとする「自己主張」と、自分の欲求や行動を抑える「自己抑制」の2つの側面からとらえた。 C 「保育所保育指針」の3歳以上児の「人間関係」の内容には、自分の思ったことを相手に伝えるよりも、相手の思っていることに合わせることが示されている。 D 「保育所保育指針」の3歳以上児の「人間関係」では、子どもが互いに思いを主張し、折り合いを付ける体験をし、きまりの必要性などに気付き、自分の気持ちを調整する力が育つようにすることが示されている。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は3です。人見知りは、いつも世話をしてくれる人と知らない人を見分けられるようになった表れです(A○)。柏木惠子は、自分の思いを表す「自己主張」と、自分を抑える「自己抑制」の2つの側面から幼児の自己制御をとらえました(B○)。指針の内容は「自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く」なので、相手に合わせることを示しているとするCは誤りです(C×)。指針は、互いに思いを主張し折り合いを付ける体験を通して気持ちを調整する力を育てることを示しています(D○)。
A ○ 人見知りは、特定の養育者との関係が育ち、その人と見知らぬ人を区別できるようになったことの表れと考えられています。アタッチメントの発達と結びつけて説明されます。現れ方や強さには個人差があります。
B ○ 柏木惠子は、自己制御には、自分の欲求や意思を表して実現する「自己主張」と、場面に応じて自分の欲求や行動を抑える「自己抑制」の2つの側面があるとしました。どちらか一方だけが育てばよいのではなく、両方がバランスよく育つことが大切だと考えられています。
C × 指針第2章3(2)イ(イ)⑥は、「自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く」としています。肢は「相手に伝え」「気付く」を「伝えるよりも」「合わせる」に入れ替え、自分の思いを表すことを後回しにする形にしています。Bの柏木惠子の整理でいえば、自己主張と自己抑制のどちらか一方に偏らせた記述です。
D ○ 指針第2章3(2)イ(ウ)⑤のとおりです。保育士等との信頼関係に支えられて自己を発揮する中で、互いに思いを主張し、折り合いを付ける体験をし、きまりの必要性などに気付き、自分の気持ちを調整する力が育つようにすることが示されています。
以上から、A○ B○ C× D○の3が正答です。
自己主張と自己抑制の育ち 柏木の研究では、自己主張と自己抑制は同じペースで育つのではなく、それぞれ異なる伸び方をすることが示されました。自己抑制は幼児期を通じて少しずつ伸びていく一方、自己主張は幼児期の後半に伸びが緩やかになる傾向があるとされます。また、日本の子育てや保育では自己抑制が重視されやすいという文化的な特徴も論じられました。ここから、我慢することだけを求めるのではなく、自分の思いを言葉で表すことも同じように大切にする関わりが求められます。
指針に見る自己制御の育ち 3歳以上児では、Dのように子ども同士で思いを主張し合い、折り合いを付ける経験が重視されます(1歳以上3歳未満児との援助の違いは問46の解説を参照)。
紛らわしい点 Cは内容⑥の文の形を残し、「相手に伝え」「相手の思っていることに気付く」を「伝えるよりも」「合わせる」に入れ替えています。指針は、自分の思いを相手に伝えることと相手の思いに気付くことの両方を内容として示しています。Dの内容の取扱い⑤も、互いに思いを主張し、折り合いを付ける体験を示しています。
いざこざへの保育士の関わり いざこざが起きたとき、保育士がすぐに善悪を判断して終わらせるのではなく、それぞれの子どもの思いを受け止め、言葉にして相手に伝える手助けをし、どうすればよいかを子どもと一緒に考える関わりが基本です。ただし、けがにつながる危険な行動があるときは、まず安全を確保します。いざこざを経験の場として生かすことと、危険を放置することは別のことです。
人見知りの理解 人見知りが強いことを「社会性の問題」と心配する保護者もいます。保育士は、それが養育者との関係が育っている表れであることを伝え、子どもが安心できる大人をよりどころにしながら、少しずつ周りの人に慣れていけるよう見守ることができます。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(人見知り、柏木惠子による自己主張・自己抑制の2側面)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章 3(2)イ(イ)⑥・(ウ)⑤条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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