問題
次のA〜Dは、発達における遺伝と環境の役割についての考え方である。それぞれを唱えた人物の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 A 一卵性双生児の一方にだけ早くから階段のぼりの訓練をさせても、後から短期間訓練したもう一方にすぐ追いつかれたことなどから、学習が成り立つには心身の成熟(レディネス)が整うことが必要だとした。 B 健康な乳児を何人か預けてくれれば、環境と訓練しだいでどのような専門家にも育ててみせると述べ、発達における環境と学習の働きを強く主張した。 C 発達は遺伝的な要因と環境的な要因の両方が寄り集まって(足し合わさって)決まるとする輻輳説を唱えた。 D 遺伝的な素質が表に現れるために必要な環境の条件の水準は特性ごとに異なり、身長のように環境の影響を受けにくい特性もあれば、絶対音感のように特別な環境がないと現れにくい特性もあるとした。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
- 1
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- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は2です。Aは双生児の階段のぼり実験で知られるゲゼルの成熟優位説で、学習には成熟による準備(レディネス)が必要だとしました。Bは行動主義の立場から環境と学習を重視したワトソンです。Cの輻輳説はシュテルンで、遺伝と環境が足し合わさって発達が決まると考えました。Dの環境閾値説はジェンセンで、特性ごとに、素質が現れるのに必要な環境の水準が違うとしました。
A ゲゼル ゲゼルは一卵性双生児の一方に早くから階段のぼりの訓練をし、もう一方は後から短い期間だけ訓練しました。後から訓練した子がすぐに追いついたことから、成熟が整う前に訓練しても効果は小さいとし、成熟優位説(レディネスの重視)を唱えました。
B ワトソン ワトソンは行動主義の創始者で、行動は環境からの刺激と学習によって形づくられるとしました。「乳児を預けてくれればどんな専門家にも育てる」という趣旨の言葉は、環境優位説を象徴するものとして紹介されます。
C シュテルン 輻輳説は、遺伝と環境のどちらか一方ではなく、両方が寄り集まって発達を決めるとする考え方です。ただし、両者を「足し算」の関係でとらえている点が、後の相互作用説から批判されました。
D ジェンセン 環境閾値説は、素質が表に現れるためには一定の環境条件(閾値)が要り、その閾値の高さは特性によって違うとする考え方です。
したがって、A ゲゼル・B ワトソン・C シュテルン・D ジェンセンの2が正答です。1はAとBが、3はCとDが、4はAとCが、5はBとDが入れ替わっています。
遺伝か環境かの議論の流れ 発達の規定要因をめぐる考え方は、大まかに「遺伝(成熟)を重視する立場」「環境(学習)を重視する立場」「両方を考える立場」と整理されます。ゲゼルの成熟優位説は前者、ワトソンの環境優位説は後者の代表です。両方を考える立場には、シュテルンの輻輳説と、ジェンセンの環境閾値説などの相互作用説があります。
輻輳説と相互作用説の違い 輻輳説は、遺伝の影響と環境の影響を別々に足し合わせるイメージで、「この特性は遺伝が何割、環境が何割」という発想につながります。これに対して相互作用説は、遺伝と環境が互いに影響し合い、掛け算のように働くと考えます。同じ素質でも環境によって現れ方が変わり、同じ環境でも素質によって受け取り方が変わる、という見方です。ジェンセンの環境閾値説は、この相互作用説の代表例として扱われます。
環境閾値説の例 身長や発語のように、ごく普通の環境があれば素質が現れやすい特性は閾値が低く、学業成績はその中間、絶対音感や外国語の音韻のように特別な訓練や環境がないと現れにくい特性は閾値が高い、と説明されます。
レディネスの考え方の展開 ゲゼルのレディネスは「成熟を待つ」という受け身の意味合いが強いものです。一方、ブルーナーは、どの教科でも知的に誠実な形で、どの発達段階の子どもにも効果的に教えることができるという考えを示し、レディネスは教育によってつくり出せるものだとしました。ヴィゴツキーの発達の最近接領域も、教育が発達に先回りして働きかける可能性を示した考え方です。
保育との関係 保育の場で「まだ早い」「もう遅い」と決めつけず、一人一人の育ちの状態をとらえながら、環境を整えて関わることが大切だという考え方は、こうした理論の流れの上に位置づけられます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(ゲゼルの成熟優位説、ワトソンの環境優位説、シュテルンの輻輳説、ジェンセンの環境閾値説)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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