問題
次の文は、ポルトマンの考え方と、動物の出生時の状態についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A ポルトマンは、人間の新生児は、ほかの高等な哺乳類と比べて、およそ1年早く未熟な状態で生まれてくるとし、これを生理的早産と呼んだ。 B 馬や牛のように、生まれて間もなく自分の足で立って移動できる状態で生まれてくる動物の性質を、就巣性という。 C 人間の新生児は、感覚の働きは比較的よく発達しているのに、自力で移動できないなど運動の面では未熟な状態で生まれてくることから、その性質は二次的就巣性と呼ばれる。 D ポルトマンの考えでは、人間は生まれてから長い期間にわたって大人の世話を必要とするため、生後の環境や人との関わりから受ける影響は小さい。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は4です。ポルトマンは、人間の赤ちゃんはほかの高等な哺乳類と比べて約1年早く、未熟な状態で生まれてくると考え、これを生理的早産と呼びました(A○)。馬や牛のように生まれてすぐ歩ける性質は「離巣性」なので、Bは×です。人間は感覚はよく働くのに自分では動けない状態で生まれるので「二次的就巣性」と呼ばれます(C○)。だからこそ人間は、生後の環境や人との関わりから大きな影響を受けると考えられており、Dは×です。
A ○ スイスの生物学者ポルトマンは、人間の新生児が高等な哺乳類として本来もつべき状態に達するには、生後さらに約1年を要すると考えました。そのため人間は「生理的早産」の状態で生まれてくるとしました。
B × 生まれたときから感覚器官や運動能力がよく発達し、すぐに自分で移動できる性質は離巣性といいます(馬、牛、猿など)。就巣性は、ネズミやウサギなどのように、未熟な状態で生まれ、しばらく巣の中で親の世話を受けて育つ性質です。
C ○ 人間の新生児は、目や耳などの感覚は比較的よく働いている一方、自力で移動できないなど運動の面では未熟です。高等な哺乳類でありながら、就巣性の動物のように世話を必要とすることから、ポルトマンはこれを「二次的就巣性」と呼びました。
D × ポルトマンは、本来なら母胎の中で過ごすはずの期間を、人間は社会的な環境の中で過ごすことになると考えました。そのため、人との関わりや文化的な環境の影響を大きく受けながら育つことが、人間の発達の特徴とされます。肢は結論が逆です。
以上から A○ B× C○ D× の4が正答です。
就巣性・離巣性の整理 ポルトマンは、哺乳類の出生時の状態を次のように整理しました。就巣性の動物は、妊娠期間が短く、一度に生まれる子の数が多く、目や耳が閉じた未熟な状態で生まれます。離巣性の動物は、妊娠期間が長く、生まれる子の数が少なく、生まれたときから感覚や運動の機能が発達しています。高等な哺乳類は一般に離巣性に分類されます。
人間の特殊性 人間は高等な哺乳類で、一度に生まれる子の数も少なく、妊娠期間も長いのに、生まれたときには自分で移動することも食べ物を取ることもできません。この点で、もともと離巣性であるはずのものが二次的に就巣性になった、と説明されます。これが「二次的就巣性」という言葉の意味です。「一次的」な就巣性(ネズミなど)と区別するための言葉です。
生理的早産の意味 生理的早産は、医学的な意味での早産(予定より早く生まれること)ではありません。すべての人間の新生児に当てはまる、種としての特徴を指す言葉です。この区別を押さえておくと、「早産児の発達」の話と混同せずにすみます。
保育との関係 人間の乳児は、生まれてから長い期間、大人の世話と関わりを必要とします。その期間に、大人の応答的な関わりや豊かな環境の中で、言葉や社会的な関わり方、文化を身に付けていきます。乳児が生まれつき人の声や顔に反応しやすい性質をもっていること(エントレインメントや共鳴動作など)も、大人の世話を引き出し、関わりを通して育つことを支える仕組みと考えることができます。保育所保育指針が、乳児保育について、特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されるという特徴を踏まえて保育を行うことを求めているのも、このような人間の乳児の性質と結び付けて理解できます。
紛らわしい点 Bは就巣性と離巣性の取り違え、Dはポルトマンの考え方から導かれる結論を逆にした肢です。「早く生まれる=生後の環境の影響が大きい」という結び付きで覚えておくと判断しやすくなります。
- 保育所保育指針・同解説こども家庭庁の公表ページ
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学・生物学の定説(ポルトマンの生理的早産、就巣性・離巣性・二次的就巣性)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

