問題
次の文は、ヴィゴツキーの理論とそれに関連する考え方についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A ヴィゴツキーは、子どもが自力で問題を解決できる水準と、大人や自分より有能な仲間の援助や協同があれば解決できる水準との間の範囲を、発達の最近接領域と呼んだ。 B ヴィゴツキーは、教育は子どもがすでに自力で解決できるようになった水準に合わせて行うべきであり、援助があればできるという水準に働きかけることは避けるべきだと考えた。 C 大人が子どもの状態に合わせて手がかりを与え、子どもが一人でできるようになるにつれて援助を少しずつ減らしていく関わりは、足場かけ(スキャフォールディング)と呼ばれる。 D ヴィゴツキーは、幼児が遊びながら口にする独り言は、社会性が未熟であるために生じるものであり、思考の働きとは関係なく、成長とともに単に消えていくものだと考えた。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は1です。ヴィゴツキーは、子どもが一人でできることと、大人や仲間の助けがあればできることの間を「発達の最近接領域」と呼びました(A○)。そして教育は、すでにできる水準ではなく、この「助けがあればできる」範囲に働きかけるべきだと考えたので、Bは×です。できるようになるにつれて援助を減らす関わりは「足場かけ」と呼ばれます(C○)。幼児の独り言を、思考の道具として育っていく言葉と考えたのがヴィゴツキーなので、Dは×です。
A ○ 発達の最近接領域の定義どおりです。子どもの発達は「一人でできること」だけでなく、「援助があればできること」まで含めてとらえるべきだ、というのがヴィゴツキーの主張です。
B × ヴィゴツキーは、教育は発達の後を追うのではなく、発達の最近接領域に働きかけて発達を先導するものだと考えました。今日、援助を受けてできることは、明日には一人でできるようになる、という見方です。肢は考え方が逆になっています。
C ○ 足場かけは、ウッド、ブルーナー、ロスが示した概念で、建物を建てるときの足場にたとえたものです。子どもが課題に取り組めるよう大人が手がかりや部分的な手助けを与え、できるようになるにつれて足場を外していきます。発達の最近接領域の考え方と結び付けて説明されることが多い概念です。
D × 幼児の独り言を、自己中心性の表れで、社会化が進むと消えていくものととらえたのはピアジェです。ヴィゴツキーは、独り言は他者とのやり取りに使われていた言葉(外言)が、自分の考えを導く言葉(内言)へと移っていく途中の姿であり、思考を助ける働きをもつと考えました。
以上から A○ B× C○ D× の1が正答です。
社会文化的な発達観 ヴィゴツキーは、子どもの高次の精神機能は、まず人と人との間(社会的な場面)に現れ、その後に子ども個人の内側の機能になると考えました。言葉はその代表的な「道具」であり、大人や仲間との対話が、やがて子ども自身の思考の道具になっていきます。発達の最近接領域も、この考え方から生まれた概念です。
ピアジェとの独り言をめぐる違い ピアジェは、幼児の独り言を「自己中心的言語」と呼び、他者の視点に立てない自己中心性の表れで、社会化とともに消えていくものと考えました。これに対してヴィゴツキーは、独り言は外言が内言へと移る過渡期の言葉で、難しい課題に取り組むときに増えるなど、思考を調整する働きをもつとしました。外から聞こえなくなるのは、消えるのではなく内言として頭の中に移っていくためだ、という説明です。
足場かけの位置づけ 「足場かけ」という言葉はヴィゴツキー自身の用語ではなく、ウッド、ブルーナー、ロスが、大人が子どもの課題解決を手助けする過程を説明するために用いたものです。ただ、援助を受けてできることを、やがて一人でできるようにしていく過程を具体的に示しているため、発達の最近接領域と組み合わせて説明されます。
保育場面での例 パズルに取り組むCちゃん(4歳)が行き詰まったとき、保育士がすぐに正しい場所にはめてしまうのではなく、「角のピースはどれかな」「この色はどこにあったかな」と手がかりを示し、Cちゃんが自分で見つけられるようになったら声かけを減らしていく関わりは、足場かけの考え方に沿ったものです。援助が多すぎれば子どもが自分で考える機会を奪い、少なすぎれば課題に取り組み続けることが難しくなります。
紛らわしい点 Bは「教育は発達の後を追う」という、ヴィゴツキーが批判した考え方を述べた肢です。Dは、ピアジェの見解をヴィゴツキーのものとして述べた肢です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:発達心理学の定説(ヴィゴツキーの発達の最近接領域・内言と外言、ウッド、ブルーナーらの足場かけ)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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