保育士

保育士 保育の心理学 問38|産後のメンタルヘルス

問題

保育士 | 保育の心理学 | 令和8年4月1日時点の法令・指針に基づく

次の文は、出産後の保護者のメンタルヘルスに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A マタニティブルーズは、出産後数か月たってから始まることが多く、治療を受けなければ長期にわたって続くのが特徴である。 B 産後うつ病は、症状が軽いうちは受診の必要はなく、時間の経過とともに自然に軽快するのを待てばよいとされる。 C エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)は、産後うつ病が疑われる人を早期に見つけるために用いられる、自己記入式の質問票である。 D 出産後の保護者のメンタルヘルスの不調は、子どもとの関わりにも影響を及ぼすことがあるため、保育士が保護者の様子の変化に気付いた場合には、関係機関と連携して支援につなぐことが大切である。 E 出産後の時期のメンタルヘルスの不調は、母親だけでなく父親にも見られることがあると指摘されている。

【この問題について】

本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。

※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

正答は4です。マタニティブルーズは、出産後まもなく現れる涙もろさや気分の落ち込みで、多くは短期間で自然におさまります(A×)。一方、産後うつ病は医療的な支援が必要な病気です(B×)。EPDSは産後うつ病のスクリーニングに使われる、本人が答える形の質問票です(C○)。保護者の心の不調は子どもとの関わりにも影響するので、保育士が気付いたら関係機関とつなぐことが大切です(D○)。産後のメンタルヘルスの不調は父親にも見られることがあります(E○)。

A × マタニティブルーズは、出産後まもない時期に現れる一過性の情緒不安定(涙もろさ、気分の落ち込み、不安、いらいらなど)で、多くは短期間で自然に軽快するとされます。「数か月たってから始まる」「治療しなければ長期化する」という説明は誤りです。

B × 産後うつ病は、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、睡眠や食欲の変化、自分を責める気持ちなどが続く精神疾患で、医療的な対応や周囲の支援が必要です。「自然に軽快するのを待てばよい」のは一過性のマタニティブルーズの説明で、産後うつ病とは区別されます。

C ○ EPDSは、産後うつ病のスクリーニングのために開発された10項目の自己記入式の質問票で、日本でも母子保健の場面で広く用いられています。点数だけで診断するものではなく、支援が必要な人を見つけるきっかけとして使われます。

D ○ 保護者のメンタルヘルスの不調は、子どもへの応答が少なくなるなど、親子の関わりにも影響することがあります。保育士は、保護者の表情や言動の変化に気付いたとき、一人で抱え込まず、園内で共有し、必要に応じて市町村などの関係機関と連携して支援につなぎます。

E ○ 産後の時期のメンタルヘルスの不調は父親にも見られることがあり、父親を含めた家族全体の支援の必要性が指摘されています。国立成育医療研究センターは、産後の父親にも母親と同程度の割合でメンタルヘルスの不調のリスクがみられたとする研究結果を公表し、世帯単位での支援やアセスメントの必要性を示しています。

以上から、A× B× C○ D○ E○の4が正答です。

マタニティブルーズと産後うつ病の違い 二つを区別する手がかりは、現れる時期、続く期間、重さです。マタニティブルーズは出産直後の時期に多くの人に見られ、短期間でおさまる一過性のものとされます。産後うつ病は、それよりも後の時期にも発症し、症状が続いて日常生活に支障をきたすもので、治療の対象となります。マタニティブルーズの症状が長引く場合には、産後うつ病への移行も考えて注意深く見守ることが勧められます。

スクリーニングの仕組み 母子保健の分野では、産婦健康診査などの機会にEPDSなどの質問票を用いて、支援が必要な人を早く見つける取り組みが行われています。EPDSはあくまで「見つけるための道具」であり、診断は医師が行います。質問票の結果をきっかけに、保健師による訪問や医療機関への紹介などにつなげていく流れが大切です。

保育所としての関わり 保育所保育指針第4章2(3)アは、保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努めることとしています。また、第4章1(2)アは、地域の関係機関等との連携及び協働を図り、保育所全体の体制構築に努めることを示しています。保護者の不調に気付いたとき、保育士が個人で判断して抱え込むのではなく、園長などと共有し、こども家庭センターなどの市町村の相談窓口と連携して支えることが求められます。子どもに対しては、保育所で安心して過ごせる時間を保障し、家庭の状況が子どもの育ちに与える影響を和らげることも保育所の大切な役割です。

父親を含めた支援 産後のメンタルヘルスの不調は父親にも見られることがあるため、保育士は母親に限らず、送迎などで出会う保護者一人一人の様子に気を配ることが大切です。

紛らわしい点 「産後うつ病は甘えや気の持ちようの問題」という誤った見方は、本人が助けを求めることを妨げます。病気としての理解を周囲がもつことが、早期の支援につながります。Bは「症状が軽いうちは」と条件を付け、マタニティブルーズの特徴(短期間で自然に軽快する)を産後うつ病に当てはめた記述です。軽い時期こそEPDSなどで早く見つけて支援につなぐことが勧められている点と食い違います。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「保育の心理学」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:周産期精神保健の定説(マタニティブルーズと産後うつ病の区別、エジンバラ産後うつ病質問票)/国立成育医療研究センター プレスリリース(2020年8月27日・産後の父母のメンタルヘルス)/保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第4章 2(3)条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。