問題
次の文は、児童福祉法に定める一時保護に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるときその他の内閣府令で定める場合であって、必要があると認めるときは、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して一時保護を行わせることができる。 B 一時保護を行うときは、親権を行う者又は未成年後見人の同意がある場合などを除き、一時保護を開始した日から起算して7日以内に、裁判官に一時保護状を請求しなければならない。 C 一時保護の期間は、一時保護を開始した日から2月を超えてはならないが、必要があると認めるときは引き続き一時保護を行うことができ、それが親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合には、原則として家庭裁判所の承認を得なければならない。 D 一時保護は、児童相談所長ではなく、児童の住所地の市町村長が行うものとされている。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「子ども家庭福祉」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は4です。一時保護は、子どもの安全を急いで確保したり、子どもの状況を把握したりするために、児童相談所長(又は都道府県知事)が行うものです。令和7年6月1日からは、親権者の同意がない場合などに、裁判官に「一時保護状」を請求する司法審査の仕組みが始まりました。期間は原則2か月までで、親権者の意に反して延長するときは家庭裁判所の承認が必要です。市町村長が行うものではないので、Dは誤りです。
A ○ 第33条第1項の内容どおりです。令和7年6月1日施行の改正で、一時保護を行える場合は「児童虐待のおそれがあるとき、少年法第6条の6第1項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合」と条文に明記されました。一時保護には、子どもの安全を迅速に確保し適切な保護を図る目的と、子どもの心身の状況や置かれている環境などを把握する(アセスメントのための)目的の二つがあります。一時保護は、一時保護施設で行うほか、里親や児童福祉施設などの適当な者に委託して行うこともできます(委託一時保護)。
B ○ 第33条第3項は、一時保護を行うときは、①親権を行う者又は未成年後見人の同意がある場合、②親権を行う者又は未成年後見人がない場合、③開始日から7日以内に解除した場合を除き、開始日から起算して7日以内に、地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の裁判官に一時保護状を請求しなければならないとしています。
C ○ 一時保護の期間は開始日から2月を超えてはならず、必要があると認めるときは引き続き行うことができます。引き続きの一時保護が親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合は、引き続き行おうとするとき、及びその後2月を超えて引き続き行おうとするときごとに、家庭裁判所の承認を得なければなりません(施設入所の承認の申立てや親権停止の審判の請求などがされている場合は例外)。
D × 一時保護を行うのは児童相談所長、又は都道府県知事が児童相談所長に行わせるもので(第33条第1項・第2項)、市町村長の権限ではありません。市町村は、一時保護が適当と考える子どもを児童相談所長などに通知する立場です。
以上から、A○ B○ C○ D× の4が正答です。
司法審査の導入 令和4年の児童福祉法改正により、一時保護の開始の判断に司法審査を導入する一時保護状の仕組みが設けられ、令和7年6月1日に施行されました。裁判官は、一時保護の要件に該当すると認めるときは一時保護状を発しますが、明らかに一時保護の必要がないと認めるときは発しません。一時保護状には、児童の氏名、一時保護の理由、発付の年月日、裁判所名などが記載されます。請求は一時保護を始める前にあらかじめ行うこともできます。
却下されたとき 裁判官が請求を却下したときは、速やかに一時保護を解除しなければなりません。ただし、一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、却下の裁判の翌日から起算して3日以内に限り、その取消しを請求することができ、その裁判が確定するまでの間は一時保護を続けることができます。
2か月を超える一時保護 2か月を超える一時保護は、親権者等が同意していれば家庭裁判所の承認は不要ですが、意に反する場合は2か月を超えるごとに承認が必要です。開始時の一時保護状(裁判官)と、延長時の承認(家庭裁判所)は別の仕組みなので、混同しないようにします。
一時保護中の権利擁護 一時保護を行う場合や解除する場合には、あらかじめ子どもの年齢・発達の状況に応じて意見聴取等措置をとらなければなりません(第33条の3の3)。また、虐待が疑われる段階でも、一時保護中の子どもと保護者との面会・通信を制限できる規定が設けられています(児童虐待防止法第12条第3項)。一時保護施設については、令和4年改正により、その設備及び運営について内閣府令で基準を定めることとされ、子どもの権利擁護や個別性に配慮した環境の確保が図られています。
市町村との関係 児童虐待の通告を受けた市町村は、安全確認のうえ、一時保護の実施が適当と認める子どもを都道府県知事又は児童相談所長へ通知します(児童虐待防止法第8条第1項第2号)。市町村自らが一時保護を行うのではない点がDの判断のポイントです。
範囲外の改正 一時保護委託先の登録制度(令和7年法律第29号の一部)は令和8年10月1日施行で、令和8年4月1日を基準とする出題範囲には含まれません。
- 児童福祉法e-Govで原文を読む
- 少年法第6条の6e-Govで原文を読む
- 児童虐待の防止等に関する法律第12条・第8条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「子ども家庭福祉」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。
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