保育士

保育士 社会福祉 問22|事例 ストレングス視点に立った保護者支援

問題

保育士 | 社会福祉 | 令和8年4月1日時点の法令・指針に基づく

次の【事例】を読んで、保育士の関わりに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 【事例】 Y保育所に通うDちゃん(3歳)の母親Eさんは、ひとりでDちゃんを育てながら働いている。ある日の迎えの時間に、Eさんは担任の保育士に「仕事が忙しくて、家では食事も簡単なものばかり。母親として全然できていない」と話した。保育士はこれまで、EさんがDちゃんを毎朝決まった時間に送ってきていること、近所に子育て中の親しい友人がいること、Eさんが料理を好きで「本当はDと一緒に作りたい」と話していたことを把握している。 A Eさんが毎朝決まった時間にDちゃんを送ってきていることや、近所に親しい友人がいることを、Eさんの生活を支える強みとして捉える。 B Eさんができていないことを一覧にして示し、それらを一つずつ改善するよう指導することを支援の中心に置く。 C 地域で利用できる子育て支援のうち、Eさんに合うと保育士が判断したものについて、保育士がEさんに代わってその窓口に利用を申し込んでおく。 D 「本当はDと一緒に作りたい」というEさんの思いを、家庭でのDちゃんとの関わりを広げる手がかりとして受け止める。 (組み合わせ) A〜Dの正誤の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

【この問題について】

本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「社会福祉」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。

※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

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正解は 1
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。

正答は1です。A・Dは、Eさんの強みや希望に目を向けるストレングス視点に立った関わりです。Bは不適切です。できていないことを並べて改善を指導する関わりは、欠けている点に注目する見方であり、自信をなくしているEさんをさらに追い詰めかねません。Cも不適切です。保育士の善意からであっても、利用するかどうかを保育士が決めて申し込むことは、保育所保育指針が求める「保護者の自己決定を尊重すること」に反します。

A 適切 毎朝決まった時間に送ってくるという生活の規則正しさや、近所に親しい友人がいることは、Eさんの暮らしを支える大切な強み(ストレングス)です。本人の力だけでなく、周りの人とのつながりも強みとして捉えるのがストレングス視点です。

B 不適切 「できていないこと」に注目して改善を求める関わりは、欠点や問題を中心に見る考え方で、ストレングス視点とは反対です。また、Eさんの「母親として全然できていない」という気持ちを受け止めずに指導することは、保護者の気持ちを受け止め、自己決定を尊重するという保育所保育指針の考え方にも合いません。

C 不適切 保育所保育指針第4章1(1)アは、保護者の「自己決定を尊重すること」としています。Eさんに合いそうな支援があっても、利用するかどうかを決めるのはEさんです。保育士が判断して代わりに申し込んでおく関わりは、善意によるものであってもEさんの自己決定を飛ばしてしまいます。情報を分かりやすく伝え、Eさん自身が選べるようにする関わりが適切です。

D 適切 Eさんが語った「本当はDと一緒に作りたい」という希望は、Eさんの意欲という強みであり、家庭での親子の関わりを広げる手がかりになります。本人の希望を出発点にすることは、ストレングス視点の基本です。

したがって、A○ B× C× D○の1が正答です。

事例の読み方 この事例では、Eさんは「母親として全然できていない」と自分を責めています。こうした場面では、援助者がまずその気持ちを受け止めることが大切です(指針 第4章1(1)ア「保護者の気持ちを受け止め」)。そのうえで、Eさんが気付いていない強みや、すでにできていることに目を向けられるよう支えることが、ストレングス視点に立った関わりです。

保育所保育指針との関係 保育所保育指針第4章1(1)アは、保護者に対する子育て支援を行う際には、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重することとしています。同イは、保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努めることとしています。たとえば、保育所での食事や食育の活動でDちゃんが楽しそうにしている様子を伝えることは、Eさんが家庭でDちゃんと一緒に料理をしてみるきっかけになり、記述Dの関わりにもつながります。

ストレングス視点とエンパワメント ストレングス視点は、人には誰でも強みがあり、成長し変わる力を持っているという前提に立ちます。強みには、本人の能力や意欲、希望などの内的な強みと、家族、友人、地域の人々や資源などの外的な強みがあります。エンパワメントは、本人が本来持っている力を発揮し、自分の生活を自分でコントロールできるよう支えることです。情報を提供して本人が選べるようにすることは本人の力を奪わずに支える関わりですが、Cのように援助者が選んで手続まで済ませてしまうと、本人が自分で決める機会を奪うことになります。

不適切な関わりの問題点 Bのように、できていないことを並べて指導する関わりは、欠けている点を中心に見る関わりで、保護者の気持ちを受け止めることから始めていません。困りごとがあっても、まずは強みと希望を手がかりに、本人と一緒に考えていく姿勢が求められます。

紛らわしい点 Cは、Eさんのためを思った善意の関わりに見えるため、適切と判断しやすい記述です。しかし、支援につなぐこと自体がよくても、利用するかどうかを保育士が決めてしまう点で自己決定の尊重に反します。「支援を受けるかどうかを保育士が決める」「できないことを指導する」といった、援助者が主導しすぎる記述は、不適切と判断する手がかりになります。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「社会福祉」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第4章 1(1)ア・イ/ストレングス視点・エンパワメントに関する教科書上の定説条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・指針は改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 全国保育士養成協議会の公式サイトや関係省庁の公表でご確認ください。本サイトは同協議会と一切関係ありません。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

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