問題
マンション標準管理規約(単棟型)における、区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
使用禁止請求(区分所有法58条)・競売請求(59条)・引渡し請求(60条)の訴えを管理組合が起こすには、総会で決議する前に、相手の組合員や占有者に言い分を述べる機会(弁明の機会)を与えなければなりません(標準管理規約47条11項)。これが正答アです。決議は普通決議ではなく、各4分の3以上の特別多数決議が必要です(イが誤り)。相手が占有者でも弁明の機会は必要です(ウが誤り)。これらの訴えの提起は理事会ではなく総会の決議事項です(エが誤り)。
標準管理規約47条11項は「第3項第四号に掲げる事項(区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起)の決議を行うには、あらかじめ当該組合員又は占有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」と定めます。よってアが正答です。イについて、47条3項は、四号の「区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起」を「組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する」特別多数決議の対象としており、出席組合員の議決権の過半数(47条2項)では決せられません。ウについて、47条11項は弁明する機会を与える相手を「当該組合員又は占有者」としており、占有者に対する引渡し請求(区分所有法60条1項)の場合も弁明の機会が必要です。エについて、48条十一号は「区分所有法第57条第2項及び前条第3項第四号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任」を総会の決議事項としており、理事会限りでは決められません。
区分所有法は、共同の利益に反する行為への措置として、行為の停止等の請求(57条)、専有部分の使用禁止請求(58条)、区分所有権及び敷地利用権の競売請求(59条)、占有者に対する契約の解除及び専有部分の引渡し請求(60条)を置いています。後の3つはいずれも「集会の決議に基づき、訴えをもつて」行うもので、その決議は、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数でするとされ(58条2項、59条2項・60条2項で準用)、決議の前に弁明する機会を与えることも求められています(58条3項、59条2項・60条2項で準用)。標準管理規約はこれを受けて、47条3項四号で同じ特別多数決議の要件を定め、47条11項で「あらかじめ当該組合員又は占有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」とし、48条十一号でこれらの訴えの提起と訴えを提起すべき者の選任を総会の決議事項としています。専有部分の使用を禁じる、区分所有権を競売にかける、占有者に専有部分を明け渡させるという重い効果を持つため、多数決の要件を加重するだけでなく、対象者の言い分を事前に聞く手続を置いているのです。これに対し、未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行(60条4項)や、規約違反・不法行為に対する差止め等の法的措置の追行(67条3項)は、理事会の決議により理事長が行うものとされ(54条1項六号)、総会決議を要する58条〜60条の訴えとは扱いが異なります。マン管試験では、①58条1項・59条1項・60条1項の訴えは総会の特別多数決議(各4分の3以上)で決すること、②決議の前に対象の組合員又は占有者へ弁明の機会を与えること、③相手が占有者でも弁明の機会は省けないこと、④理事会の決議で追行できる法的措置(54条1項六号)との区別、の4点を押さえておくことが重要です。
- 建物の区分所有等に関する法律第58条・第60条・第57条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション標準管理規約(単棟型)令和7年10月17日改正 第47条・第48条・区分所有法第58条〜第60条を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

