問題
マンション管理費等の消滅時効に関する次の記述のうち、民法によれば最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
督促の書面(催告)を出すと、そこから6か月間は時効が完成しません(民法150条)。これが正答アです。管理費等の消滅時効は「知った時から5年」または「行使できる時から10年」で、一律3年ではありません(ウが誤り)。時効期間が過ぎても、滞納者が「時効です」と主張(援用)しなければ、裁判所は時効で消滅したものとして裁判をすることができません(民法145条・イが誤り)。催告で新たに10年進行が始まるわけではなく、6か月間の猶予にとどまります(エが誤り)。
民法150条は「催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」と定めます。よってアが正答です。ウについて、民法166条1項は「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」又は「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」に時効消滅すると定めており、一律3年という期間はありません。イについて、民法145条は「時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めており、援用がないまま時効消滅を前提に裁判をすることはできません。エについて、150条2項は「催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない」とも定めており、催告の効果はあくまで6箇月間の完成猶予であって、新たに10年の時効期間が進行を始めるものではありません。
民法166条1項は、債権の消滅時効について①権利を行使することができることを知った時から5年間(主観的起算点)、②権利を行使することができる時から10年間(客観的起算点)のいずれか早い方の経過によって時効消滅するという二重の期間を定めています。管理費等の請求権は、支払期日が到来すれば管理組合はその発生と行使可能性を通常知っているため、実務上は主観的起算点の5年が問題になる場面がほとんどです。時効の完成を防ぐ手段として、民法は「完成猶予」と「更新」の2種類を用意しています。催告(150条)は完成猶予事由の一つで、催告の時から6箇月を経過するまで時効の完成を猶予しますが、期間そのものをリセットして新たに進行させる効果(更新)はなく、猶予期間内にさらに裁判上の請求等の強い措置を取らなければ、猶予期間経過後に時効が完成します。また150条2項により、猶予期間中に重ねて催告をしても再度の猶予は生じないため、督促を繰り返すだけでは時効の完成を防ぎきれません。時効の完成を確実に防ぐには、猶予期間内に裁判上の請求・支払督促(147条1項)や強制執行(148条1項)等の手続をとる必要があります。裁判上の請求等は、その事由が終了するまで時効の完成を猶予し、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、その事由が終了した時から時効が新たに進行を始めます(147条2項=更新)。加えて、時効期間が経過しても、当事者が援用しなければ裁判所は時効によって裁判をすることができません(145条)。マン管試験では、①166条1項の5年/10年という二重の期間構造、②催告(150条)が「完成猶予」であって「更新」ではないこと、③猶予期間は6箇月であり10年ではないこと、④援用がなければ裁判所は時効によって裁判をすることができないこと、の4点を正確に区別することが重要です。
- 民法第150条・第145条・第166条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:民法第150条・第166条を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

