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有給休暇の付与日数一覧比例付与と年5日の義務|社労士の労基法39条

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

有給休暇(年次有給休暇)の付与日数は、通常の労働者なら6箇月で10日、6年6箇月以上で20日。週所定労働日数が少ない人の比例付与の表、年10日以上の人に年5日の時季指定を義務づける39条7項を、労働基準法39条と施行規則24条の3〜24条の7の条文どおりに整理します。

目次
  1. 付与の条件:継続勤務と全労働日の8割以上の出勤(39条1項・2項)
  2. 付与日数の表:通常の労働者(39条1項・2項)
  3. 週の所定労働日数が少ない人:比例付与(39条3項・施行規則24条の3)
  4. 年5日の時季指定義務(39条7項・8項、施行規則24条の5〜24条の7)
  5. 請求・時季変更・計画的付与・時間単位(39条4項〜6項)
  6. 出勤したものとみなす期間・不利益な取扱い・賃金
  7. 試験での問われ方と、間違えやすいポイント
  8. 相談先と、法令基準日
  9. まとめ
結論:通常の労働者(週の所定労働日数が5日以上など)の有給休暇は、雇入れから6箇月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した時点で10日。その後は、6箇月経過日から数えた継続勤務年数に応じて、10日に1年で1日、2年で2日、3年で4日、4年で6日、5年で8日、6年以上で10日を加算した日数になり、雇入れから6年6箇月以上で20日です(労働基準法39条1項・2項)。ただし、直前の期間の出勤が全労働日の8割未満なら、その後の1年間は与えることを要しません(2項ただし書)。週の所定労働日数が少ない人は、39条3項と施行規則24条の3第3項の表(比例付与)で日数が決まります。付与日数が10日以上の人には、使用者が年5日を、基準日から1年以内に時季を定めて与える義務があります(39条7項)。

「有給休暇 付与日数」は、働く人も、社労士試験の受験者も調べる言葉です。この記事は、e-Gov 法令検索の労働基準法39条・115条・120条・136条・143条と、同施行規則24条の3〜24条の7・附則71条の条文だけをもとに、日数の表と年5日の義務を整理します。個別の働き方に当てはめた助言はしていません(相談先は記事末尾に載せています)。年休に関する判例は社労士の判例にあります。

付与の条件:継続勤務と全労働日の8割以上の出勤(39条1項・2項)

有給休暇が発生する条件は、条文の言葉で次の2つです。

条件条文の内容
継続勤務雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務していること(1項)。その後は、6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間ごとに付与される(2項)
出勤率全労働日の8割以上出勤していること(1項)。2項ただし書は、各期間の初日の前日が属する期間の出勤日数が全労働日の8割未満の者には、その初日以後の1年間は有給休暇を与えることを要しない、と定める

「6箇月経過日」は、2項で「雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日」と定義されています。当サイトの作例:雇入れが2026年4月1日なら、6箇月間(4月1日〜9月30日)継続勤務したあとの10月1日が6箇月経過日で、その6箇月間の全労働日の8割以上出勤していれば、ここで10日が付与されます。その後の基準日は、1年ごとの2027年10月1日、2028年10月1日…です(7項の「基準日」は、6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日)。

出勤率の例(当サイトの作例):期間中の全労働日が240日なら、8割は240×0.8=192日。192日出勤していれば8割以上、191日なら191÷240=79.6…%で8割未満です(検算:192÷240=0.8)。なお、業務上の負傷・疾病による療養のための休業、育児休業・介護休業、産前産後の休業の期間は、出勤したものとみなされます(10項、下の節)。

付与日数の表:通常の労働者(39条1項・2項)

2項の表は、6箇月経過日から起算した継続勤務年数に応じて、1項の日数(10労働日)に加算する日数を定めています。

6箇月経過日から起算した継続勤務年数加算される労働日(2項の表)
1年1労働日
2年2労働日
3年4労働日
4年6労働日
5年8労働日
6年以上10労働日

雇入れの日から数えた付与日数に直すと次のとおりです(当サイトの計算:10日+加算日数)。

雇入れからの継続勤務計算付与日数
6箇月1項10日
1年6箇月10+111日
2年6箇月10+212日
3年6箇月10+414日
4年6箇月10+616日
5年6箇月10+818日
6年6箇月以上10+1020日

検算(当サイトの計算):6年6箇月以上の20日は、2項の表の最大の加算(10労働日)を1項の10日に足した値で、表の最上段(6年以上=10労働日)と一致します。

週の所定労働日数が少ない人:比例付与(39条3項・施行規則24条の3)

所定労働日数が少ない労働者には、39条3項により、通常の日数ではなく、比例した日数が付与されます。条文の構造は次のとおりです。

項目内容根拠
対象から除かれる人1週間の所定労働時間が30時間以上の者39条3項かっこ書、施行規則24条の3第1項
通常の労働者の週所定労働日数5.2日施行規則24条の3第2項
対象1:週の所定労働日数が少ない人1週間の所定労働日数が4日以下39条3項1号、施行規則24条の3第4項
対象2:週以外の期間で所定労働日数が定められている人1年間の所定労働日数が216日以下39条3項2号、施行規則24条の3第5項

日数は、施行規則24条の3第3項の表で定められています(e-Gov 法令検索の表をそのまま整理)。

週所定労働日数1年間の所定労働日数6箇月1年6箇月2年6箇月3年6箇月4年6箇月5年6箇月6年6箇月以上
4日169日から216日まで7日8日9日10日12日13日15日
3日121日から168日まで5日6日6日8日9日10日11日
2日73日から120日まで3日4日4日5日6日6日7日
1日48日から72日まで1日2日2日2日3日3日3日

年5日の時季指定義務(39条7項・8項、施行規則24条の5〜24条の7)

年5日の義務は、39条7項が定めています。条文の言葉を分けると次のとおりです。

項目内容
対象1項から3項までの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が10労働日以上である労働者
義務の内容その日数のうち5日について、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない
基準日継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときはその期間)の初日
ただし書基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めて与える
控除(8項)5項(労働者の請求)または6項(計画的付与)により与えた日数(5日を超える場合は5日)分は、時季を定めて与えることを要しない

施行規則が定める手続は次のとおりです。

  • 24条の6:時季を定めて与えるときは、あらかじめ、7項により与えることを労働者に明らかにしたうえで、その時季について労働者の意見を聴かなければならない(1項)。聴取した意見を尊重するよう努めなければならない(2項)
  • 24条の7:5項から7項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数、基準日(第一基準日・第二基準日を含む)を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、有給休暇を与えた期間中と期間の満了後5年間保存しなければならない。ただし、施行規則附則71条により、当分の間、24条の7の「五年間」は「三年間」と読み替えられます
  • 24条の5:前倒し付与の場合の期間の数え方。第一基準日(10労働日以上を与えた日)から1年以内の期間に5日を与える(1項)。10労働日以上を基準日または第一基準日に与えることとし、かつ、そこから1年以内の特定の日(第二基準日)に新たに10労働日以上を与えることとした場合は、履行期間(基準日または第一基準日を始期、第二基準日から1年を経過する日を終期とする期間)の月数を12で除した数に5を乗じた日数を、その期間中に与えることができる(2項)

2項の計算の例(当サイトの作例):第一基準日が4月1日、第二基準日が10月1日なら、履行期間は4月1日から翌年9月30日までの18箇月です。18÷12×5=7.5日(検算:1年当たり5日なので、18箇月=1.5年で、5×1.5=7.5日)。

控除の例(当サイトの作例):付与日数が20日で、労働者の請求により3日、計画的付与により2日を与えた場合、合計5日で、あらためて時季を定めて与える日数は0日です(8項)。請求による取得が7日なら、控除は5日で足り(8項かっこ書)、使用者が時季を定める必要はありません。

義務に違反した場合の罰則は、120条1号が39条7項の違反を挙げ、30万円以下の罰金と定めています。

請求・時季変更・計画的付与・時間単位(39条4項〜6項)

項目内容条文
労働者の請求する時季に与える使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができる(時季変更権)39条5項
計画的付与労使協定(過半数労働組合、ない場合は過半数代表者との書面による協定)で有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、日数のうち5日を超える部分について、その定めにより与えることができる39条6項
時間単位労使協定で、対象労働者の範囲、日数(5日以内に限る)などを定めた場合に、その範囲の労働者が時間を単位として請求したときは、その日数について、時間を単位として与えることができる39条4項

時間単位年休の協定で定める事項(39条4項3号の厚生労働省令事項)は、施行規則24条の4が、時間単位で与える有給休暇1日の時間数(1日の所定労働時間数を下回らないものとする。日によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間における1日平均所定労働時間数)と、1時間以外の時間を単位とする場合のその時間数(1日の所定労働時間数に満たないものとする)を定めています。

出勤したものとみなす期間・不利益な取扱い・賃金

  • 10項:業務上の負傷・疾病の療養のための休業、育児休業・介護休業をした期間、産前産後の女性が65条により休業した期間は、1項・2項の適用では出勤したものとみなす(社労士の育児休業の確認表で育児休業の中身を確認できます)
  • 136条:使用者は、39条1項から4項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない
  • 9項:有給休暇の期間の賃金は、就業規則等で定めるところにより、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、またはこれらを基準に省令で定める方法で算定した額を支払う。労使協定で、健康保険法40条1項の標準報酬月額の30分の1に相当する金額(5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満の端数は10円に切り上げ)またはその金額を基準に省令で定める方法で算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない

労働基準法39条(e-Gov 法令検索)には、年休の繰越しや時効の年数の記載がありません(2026-10-09 時点)。請求権の時効は115条が定めていて、この法律の規定による賃金の請求権は行使できる時から5年間、災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く)は2年間行わない場合に時効で消滅します。ただし143条3項により、当分の間、賃金(退職手当を除く)の請求権は3年間と読み替えられます。個別の年休の残日数の扱いは、記事末尾の相談先にお問い合わせください。

試験での問われ方と、間違えやすいポイント

出題の型を、問題文は載せずに、条文の言葉で整理します。

  • ① 継続勤務年数ごとの付与日数(2項の表)を、数字で答える型
  • ② 比例付与の対象(週30時間以上の者の除外、週4日以下・年216日以下)と日数表を問う型
  • ③ 年5日の義務の対象(10労働日以上)、期限(基準日から1年以内)、控除の範囲(5項・6項による日数)を問う型
  • ④ 時季変更権(事業の正常な運営を妨げる場合)と計画的付与(5日を超える部分)を区別する型
  • ⑤ 時間単位年休の日数(5日以内)と協定事項を問う型

間違えやすい点は次のとおりです。

  • 2項の表は「加算される日数」です。付与日数そのものではありません(3年なら4労働日の加算で、付与は14日)
  • 表の「年数」は、雇入れからではなく、6箇月経過日から数えます(雇入れから1年6箇月が、表の「1年」)
  • 計画的付与で労使協定により時季を決められるのは、5日を超える部分です(6項)。5日までの部分は、この協定による計画的付与の対象になりません
  • 年5日の義務の対象は、付与日数が10労働日以上の人です。比例付与の人も、10日以上になれば対象です
  • 8項の控除は、請求(5項)または計画的付与(6項)で与えた日数で、5日が上限です
  • 比例付与の対象から外れるのは、1週間の所定労働時間が30時間以上の人です。週の所定労働日数が4日でも、所定労働時間が30時間以上なら、通常の日数が適用されます(39条3項かっこ書)

この論点の問題を解く

相談先と、法令基準日

個別の働き方に当てはめた日数の確認や、会社との間の取り扱いの相談は、この記事ではお答えできません。厚生労働省の次のページから窓口を探せます。

この記事が引用した労働基準法39条・115条・120条・136条・143条と、施行規則24条の3〜24条の7・附則71条は、e-Gov 法令検索の2026年4月1日現在の版と2026年10月9日時点の現行の版で、本文が同じです。社労士試験の法令基準日と日程は、受験年ごとに試験実施側が公表する受験案内で決まります(社労士試験の日程)。当サイトの社労士の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。

まとめ

  • 通常の労働者の付与日数は、6箇月で10日、以降は1年6箇月11日・2年6箇月12日・3年6箇月14日・4年6箇月16日・5年6箇月18日・6年6箇月以上20日(39条1項・2項。出勤率8割以上が条件)
  • 週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下(または年216日以下)の人は、施行規則24条の3第3項の表の日数(比例付与)
  • 付与日数が10労働日以上の人には、基準日から1年以内に5日を、使用者が時季を定めて与える義務がある(39条7項)。請求・計画的付与で与えた日数分は控除できる(8項)
  • 時季変更権は事業の正常な運営を妨げる場合のみ(5項)。計画的付与は5日を超える部分(6項)。時間単位年休は5日以内(4項)
  • 年次有給休暇管理簿は、期間中と満了後5年間の保存が必要(施行規則24条の7。当分の間は附則71条により3年間)
本サイトは社会保険労務士試験の実施機関とは関係ありません。条文は e-Gov 法令検索の労働基準法・労働基準法施行規則にもとづきます。個別の事情に当てはめた助言は行っていません。

よくある質問

Q週3日だけ働くパートでも、有給休暇は付与されますか?

39条1項の条件(6箇月間の継続勤務と全労働日の8割以上の出勤)を満たせば付与されます。労働基準法39条3項は、所定労働日数が少ない労働者(週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の人など)について、通常の労働者の日数を基準に、所定労働日数との比率を考慮した日数とすると定め、具体的な日数は施行規則24条の3第3項の表にあります。週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が3日(年間121日から168日まで)の場合、雇入れから6箇月で5日、1年6箇月で6日、2年6箇月で6日、3年6箇月で8日、4年6箇月で9日、5年6箇月で10日、6年6箇月以上で11日です。ただし、個別の働き方に当てはめた判断は、記事末尾の相談先にお問い合わせください。

Q年5日の時季指定義務は、パートや短時間の労働者にも関係しますか?

付与される日数が10労働日以上の労働者が対象です。39条7項のかっこ書は、1項から3項までの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が10労働日以上である労働者に係るものに限る、と書いています。1項から3項には3項(比例付与)が含まれるため、比例付与の人でも、付与日数が10日以上になれば対象です。たとえば施行規則24条の3第3項の表では、週の所定労働日数が4日の人は雇入れから3年6箇月で10日になり、3日の人は5年6箇月で10日になります。

Q雇い入れてすぐは有給休暇がもらえないのですか?

39条1項は、雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日の有給休暇を与えなければならない、と定めています。一方で、39条7項ただし書は、1項から3項までの規定による有給休暇を「当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたとき」について定め、施行規則24条の5は、その場合に年5日を時季を定めて与える期間(10労働日以上を与えることとした日=第一基準日から1年以内など)を定めています。個別の会社での取扱いは、記事末尾の相談先にお問い合わせください。

Q時間単位の年休は、年に何日分まで認められますか?

39条4項2号は、時間を単位として与えることができる有給休暇の日数を「五日以内に限る」と定めています。時間単位で与えるには、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する者)との書面による協定で、対象労働者の範囲、日数(5日以内)などを定める必要があります。

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