登録販売者が接客でミスをしたときに問われる責任を、薬機法・施行規則・民法・刑法の条文と試験の手引き(令和8年4月)で整理。薬を間違えたとき、訴えられるのか、知識不足を補う情報提供のルール、接客ノートの項目までがわかります。
目次
結論:登録販売者の接客で問題になりうる責任は、行政上・民事・刑事の3つの枠組みに分けて考えられます。条文が定めているのは枠組みで、個別の事案で誰にどの責任が生じるかは、事実関係と裁判所などの判断で決まるため、この記事では判断しません。ミスを減らす仕組みのほうは条文ではっきり決まっています。薬機法第36条の10は、第一類は薬剤師が書面で情報提供する義務、第二類は薬剤師又は登録販売者が情報提供するよう努める義務、一般用医薬品の相談には応じる義務を定め、施行規則第159条の15は、年齢・他の薬の使用状況・症状・妊娠や授乳の有無などの確認事項を挙げています。
この記事は、薬機法・同施行規則・民法・刑法(いずれも e-Gov 法令検索の2026-10-04時点の現行条文)と、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」と登録販売者試験実施要領だけをもとにしています。接客の実務での判断や、実際に起きた問題への対応を示すものではありません。薬の使い方や投薬の判断は薬剤師・医師に相談してください。条文の確認先は 薬機法・同施行規則・民法・刑法 です。
合格ナビの登録販売者の問題(論点別問題360問・すべて当サイトが作った問題)のうち、問題文・選択肢・タグに「情報提供」を含む問題は25問、「救済」を含む問題は15問あります(2026-10-04集計。検索語に当たった数で、本試験の出題数ではありません)。
薬機法・施行規則の現行版:薬機法は2026-05-21施行版、同施行規則は2026-10-01施行版。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 薬機法、e-Gov 法令検索 薬機法施行規則。
接客ミスで問われる責任:行政上・民事・刑事の3つの枠組み
まず、「接客でミスをしたら何が起こるのか」を、条文の枠組みごとに並べます。
| 枠組み | 根拠(条文・手引き) | 条文が向けている相手 | 条文が定めていること(要点) |
|---|---|---|---|
| 行政上 | 薬機法第75条第1項、手引き第4章Ⅳ | 許可を受けた薬局開設者・医薬品の販売業者(手引きは管理者の変更命令にも触れている) | 薬事に関する法令などに違反する行為があったとき、許可の取消しや、期間を定めた業務の全部又は一部の停止を命ずることができる |
| 民事(損害賠償) | 民法第709条・第715条・第415条 | 損害を与えた本人(709)、使用者(715)、契約の当事者(415) | 故意・過失で他人の権利等を侵害した者は賠償責任を負う。使用者は被用者が事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う(ただし書あり)。使用者から被用者への求償は妨げられない(715条3項) |
| 刑事 | 刑法第211条第1項 | 業務上の注意を怠り人を死傷させた者 | 「五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」 |
出典:薬機法 第75条、民法 第709条・第715条・第415条、刑法 第211条、厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第4章Ⅳ。右端の列は当サイトの要約です。
この表から言えることは次の3点です。
- 薬機法第75条の処分は、条文上は許可を受けた販売業者に向いています。従業員(登録販売者)個人を直接の名宛人にしているわけではありません
- 民法第709条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者」に賠償責任を負わせる規定で、登録販売者に限らず誰にでも適用されます。第715条は、使用者が責任を負う場合を定め、その使用者に帰責の事情がないときの例外(ただし書)も置いています
- 刑法第211条は、業務上必要な注意を怠って人を死傷させた場合の規定です。令和7年6月1日以降は、刑の名称は「拘禁刑」です
実際に誰がどの責任を負うか、損害額がいくらになるかは、事案ごとの事実関係と、裁判所や行政の判断で決まります。この記事では判断せず、条文の枠組みを確認するところまでにとどめます。
この論点の問題を解く
「薬を間違えた」とは、どの場面の話か
「薬を間違えた」と言われる場面は、条文の上では、少なくとも次の3つに分けて考えられます(当サイトの整理)。
| 場面 | 関係する条文 | 条文が定めていること |
|---|---|---|
| ①資格のない者・資格の足りない者が販売した | 薬機法第36条の9 | 一般用医薬品は「第一類医薬品 薬剤師」「第二類医薬品及び第三類医薬品 薬剤師又は登録販売者」に販売させなければならない |
| ②確認・情報提供が足りないまま販売した | 薬機法第36条の10、施行規則第159条の15〜第159条の17 | 第一類は書面での情報提供と事前の確認(義務)、第二類は努力義務、相談があれば第一類〜第三類とも情報提供(義務) |
| ③渡す薬そのものを取り違えた | (下に挙げた条文には専用の手順を定めたものはありません) | 店舗販売業者の法令遵守体制(第29条の3)、店舗管理者による従業者の監督(第29条)など、店舗の体制に関する規定が関わる |
出典:薬機法第29条・第29条の3・第36条の9・第36条の10、同施行規則第159条の15〜第159条の17(e-Gov 法令検索)。対象とした条文は、上に挙げたものです。
③の渡し間違い(取り違え)については、上に挙げた条文には、取り違えへの対応手順を直接定めた規定はありません。条文が置いているのは、店舗の管理体制です。
- 第29条第1項:店舗管理者は「保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その店舗に勤務する薬剤師、登録販売者その他の従業者を監督し、…その他その店舗の業務につき、必要な注意をしなければならない」
- 第29条の3第1項:店舗販売業者は、薬事に関する法令の規定の遵守を確保するために、店舗管理者の権限を明らかにすること、業務の遂行が法令に適合することを確保するための体制を整備すること、従業者に対して法令遵守のための指針を示すことなどの措置を講じなければならない。第2項は、その措置の内容を記録し、保存することを求めている
つまり、薬機法は、ミスを個人の注意力だけに任せず、店舗の管理者と事業者が体制として防ぐ作りになっています。
ミスに気づいたときの対応:手引きが示す順番
手引き(令和8年4月)と、厚生労働省の実施要領は、購入者から副作用などの訴えがあったときの対応を次のように書いています(試験で問われる内容の整理です。実際の判断は店舗の管理者・薬剤師の指示に従ってください)。
- ①実施要領2(5)②:購入者等から副作用等によると思われる有害事象の訴えがあったときには、「その医薬品の使用の中止を促し、医療機関への受診勧奨を行うこと等の対処方法を理解していること」
- ②手引き第5章(395頁):副作用等の報告は、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するためのもの。「医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得る」。また、「安全対策上必要があると認めるときは、医薬品の過量使用や誤用等によるものと思われる健康被害についても報告がなされる必要がある」。報告期限は特に定められていないが「適宜速やかに」。令和3年4月から、ウェブサイトで直接入力する電子的な報告もできる
- ③手引き第5章(397頁):健康被害が救済給付の対象となると思われたときは、購入者等に救済制度があることや、救済事業を運営する総合機構(PMDA)の相談窓口等を紹介し、相談を促すなどの対応が期待される
- ④手引き第5章(398頁):救済給付の請求には、その医薬品を販売した薬局開設者・販売業者が作成する販売証明書等が必要で、専門家は「販売証明書の発行につき円滑な対応を図る必要がある」
薬機法第68条の10第2項は、報告について、医薬関係者が副作用等が疑われる疾病・障害・死亡の発生を知った場合に、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に報告しなければならないと定めています。手引きは、複数の専門家が販売に関わっている場合でも、その情報に直接接した専門家1名から報告書が提出されれば十分としています。
出典:厚生労働省 登録販売者試験実施要領 2(5)②、手引き(令和8年4月) 第5章Ⅱ・Ⅲ、薬機法 第68条の10。
副作用被害救済制度と医薬品PLセンター:責任追及とは別の仕組み
「訴えられるのでは」と不安になる場面で、試験でも問われるのが、被害を受けた人を救う制度との関係です。手引き第5章は次のように説明しています。
| 制度 | 手引きの説明(要点) | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 医薬品副作用被害救済制度 | 「医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品を含む。)を適正に使用したにもかかわらず副作用による一定の健康被害が生じた場合に、医療費等の給付を行い」被害者の迅速な救済を図る。副作用による健康被害は「民法ではその賠償責任を追及することが難しく、たとえ追求することが出来ても、多大な労力と時間を費やさなければならない」 | 医薬品を適正に使用して副作用の被害が生じた場合 |
| 救済制度の対象外 | 殺虫剤・殺鼠剤(人体に直接使用するものを除く)、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)。このほか、製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合、無承認無許可医薬品の使用による健康被害 | 対象外のものは、別の窓口を考える |
| 医薬品PLセンター | 「製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、医薬品PLセンターへの相談が推奨される」。平成7年7月に日本製薬団体連合会が開設。裁判によらずに迅速な解決を目指す | 製品不良など、製薬企業に責任がある場合の苦情・相談 |
出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第5章Ⅲ(395〜398頁)。
救済制度が前提にしているのは、「医薬品を適正に使用したにもかかわらず」生じた健康被害です。販売時のミスが関わる場合に救済制度の対象になるかどうかは、この記事では判断できません。そのような場面で窓口を紹介するのも、専門家に期待される対応として手引きが書いています(397頁)。
救済制度とPLセンターの問題を解く
知識不足を補う方法:情報提供のルールを表で確認する
接客のミスを減らすために、制度が用意している仕組みは、薬機法第36条の10と施行規則です。区分ごとに、誰が・どの程度の強さで情報提供するかを整理します。
| 区分 | 情報提供 | 誰が | 事前の確認 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 第一類医薬品 | 義務(書面を用いて) | 薬剤師 | 義務(年齢・他の薬の使用状況など) | 薬機法第36条の10第1項・第2項 |
| 第二類医薬品 | 努力義務 | 薬剤師又は登録販売者 | 努力義務 | 同第3項・第4項、施行規則第159条の16 |
| 第三類医薬品 | 個別の規定なし(手引きは「必要な情報提供をさせることが望ましい」) | 薬剤師又は登録販売者 | 個別の規定なし | 手引き第4章Ⅲ |
| 一般用医薬品の相談があったとき | 義務 | 第一類は薬剤師、第二類・第三類は薬剤師又は登録販売者 | — | 同第5項、施行規則第159条の17 |
出典:薬機法 第36条の10、薬機法施行規則 第159条の15〜第159条の17、手引き(令和8年4月) 第4章Ⅲ。表は当サイトの整理です。
この表は、通常の一般用医薬品の区分ごとの定めです。薬機法第36条の11は、「指定濫用防止医薬品」について別の定めを置いています。第1項は、指定濫用防止医薬品を販売するときに、薬剤師又は登録販売者に、書面を用いて必要な情報を提供させなければならないと定め(薬剤師等に販売する場合は除く)、第2項は、その前にあらかじめ、使用しようとする者の他の薬剤又は医薬品の使用の状況などを確認させなければならないと定めています。第3項は、省令で定める数量を超える販売と、省令で定める年齢に満たない者への販売を原則として禁じています(例外あり)。指定濫用防止医薬品を販売する場合は、上の区分ごとの努力義務にとどまらず、この第36条の11の義務が加わります。対象の成分や数量・年齢の数値は、この記事では扱いません。手引き第4章Ⅲ 2)「指定濫用防止医薬品に関する情報提供等」と、告示・省令で確認してください(出典:薬機法 第36条の11)。
第一類については、薬機法第36条の10第6項に、購入者から説明を要しない旨の意思の表明があった場合(第一類が適正に使用されると認められる場合に限る)は、書面での情報提供の規定(第1項)を適用しない、という例外もあります。
登録販売者が第一類を販売できないこと(第36条の9)と、相談があれば第一類〜第三類とも情報提供が必要なこと(第36条の10第5項)を合わせて読むと、第一類についての相談は薬剤師が対応する、という線引きになります(施行規則第159条の17第1項第1号)。判断がつかないときに薬剤師へ引き継ぐ、受診を勧める(同項第6号「必要に応じて、医師又は歯科医師の診断を受けることを勧めさせること」)という流れは、制度が想定している対応です。
施行規則は、販売の際に氏名と連絡先を伝えることも定めています。第二類・第三類を販売した薬剤師又は登録販売者について、「氏名、当該薬局又は店舗の名称及び当該薬局、店舗又は配置販売業者の電話番号その他連絡先」を購入者に伝えさせること(施行規則第159条の14第2項第2号)。あとから購入者が相談できるようにするためのしくみです。
情報提供・状況把握の問題を解く
接客ノート:確認事項を条文と手引きから作る(当サイトの様式)
「接客ノート」(接客のあとに状況を整理して残すノート)の項目は、制度が確認を求めている事項から作ると、抜けが減ります。手引き第1章(16〜17頁)が挙げる確認の基本のポイントと、施行規則第159条の15第4項(第一類の確認事項。第二類では第159条の16第2項で同じ事項が確認の対象になるが、努力義務)を並べて、ノートの欄にしました。
| ノートの欄 | 根拠(手引き第1章/施行規則第159条の15第4項) |
|---|---|
| 何のために購入するか(ニーズ・動機) | 手引き① |
| 使うのは本人か、家族か | 手引き② |
| 年齢・性別 | 規則第一号・第三号、手引き③(小児・高齢者・妊婦等) |
| 症状・いつ頃から | 規則第四号、手引き⑦・⑧ |
| 医療機関の診断・治療の有無/ほかの病気 | 規則第五号・第六号、手引き④ |
| 妊娠・授乳の有無 | 規則第七号・第八号 |
| ほかの薬・サプリ・食品の使用 | 規則第二号、手引き⑥(相互作用・飲み合わせ) |
| 過去のアレルギー・副作用の経験 | 規則第十号、手引き⑤ |
| その薬の使用経験 | 規則第九号 |
| 伝えたこと(用法・用量・使用上の注意・副作用が出たときの対応) | 規則第159条の15第1項第2号・第4号 |
| 受診を勧めたか | 規則第159条の15第1項第6号・第159条の17第1項第6号 |
出典:手引き(令和8年4月) 第1章Ⅲ 2)「販売時のコミュニケーション」、薬機法施行規則 第159条の15。欄の並べ方は当サイトの整理で、公式の様式ではありません。
使い方の例です。
- 試験の勉強のとき、自分で考えた事例(たとえば「小児のかぜ」「妊娠中の鎮咳」など)を、この欄に当てはめて書き出す。空欄になった欄が、自分の確認の抜けです
- ノートには、お客様が特定できる情報(氏名・連絡先など)は書きません。実際の記録や個人情報の取扱いは、勤務先の規則に従ってください
手引きは、購入者が症状を詳しく話さない場合でも、「購入者側から医薬品の使用状況に係る情報をできる限り引き出し、可能な情報提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきである」としています。話しやすい雰囲気づくりを心がけ、購入者が自分の意思で状況を伝えられるよう促す、というのが手引きの書き方です。
お客様からよく聞かれる質問:試験で問われる線引きと、手引きの頁
接客でよく聞かれる質問に対して、手引きが書いている線引きを、試験の勉強用に整理しました。薬の使い方や投薬の判断を示すものではなく、実際の相談は薬剤師・医師につなぎます。
| お客様の聞き方の例 | 手引きの該当箇所(印字頁) | 手引きの書き方(要点) |
|---|---|---|
| 「子どもに飲ませても大丈夫?」 | 66〜67頁、85頁、82・185頁 | アスピリン・サザピリン・サリチル酸ナトリウムは15歳未満には「いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない」。イブプロフェンも、一般用医薬品では15歳未満の小児に「いかなる場合も使用してはならない」。コデイン類は12歳未満が使用禁忌。漢方処方製剤は生後3ヶ月未満には使用しない |
| 「ほかの薬と一緒に飲んでもいい?」 | 8〜9頁 | かぜ薬・解熱鎮痛薬・鎮静薬などを併用すると、同様な作用を持つ成分が重複して、作用が強く出過ぎたり副作用を招く危険性が増すことがある。医療機関で治療を受けている人が一般用医薬品を併用しても問題ないかは、治療を行っている医師若しくは歯科医師、又は処方された医薬品を調剤する薬剤師に確認する必要がある |
| 「何日くらい飲み続けていい?」 | 399頁、実施要領2(5)①ウ | 一般用かぜ薬の使用上の注意として「5~6回服用しても症状が良くならない場合には服用を中止して、専門家に相談する」。一定期間服用しても症状が改善しない場合は、引き続き服用を続けることで適切な医療を受ける機会が損なわれる、という理解が求められる |
| 「飲んだら具合が悪くなった」 | 395・397頁、実施要領2(5)② | 使用の中止を促し、受診勧奨。救済制度や相談窓口を紹介する対応が期待される。報告の対象になり得る |
| 「あとで相談できる?」 | 施行規則第159条の14第2項第2号 | 販売した薬剤師又は登録販売者の氏名と、店舗の名称・連絡先を伝える |
出典:手引き(令和8年4月)、実施要領。手引きの頁は印字頁。表は当サイトの整理です。
よく聞かれる質問に関わる問題を解く
- かぜ薬・イブプロフェンの注意と小児の年齢制限(第3章・問21)
- 鎮咳去痰薬・コデインの依存性と禁忌(第3章・問5)
- 局所麻酔成分の比較と小児の年齢(第3章・問105)
- 漢方処方製剤の使用上の一般的注意(第3章・問128)
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よくある質問
Q登録販売者が個人で損害賠償を求められることはありますか?
民法第709条は、故意又は過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。また第715条は、事業のために人を使う者(使用者)が、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うと定め、第3項で使用者から被用者への求償を妨げないとしています。条文の枠組みはここまでで、実際の事案で誰がどの範囲の責任を負うかは、事実関係と裁判所などの判断で決まります。この記事は個別の事案への回答ではありません。問題が起きたときは、店舗の管理者や会社の窓口に相談し、必要なら弁護士に相談してください。
Q第三類医薬品なら情報提供をしなくてもよいのですか?
手引き(令和8年4月)は、第三類医薬品の販売時の情報提供について、薬剤師又は登録販売者に「必要な情報提供をさせることが望ましい」と書いており、第一類の義務や第二類の努力義務のような個別の規定はありません。ただし薬機法第36条の10第5項は、一般用医薬品について購入者などから相談があった場合は、薬剤師又は登録販売者に必要な情報を提供させなければならないと定めています。第三類でも、相談があれば情報提供は義務です。
Q接客の記録(接客ノート)に、お客様の名前を書いてよいですか?
この記事で示す接客ノートの項目は、自分の学習用に、状況の整理の仕方を身につけるためのものです。お客様が特定できる情報(氏名・連絡先など)を書く必要はありません。店舗での記録や個人情報の取扱いは、勤務先の規則に従ってください。
Q副作用が疑われる訴えがあったとき、登録販売者は報告しなければなりませんか?
薬機法第68条の10第2項は、薬局開設者や医師・薬剤師・登録販売者などの医薬関係者が、医薬品の副作用などが疑われる疾病・障害・死亡の発生を知った場合に、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に報告しなければならないと定めています。手引きは、医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合でも報告の対象となり得るとし、複数の専門家が関わる場合は、直接その情報に接した専門家1名からの報告で足りるとしています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

