行政書士はやめとけ、仕事がきつい、開業しても仕事がないと言われる点を、行政書士法の義務規定・登録の手続・総務省の登録者数で検証。合格後に法的に変わること、向いている人を条文で確かめる方法、収入を扱わない理由までまとめます。
目次
- 「やめとけ」と言われる点を、確かめられるか早見表
- 行政書士の仕事がきついと言われる点:法律が課している義務
- 開業しても仕事がない?法律上の業務範囲と、言えること・言えないこと
- 「食えない」「開業してはいけない」と言われる理由を、一次ソースで分けて確かめる
- 「生活できない」「収入」を調べる人へ:この記事で扱わない理由
- 「人生変わった」の中身:合格・登録で法的に変わること、変わらないこと
- 向いている人は?性格ではなく、法律が求める条件で確かめる
- 開業前に確認できること:登録・事務所・入会の手順
- やめとけと感じたときの別の道:資格を選び直す前に確かめること
- まとめ:条文で確かめられること、確かめられないこと
- 参照した一次ソース
結論:「行政書士はやめとけ」と言われる理由のうち、法令と公式の数字で確かめられるのは次の3点です。①登録を受けて開業すると、秘密を守る義務・依頼を拒めない義務・事務所の設置・報酬額の掲示などの法律上の義務と、懲戒の対象になる責任が生じる。②試験に合格しただけでは行政書士と名乗れず、登録と行政書士会への入会が要る。③令和6年度は新規登録(3,298人)が登録抹消(2,183人)を上回った。一方で、仕事がどれだけあるか・生活できるか・向いているかは、条文にも公式統計にも書かれていないため、この記事では断定しません。
この記事は、「行政書士 仕事 きつい」「開業 やめとけ」「開業しても仕事がない」「人生が変わった」「向いている人」といった検索の疑問を、e-Gov 法令検索の条文(2026年10月4日時点の現行条文)、日本行政書士会連合会の公開ページ、総務省の統計だけで整理します。個人の体験談や収入の話は、一次ソースが無いので扱いません。
「やめとけ」と言われる点を、確かめられるか早見表
先に答えをまとめます。「確かめられる」は、条文または公式の数字で言えるという意味で、「やめとけが正しい」「問題ない」という評価ではありません。
| 検索される疑問 | 確かめられるか | 言えること | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 仕事がきつい | 一部 | 開業後は法律上の義務と懲戒の責任が生じる。きつさの程度は条文では測れない | 行政書士法 第1条の2・第8条〜第14条 |
| 開業しても仕事がない | 一部 | 法律は業務の範囲と無資格者の制限を定めるが、依頼の量は定めない。登録者数は令和6年度に純増 | 第1条の3・第1条の4・第19条、総務省 表1 |
| 生活できない | 確かめられない | 行政書士全体の収入を示す統計を、この記事では扱わない | 後述 |
| 人生が変わった | 一部 | 合格だけでは変わらず、登録を受けて初めて業務ができる。個人の変化は測れない | 第6条・第19条・第19条の2 |
| 向いている人 | 一部 | 性格の統計は無い。登録の欠格事由と、法律が行政書士に求める行動は確かめられる | 第2条の2・第6条の2・第1条の2 |
当サイトの行政書士の問題は493問(2026-10-04 集計。すべて過去の出題論点をもとにした当サイトの自作問題)で、そのうち行政書士法そのものを扱う問題は11問です。上の表の「義務」「業務範囲」「欠格事由」「登録」は、この11問で解いて確かめられます。
行政書士の仕事がきついと言われる点:法律が課している義務
「きつい」の中身は、人によって労働時間・対人関係・責任の重さなどさまざまで、条文はその程度を測れません。ここでは、行政書士として登録を受けた人に法律が課している義務だけを一覧にします。重い・軽いの評価はせず、何が決まっているかを確かめるための表です。
| 義務・責任 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 職責 | 第1条の2第1項 | 常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない |
| デジタル化への対応 | 第1条の2第2項 | 情報通信技術の活用などを通じて、国民の利便の向上と業務の改善進歩を図るよう努めなければならない(努力義務) |
| 事務所の設置 | 第8条第1項・第2項 | 業務を行うための事務所を設けなければならず、二以上設けてはならない |
| 帳簿 | 第9条 | 事件の名称・年月日・受けた報酬の額・依頼者の住所氏名などを記載した帳簿を備え、閉鎖の時から二年間保存する |
| 信用失墜行為の禁止 | 第10条 | 行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない |
| 報酬額の掲示 | 第10条の2第1項 | 事務所の見やすい場所に、業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければならない |
| 依頼に応ずる義務 | 第11条 | 正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない |
| 秘密を守る義務 | 第12条 | 正当な理由がなく、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も同様 |
| 会則の遵守 | 第13条 | 所属する行政書士会及び日本行政書士会連合会の会則を守らなければならない |
| 研修 | 第13条の2 | 行政書士会及び日本行政書士会連合会が実施する研修を受け、資質の向上を図るように努める(努力義務) |
出典:e-Gov 法令検索 行政書士法(2026-10-04 時点の現行条文)。
これらに違反したときの責任も、条文で決まっています。
- 懲戒:この法律・命令・都道府県知事の処分に違反したとき、または行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事が「戒告」「二年以内の業務の停止」「業務の禁止」のいずれかの処分をすることができます(第14条第1項)。業務の禁止を受けると、処分の日から3年を経過しない間は行政書士となる資格を有しません(第2条の2第6号)
- 罰則:秘密を漏らした場合(第12条違反)は、第22条第1項で一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。この罪は告訴がなければ公訴を提起できません(同条第2項)
法律の義務に「きつさ」を感じるかどうかは、人によって違います。確かめられるのは、開業すると、これらの義務と責任が自分に生じるという事実までです。
この論点の問題を解く
「うざい」のような感情を表す検索は、何に対する不満かが一つに決まらないため、この記事では取り上げません。条文で確かめられる義務・制限・懲戒の範囲に絞って整理しています。
開業しても仕事がない?法律上の業務範囲と、言えること・言えないこと
「開業しても仕事がない」という疑問は、2つに分けると確かめやすくなります。法律が行政書士に認めている業務の範囲と、実際に依頼がどれだけあるかです。前者は条文で確かめられ、後者は条文にも公式統計にも書かれていません。
法律が認めている業務の範囲
行政書士の業務は、第1条の3と第1条の4で決まっています(2026年1月1日施行の令和7年法律第65号による改正後の条番号です。改正前の教材では第1条の2・第1条の3になっています)。
- 第1条の3第1項:他人の依頼を受け報酬を得て、①官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)、②権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)を作成することを業とする
- 第1条の4第1項:①官公署に提出する書類の提出手続などの代理(弁護士法第72条の法律事件に関する法律事務に当たるものを除く)、②許認可等に関する不服申立ての代理と書類作成(第2項により、研修を修了した特定行政書士に限る)、③契約その他に関する書類を代理人として作成する、④作成できる書類の作成について相談に応ずること
- 第1条の3第2項:書類の作成であっても、他の法律で業務を行うことが制限されているものは行えない
日本行政書士会連合会は、官公署に提出する書類について「その書類のほとんどは許可認可(許認可)等に関するもので、その数は1万種類を超えるとも言われます」と紹介しています(日本行政書士会連合会 行政書士の業務)。「言われます」という表現のとおり、条文や統計で数えた値ではありません。なお同ページは特定行政書士の根拠を「第1条の3第2項」と書いていますが、現行条文では第1条の4第2項です。具体的な業務の中身(入管・相続・契約書など)は、行政書士の入管業務とできることで整理しています。
無資格者には業務が制限されている
第19条第1項は、行政書士又は行政書士法人でない者は、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として」第1条の3に規定する業務を行うことができないとしています(他の法律に別段の定めがある場合などはただし書で除外)。違反した場合は、第21条の2で一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。「仕事がない」という検索の前提には、行政書士の業務は誰でも自由にできるという印象があるかもしれませんが、条文上は、報酬を得て業として行える人が制限されています。
依頼の量は、条文からも統計からも読み取れない
法律が決めているのは「誰が何を業として行えるか」であり、「依頼がどれだけあるか」ではありません。公式資料(行政書士法、日本行政書士会連合会の公開ページ、総務省の登録状況)には、事務所ごとの受任件数や仕事量を示す数字がありません。したがって、「仕事がある」「仕事がない」のどちらも、この記事は断定しません。公式の数字で言えるのは、次の登録者数の動きまでです。
行政書士の登録者の動き・令和6年度:令和6年度当初 51,619人、新規登録 3,298人、登録抹消 2,183人(うち、業を廃止する届出 1,799人・死亡 366人)、令和6年度末 52,734人。最終確認日:2026-10-04。出典:総務省 表1 行政書士の登録状況(令和6年度)。
日本行政書士会連合会の会員数:令和8年10月1日現在 個人会員55,880人・法人会員1,873。最終確認日:2026-10-04。出典:日本行政書士会連合会 各都道府県の行政書士会所在地・会員数等。
令和6年度は新規登録が登録抹消を上回り、差し引き1,115人増えています(3,298人−2,183人)。ただし、業を廃止する届出が1,799人あったことと、廃業の理由(仕事が無かったのか、転職・高齢など別の事情か)が表には出ていないことを、あわせて読む必要があります。総務省の数字(令和6年度末)と日行連の数字(令和8年10月1日現在)は基準日も数え方も違うので、引き算して増減を読むことはしません。登録者数の全体像は、行政書士は廃止される?にまとめています。
この論点の問題を解く
「食えない」「開業してはいけない」と言われる理由を、一次ソースで分けて確かめる
「行政書士は食えない」「行政書士は開業してはいけない」という言葉は、2つの別の疑問が混ざっています。①収入が足りるのか、②開業してよい条件を満たしているのか、です。①は条文にも公式統計にも根拠がなく、断定できません。②は条文で確かめられます。
| 言われ方 | 意味 | 確かめられるか | 確かめられる範囲 |
|---|---|---|---|
| 食えない | 開業後の収入で生活できるか | 確かめられない | 行政書士全体の収入を示す公式の統計は、確認できた範囲にない。登録者数の増減は表にあるが、廃業の理由は出ていない |
| 開業してはいけない(法律の話) | 行政書士として登録・開業できない場合 | 確かめられる | 欠格事由(第2条の2)、登録拒否の事由(第6条の2第2項)、登録前の名乗り・業務の制限(第19条の2第1項・第19条第1項) |
| 開業してはいけない(向き不向きの話) | 自分には勧められない | 確かめられない | 一次ソースに、この判断の基準はない。条文が求める行動(第1条の2・第11条・第12条)が自分に無理なく続けられるかが、確かめられる材料になる |
「食えない」に、公式の数字で言えること
日本行政書士会連合会は、行政書士が業務で受ける報酬額について、各行政書士が自由に定めて事務所に掲示すること、同一の業務でも具体的な取扱い内容によって受ける報酬額に大きな差が生じることを、報酬額統計のページで説明しています(出典:日本行政書士会連合会 報酬額の統計・最終確認日2026-10-04)。ここで言えるのは、同じ業務でも報酬額に差があるという点までです。同ページは、業務を行ったときに受ける報酬額の調査であり、行政書士の年間の収入や、受任件数を示すものではありません。そのため、この調査の数字から「食えるか、食えないか」は読み取れません。
この記事が「食えない」を断定しないのは、断定できる根拠が無いためです。他のサイトの数字や体験談は、算出方法と出典を確かめられないので引きません。
「開業してはいけない」場合を、条文で確かめる
法律上、登録して開業できない場合は次のとおりです(出典:e-Gov 法令検索 行政書士法・2026-10-04 取得の現行条文)。
- 資格を有しない(欠格事由・第2条の2):未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑に処せられ執行を終わってから3年を経過しない者など(第1号〜第8号)。試験に合格していても、これらに当たる間は行政書士となる資格を有しません
- 登録を拒否される(第6条の2第2項):心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者、行政書士の信用又は品位を害するおそれがある者など
- 登録前に名乗り・業務をする(第19条の2第1項・第19条第1項):登録を受けていない人は「行政書士」又は紛らわしい名称を用いてはならず、報酬を得て業として第1条の3の業務を行うこともできません
「開業してはいけない人」という意味では、条文が決めているのはこの範囲です。これに当たらず、登録を受ければ、法律上は開業できます。登録手続と費用は、前の「開業前に確認できること」で整理しています。
開業前に確認できる行動
収入の見通しが一次ソースで得られない以上、判断の材料を、確認できるものに絞ります。
- 開業を考える地域の行政書士会に、登録・入会の手続と費用を直接問い合わせる(日行連は手続の詳細を「都道府県行政書士会へお尋ねください」と案内しています)
- 日行連の報酬額統計のページで、業務ごとの報酬額の幅を見る(ただし収入の統計ではありません)
- 登録後の義務(帳簿・報酬額の掲示・守秘義務など)を、前の義務の表で確認し、自分が負えるかを考える
この論点の問題を解く
「生活できない」「収入」を調べる人へ:この記事で扱わない理由
「行政書士 生活できない」という検索の答えは、収入の数字に左右されます。しかし、行政書士全体の収入を示す統計は、この記事の根拠にできる形のものがありません。他のサイトの数字や体験談は、出典と算出方法を確かめられないため引用しません。
報酬の額について法律が定めているのは、行政書士が事務所の見やすい場所に報酬額を掲示する義務(第10条の2第1項)と、行政書士会・日本行政書士会連合会が報酬額の統計を作成・公表するよう努める義務(同条第2項)です。日行連のサイトの「情報公開」には「報酬額の統計」のページがあります(日本行政書士会連合会 報酬額の統計)。この記事はその数字を引かず、収入の見通しは断定しません。収入が気になる場合は、そのページと、開業を考える地域の行政書士会に直接確かめてください。
「人生変わった」の中身:合格・登録で法的に変わること、変わらないこと
「行政書士で人生が変わった」という言葉は、個人の体験であり、一次ソースでは確かめられません。条文で言えるのは、どの時点で法的な地位と義務が変わるかです。
| 時点 | 法的に変わること | 根拠 |
|---|---|---|
| 行政書士試験に合格 | 「行政書士となる資格を有する」状態になる。ただし、まだ行政書士ではない | 第2条第1号 |
| 登録の申請 | 行政書士会を経由して日本行政書士会連合会に申請する。登録拒否の事由(心身の故障・信用又は品位を害するおそれなど)がなければ、名簿に登録される | 第6条の2第1項・第2項 |
| 登録を受けた時 | 行政書士として業務ができる。事務所の所在地の行政書士会の会員に当然なる。義務・懲戒の対象にもなる | 第6条第1項、第16条の5第1項、第14条 |
| 登録を受ける前 | 「行政書士」と名乗ることはできず、報酬を得て業として第1条の3の業務を行うこともできない | 第19条の2第1項、第19条第1項 |
つまり、合格しただけでは、仕事を受けることも、行政書士と名乗ることもできません。登録と行政書士会への入会(日行連は「当該行政書士会に入会していただきます」と案内しています。日本行政書士会連合会 行政書士になるには)が先に必要です。試験以外のなり方(弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格、公務員の行政事務の経験による特認)は、行政書士になるにはで条文から整理しています。
この論点の問題を解く
向いている人は?性格ではなく、法律が求める条件で確かめる
「行政書士に向いている人」について、性格や適性と合否・継続を結びつける公的な統計は、確認できた範囲にはありません。そのため、「こういう性格の人が向いている」とは書きません。代わりに、条文が登録の段階と日常の業務で確かめていることを整理します。
登録の段階で確かめられること
- 欠格事由(第2条の2):未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑に処せられ執行を終わってから3年を経過しない者、公務員で懲戒免職の処分を受けて3年を経過しない者などは、資格を有しません(第1号〜第8号)
- 登録拒否の事由(第6条の2第2項):「心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者」と、「行政書士の信用又は品位を害するおそれがある者その他行政書士の職責に照らし行政書士としての適格性を欠く者」は、登録が拒否されます。拒否する場合は資格審査会の議決に基づき、申請者には弁明の機会が与えられます(同条第2項後段・第3項)
- 審査請求(第6条の3):登録を拒否された人は総務大臣に審査請求でき、申請から3か月を経過しても処分がないときは拒否されたものとみなして審査請求できます(第2項)
日常の業務で求められること
前の見出しの義務の表のとおり、品位の保持、法令・実務への精通、公正かつ誠実な業務(第1条の2第1項)、依頼を正当な事由なく拒まないこと(第11条)、秘密を守ること(第12条)が、条文上の行動の基準です。これらが自分にとって無理なく続けられそうか、というのが、条文で確かめられる範囲での「向き・不向き」の材料になります。行政書士の使命(第1条)は「行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資すること」です。
開業前に確認できること:登録・事務所・入会の手順
開業を考える段階で、条文と日行連の案内から確かめられる手順は次のとおりです。
- ① 資格を得る:試験合格などで「行政書士となる資格」を得る(第2条)
- ② 欠格事由に当たらないか確かめる:第2条の2の各号(8項目)を見る
- ③ 事務所の場所を決める:事務所は一つだけ設けられる(第8条)。登録申請は、その事務所の所在地の都道府県の行政書士会を経由して行う(第6条の2第1項)
- ④ 登録を申請する:資格を証する書類を添えて申請し、日本行政書士会連合会が名簿に登録する(第6条第1項・第3項、第6条の2)。手続の詳細について、日行連は「都道府県行政書士会へお尋ねください」と案内している
- ⑤ 登録後の義務に備える:帳簿の備付けと2年間の保存(第9条)、報酬額の掲示(第10条の2)、守秘義務(第12条)など
登録にかかる費用のうち、日本行政書士会連合会の登録手数料(新規)は、同会の「各種手数料について」のページに載っています。これとは別に登録免許税がかかり、入会金と会費は都道府県の行政書士会ごとに異なります。会ごとの例と内訳は、行政書士の在宅ワーク・自宅開業にまとめています。開業の資金や見込みの金額は、一次ソースが無いので書きません。
日本行政書士会連合会の登録等手数料:新規25,000円(会則第47条第1項に定める登録等手数料)。登録免許税(登録件数一件につき3万円・登録免許税法 別表第一 第三十二号(二))は別。最終確認日:2026-10-04。出典:日本行政書士会連合会 各種手数料について。
この論点の問題を解く
やめとけと感じたときの別の道:資格を選び直す前に確かめること
行政書士の義務や責任が重いと感じたとき、すぐに別の資格へ切り替えるかどうかは、業務の範囲が自分の目的に合っているかで考えると確かめやすくなります。
- 労働・社会保険の手続や相談が目的なら社会保険労務士、登記や裁判所に提出する書類が目的なら司法書士というように、資格ごとに根拠となる法律と業務の範囲が違います。条文で並べた比較は、社労士と行政書士の違いと行政書士から司法書士を目指すにあります
- 試験の難しさを数字で確かめたいときは、行政書士の難易度と合格率で、公表されている合格率を年度つきで確認できます
- 迷っている段階では、まず問題を数問解いて、法律の勉強が自分に合うかを確かめる方法もあります
まとめ:条文で確かめられること、確かめられないこと
- 開業すると、品位・誠実(第1条の2)、事務所(第8条)、帳簿(第9条)、報酬額の掲示(第10条の2)、依頼に応ずる義務(第11条)、秘密を守る義務(第12条)などの義務が生じ、違反には懲戒(第14条)や罰則(第22条)があります
- 試験に合格しただけでは行政書士と名乗れず、登録(第6条)と、登録時の行政書士会への当然入会(第16条の5)が必要です
- 令和6年度は、新規登録3,298人が登録抹消2,183人を上回りました。ただし、廃業の理由は統計に出ていません
- 仕事の量・収入・向き不向きは、条文にも公式統計にも出ていません。この記事はそれらを断定しません
参照した一次ソース
- e-Gov 法令検索 行政書士法(2026-10-04 時点の現行条文。令和7年法律第65号による改正は2026年1月1日施行)
- 日本行政書士会連合会 行政書士の業務
- 日本行政書士会連合会 行政書士になるには
- 日本行政書士会連合会 各都道府県の行政書士会所在地・会員数等
- 総務省 表1 行政書士の登録状況(令和6年度)
よくある質問
Q行政書士試験に合格しただけで、行政書士と名乗れますか?
名乗れません。行政書士になるには、行政書士名簿への登録を受ける必要があります(行政書士法第6条第1項)。登録を受けていない人が「行政書士」またはこれと紛らわしい名称を用いることは、第19条の2第1項で禁じられています。
Q行政書士は、事務所を複数持てますか?
持てません。行政書士は業務を行うための事務所を設けなければならず(第8条第1項)、事務所を二以上設けてはならないとされています(同条第2項)。ただし、行政書士の使用人である行政書士などは事務所を設けてはならない(同条第3項)と、立場によって扱いが分かれます。
Q行政書士は、依頼を断ることができますか?
第11条は「正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない」と定めています。何が正当な事由に当たるかは個別の事情で判断されるため、この記事では事例を挙げません。
Q行政書士の秘密を守る義務は、廃業した後も続きますか?
続きます。第12条は、正当な理由がなく業務上知り得た秘密を漏らしてはならないとし、「行政書士でなくなつた後も、また同様とする」と定めています。違反には第22条で罰則があり、告訴がなければ公訴を提起できない罪とされています。
Q行政書士は食えない資格ですか?
食えるか食えないかは、条文にも公式統計にも根拠が無く、この記事は断定しません。確かめられるのは、報酬額は各行政書士が自由に定めて掲示すること、同じ業務でも取扱い内容によって報酬額に大きな差が出ると日本行政書士会連合会が説明していること(報酬額統計のページ)までです。この調査は業務を行ったときに受ける報酬額を扱うもので、年間の収入を示すものではありません。
Q行政書士は開業してはいけないと言われるのは、法律上の理由がありますか?
法律上、開業(登録)できないのは、欠格事由に当たる人(第2条の2)、登録を拒否される人(第6条の2第2項)、登録を受けていない人です。試験に合格していても、これらに当たる間は行政書士として業務ができません。これ以外の「やめた方がよい」という意見は、条文や公式統計では確かめられません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

