問題
マンション管理組合の管理員が月末に手元現金を実査したところ、帳簿残高は5万円であったが実際の現金は4万8千円であり、2千円の不足が生じていた。原因は決算日までに判明しなかった。この場合の会計処理として最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
帳簿の現金残高と実際の手持ち現金が合わない場合、「現金過不足」という一時勘定を使います。現金が不足している(帳簿より少ない)場合は、「現金過不足(借方)/現金(貸方)」で差額を記録します。決算日になっても原因が分からない場合は、この現金過不足を「雑損失(費用)」に振り替えて処理を完了させます。選択肢イがこの2段階の処理を正確に説明しています。正答はイです。
現金過不足の処理は2段階です。第1段階:不足発覚時に「現金過不足(借方)2,000円/現金(貸方)2,000円」。これは帳簿残高を実際有高(48,000円)に合わせるための仕訳です。第2段階:決算時に原因不明の場合、不足は「雑損失(借方)2,000円/現金過不足(貸方)2,000円」として費用化します。原因が判明した場合は、該当する費用科目や収益科目に振り替えます(例:不足原因が交通費の証憑未処理なら交通費に振り替え)。現金過不足は一時的な勘定であり、決算書には残さずゼロにします。選択肢アは帳簿と現金の不一致を放置しており内部統制上不適切、選択肢ウも仕訳なしで誤り、選択肢エは原因不明の段階で弁済責任を一方的に決定しており不適切です。
現金過不足は管理組合の内部統制の観点から特に重要な論点です。管理組合では管理員が小口現金を管理するケースが多く、現金過不足が繰り返し発生する場合は横領・着服のリスクサインとなります。監事は、いつでも理事及び職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができます(標準管理規約(令和7年10月17日改正版)41条2項)。現金の実査や現金過不足の原因確認は、こうした監査の典型的な場面です。なお税務の面では、人格のない社団等である管理組合に法人税が課されるのは収益事業から生じた所得だけです(法人税法6条)。収益事業を行っていない管理組合では、雑損失の計上が法人税に影響することはありません。実務的には、現金過不足の発生防止策として①小口現金制度(インプレスト・システム)の導入、②複数人による相互確認・記録の徹底、③定期的な独立した実査(理事・監事による確認)が有効です。また電子決済の普及により現金取引を削減する動きも内部統制強化につながります。管理業務主任者試験では、現金過不足の2段階仕訳(発覚時→決算時)と雑損失・雑収益への振替パターンを確実に押さえることが合格の要件です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

