職業訓練(ハロートレーニング)で宅建・社労士・登録販売者の資格は取れるのかを、厚生労働省の公式ページと各法の条文で確認。公共職業訓練と求職者支援訓練の違い、受講条件、公式検索の使い方を整理します。
目次
結論:職業訓練(ハロートレーニング)は、仕事を探している人のための無料の訓練制度(テキスト代は自己負担)で、修了しても宅建士・社労士・登録販売者の資格は得られません。これらの資格は、都道府県知事が行う試験や登録など、各法律が定める要件で決まります。訓練に通うかどうかとは別に、資格を取る道は試験側で確認する必要があります。
「職業訓練で宅建を取れるのか」と調べる人が知りたいのは、仕事を探しながら無料で資格の勉強ができるのか、だと考えられます(検索意図は当サイトの推定です)。この記事は、厚生労働省・ハローワークの公式ページと、宅地建物取引業法・社会保険労務士法・医薬品医療機器等法の条文だけを根拠に、訓練の仕組みと、資格を取る道の違いを整理します。受講料・給付金の額、特定の学校名や就職率は扱いません。
| 知りたいこと | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 職業訓練とは | 仕事を探している人向けの「無料の職業訓練制度」。テキスト代は自己負担 | 厚生労働省 ハロトレ特設サイト |
| 2つの種類 | 雇用保険を受給している人向けの「公共職業訓練(離職者訓練)」、受給できない人向けの「求職者支援訓練」 | 同上 |
| 受講までの条件 | ハローワークが認めて「受講あっせん」を受けること | 同上 |
| 宅建士の資格 | 都道府県知事が行う試験に合格し、登録を受ける | 宅地建物取引業法16条・18条 |
| 社労士の資格 | 試験の合格などと、事務に従事した期間が通算2年以上など | 社会保険労務士法3条 |
| 登録販売者の資格 | 都道府県知事が行う試験に合格し、登録を受ける | 医薬品医療機器等法36条の8 |
合格ナビの宅建(360問)・社労士(358問)・登録販売者(360問)の問題で、問題文や選択肢に「職業訓練」を含む問題は、宅建が0問、登録販売者が0問、社労士が3問です(いずれも当サイトが作成した問題の集計で、試験での出題頻度ではありません。2026-10-04 時点)。当サイトの宅建・登録販売者の問題には、職業訓練を扱う問題はありません。社労士の問題には、雇用保険法の一部として制度が出てくる問題があります。
ハロートレーニングとは:公共職業訓練と求職者支援訓練の違い
厚生労働省は、ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を、しごとをお探しの方を対象とした「無料の職業訓練制度」と案内しています。キャリアアップや希望する就職を実現するために必要な職業スキルや知識を習得するためのもので、テキスト代は自己負担です。
| 公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | 主に雇用保険を受給している求職者 | 主に雇用保険を受給できない求職者 |
| 費用 | 無料(テキスト代は自己負担) | 無料(テキスト代は自己負担) |
| 給付金 | 雇用保険受給者には、訓練受講中に基本手当・通所手当等が支給される(ポリテクセンターの離職者訓練についての独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の案内) | 一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練受講給付金を受けられる |
| 実施する機関の例 | 職業能力開発校、ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)など | 民間教育訓練機関が、厚生労働大臣の認定を受けて実施 |
公共職業訓練のうち、国と都道府県が設置する施設で行う職業訓練は、職業能力開発促進法15条の7に定められています。同条は、職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校の5つの施設を挙げています。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は、離職者訓練を「再就職を希望する離職中の方が受講できる標準6か月の職業訓練」と案内しています。求職者支援訓練は、民間教育訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けて実施する訓練です。期間や内容はコースごとに違います。
職業訓練の費用の扱い:受講料は原則無料。テキスト代などは自己負担。給付金の額・支給要件は厚生労働省・ハローワークの最新の案内で確認。最終確認日:2026-10-04。出典:厚生労働省 ハロトレ特設サイト、JEED 求職者支援訓練。
出典:厚生労働省 ハロトレ特設サイト、JEED 離職者訓練ってなに?、e-Gov法令検索 職業能力開発促進法15条の7(2026-10-04 時点)。
職業訓練で資格は取れるのか:宅建・社労士・登録販売者の取り方
職業訓練は、仕事に必要なスキルや知識を身につけるための制度です。訓練を修了することと、国家資格や公的な資格を得ることは、別の仕組みで決まります。3つの資格について、条文が定める道を整理します。
| 資格 | 資格を得る道(条文) | 試験・登録を行うのは |
|---|---|---|
| 宅地建物取引士 | 試験に合格し、実務経験などの要件を満たして登録を受ける(宅地建物取引業法18条1項) | 都道府県知事(試験は16条1項) |
| 社会保険労務士 | 試験に合格した者などで、労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して2年以上のもの等(社会保険労務士法3条1項)。社労士となるには名簿への登録が必要(14条の2第1項) | 試験の実施主体は、この記事では扱いません |
| 登録販売者 | 試験に合格した者などが、都道府県知事の登録を受ける(医薬品医療機器等法36条の8第2項) | 都道府県知事(試験は36条の8第1項) |
宅地建物取引業法16条1項は、都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより宅地建物取引士資格試験を行うと定めています。18条1項は、試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がこれと同等以上の能力を有すると認めたものが、試験を行った都道府県知事の登録を受けることができると定めています。
社会保険労務士法3条1項は、社会保険労務士試験に合格した者などであって、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して2年以上になるもの、又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるものを、社会保険労務士となる資格を有する者と定めています。社労士となるには、14条の2第1項により、社会保険労務士名簿への登録が必要です。
医薬品医療機器等法36条の8第1項は、都道府県知事が、一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとする者に必要な資質を確認するため、厚生労働省令で定めるところにより試験を行うと定めています。同条2項は、試験に合格した者などで医薬品の販売又は授与に従事しようとするものは、都道府県知事の登録を受けなければならないと定めています。
社労士となる資格の要件:試験合格などに加え、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して2年以上(又は厚生労働大臣が同等以上の経験を有すると認めること)。社会保険労務士法3条1項(施行日2026-10-01の現行条文)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov法令検索 社会保険労務士法。
どの資格も、条文には職業訓練の修了が要件として出てきません。職業訓練に通う場合も、資格を得るには試験の合格が必要です。試験の内容や学習の進め方は、宅建士になるには(流れと費用)、宅建の勉強の順番、社労士の完全合格ガイド、登録販売者の合格ガイドで確認できます。
出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法16条・18条、社会保険労務士法3条・14条の2、医薬品医療機器等法36条の8(2026-10-04 時点の現行条文)。
宅建士の資格登録に関する問題を解く
宅建・社労士・登録販売者のコースはあるか:公式検索の使い方
宅建・社労士・登録販売者に関する訓練コースがあるかどうかは、地域と時期で変わります。この記事では、個別のコースが今あるかどうかは調べていません。確かめるには、厚生労働省のハローワークインターネットサービスにある職業訓練検索を使います。
検索画面には、次の項目があります。
- コース種別:公共職業訓練、求職者支援訓練、障害者訓練、介護労働講習、学卒訓練、その他
- エリア:都道府県。訓練実施施設の所在地と会場の都道府県が異なる場合、選択していない都道府県の訓練が表示されることがあります
- 想定する分野、募集期間、開講日
- 訓練期間:1ヶ月以内、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月〜6ヶ月、7ヶ月〜1年未満、1年以上
- 受講推奨者、こだわり条件(短時間訓練、託児サービスあり)
- フリーワード:「資格、訓練内容をフリーワードで検索できます」と案内され、OR検索・AND検索・NOT検索が使えます
宅建や社労士、登録販売者の名前で探すときは、フリーワードに資格名を入れて、コース種別とエリアを絞ります。コースの名前に資格名が入っていないこともあるため、訓練内容の説明で確認してください。コースの内容と、その訓練が資格の取得につながるかどうかは別の話です。上で見たとおり、資格の要件は法律で決まっています。
出典:ハローワークインターネットサービス 職業訓練検索(2026-10-04 時点)。
受講できる人の条件:ハローワークの受講あっせん
ハロートレーニングを受講するには、訓練の必要性等をハローワークが認めて「受講あっせん」を受けることが必要です。厚生労働省は、受講までのステップを次の順で案内しています。
- ① ハローワークで求職申込み・職業相談
- ② 訓練の受講申込み
- ③ 面接・筆記試験等を受験
- ④ 合格したら受講あっせん(受講スタート)
訓練の受講に選考があるため、申し込んだ人が全員受講できるとは限りません。
求職者支援訓練には、厚生労働省が示す訓練受講の要件があります。
求職者支援訓練の訓練受講の要件:①ハローワークに求職の申込みをしていること ②雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと ③労働の意思と能力があること ④職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと。給付金の支給要件を満たさない場合でも、無料の職業訓練を受講できる。最終確認日:2026-10-04。出典:厚生労働省 求職者支援制度のご案内。
公共職業訓練(離職者訓練)は、主に雇用保険を受給している求職者が対象です。JEEDは、ポリテクセンターの離職者訓練について、年齢・性別・経験などは問わず、受講にはハローワークの受講あっせんが必要と案内しています。自分が受けられるかどうかは、お近くのハローワークの訓練受講窓口で相談してください。
出典:厚生労働省 ハロトレ特設サイト、厚生労働省 求職者支援制度のご案内、JEED 離職者訓練ってなに?(2026-10-04 時点)。
教育訓練給付金は、職業訓練とは別の制度
資格の勉強に使える公的な制度として、職業訓練のほかに「教育訓練給付金」があります。厚生労働省は、教育訓練給付金を、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものと案内しています。対象講座は、教育訓練講座検索システムで検索でき、支給申請はお住まいを管轄するハローワークで受け付けています。
ハロートレーニングは訓練そのものが無料の制度で、教育訓練給付金は訓練の費用の一部が後から支給される制度です。どちらも対象になるのは、厚生労働省が定める要件を満たす場合に限られます。給付の率や上限額は変わることがあるため、この記事では書きません。最新の内容は、厚生労働省のページとハローワークで確認してください。
当サイトの社労士の問題には、雇用保険法の中で、教育訓練給付金や、公共職業訓練等を受ける期間の延長給付を扱う問題があります。次の2問で、制度の理解を確かめられます。
出典:厚生労働省 教育訓練給付金(2026-10-04 時点)。
訓練に通うか、独学か:決める前に確認すること
資格を取るために職業訓練に通うか、独学や別の方法を選ぶかを決める前に、次を順に確認してください。
- 対象になるか:ハローワークに求職の申込みをして、訓練の必要性が認められるか(受講あっせん)
- コースがあるか:職業訓練検索で、エリア・訓練期間・フリーワードを使って、今のコースを確かめる
- 試験は別だと理解しているか:訓練を修了しても、宅建士は試験の合格と登録、社労士は試験の合格などと事務の従事、登録販売者は試験の合格と登録が必要
- 試験の日程に合うか:訓練期間と試験の申込み・試験日が重ならないかを、各試験の実施機関の案内で確認する
訓練の内容が資格試験の範囲に重なるかどうかは、コースの案内で確認するしかありません。この記事では、特定のコースが試験対策として十分かどうかは評価しません。
電気工事士など、ほかの資格の職業訓練について
電気工事士の職業訓練は、制度が少し違います。電気工事士法は、試験の合格のほか、経済産業大臣が指定する養成施設の課程の修了でも、第二種電気工事士免状の交付を受けられると定めています。この記事で扱った宅建・社労士・登録販売者とは、資格を得る道の作りが違う点に注意してください。出典:e-Gov法令検索 電気工事士法4条4項(2026-10-04 時点の現行条文)。
関連記事:宅建士になるには(流れと費用) / 宅建の勉強の順番 / 宅建 免許
よくある質問
Q職業訓練を修了すれば、宅建士や社労士、登録販売者の資格がもらえますか?
いいえ。これらの資格は、それぞれの法律が定める試験や要件で決まります。宅建士は都道府県知事が行う試験に合格し、登録を受ける資格です(宅地建物取引業法16条・18条)。社会保険労務士は試験の合格などと一定期間の事務の従事が資格の要件です(社会保険労務士法3条)。登録販売者は都道府県知事が行う試験に合格し、登録を受けます(医薬品医療機器等法36条の8)。職業訓練を修了しただけでは、これらの資格を得たことにはなりません。出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法、社会保険労務士法、医薬品医療機器等法(2026-10-04 取得の現行条文)。
Q雇用保険をもらっていなくても、職業訓練を受けられますか?
受けられる場合があります。厚生労働省は、雇用保険を受給できない求職者を主な対象とする訓練として「求職者支援訓練」を案内しています。訓練受講の要件として、ハローワークに求職の申込みをしていること、雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと、労働の意思と能力があること、職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたことが挙げられています。給付金の支給要件を満たさない場合でも、無料の職業訓練を受講できるとされています。出典:厚生労働省 求職者支援制度のご案内(2026-10-04 時点)。
Q宅建や社労士、登録販売者のコースがあるかどうかは、どこで調べればよいですか?
ハローワークインターネットサービスの職業訓練検索で、コース種別・エリア・想定する分野・フリーワードなどを指定して探せます。フリーワード欄は「資格、訓練内容をフリーワードで検索できます」と案内されています。コースの有無は地域と時期で変わるため、この記事では個別のコースがあるとは断定しません。出典:ハローワークインターネットサービス 職業訓練検索(2026-10-04 時点)。
Q職業訓練に申し込めば、すぐに受講できますか?
いいえ。厚生労働省は、受講のためには訓練の必要性等をハローワークが認めて「受講あっせん」を受けることが必要と案内しています。流れは、ハローワークで求職申込み・職業相談、訓練の受講申込み、面接・筆記試験等、合格したら受講あっせん、の順です。選考があるため、希望してもすぐに受講できるとは限りません。出典:厚生労働省 ハロトレ特設サイト(2026-10-04 時点)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

