電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和5年度上期 理論 問12|直流回路(抵抗温度特性)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,異なる2種類の金属A,Bで一つの閉回路を作り,その二つの接合点を異なる温度に保てば, (ア) 。この現象を (イ) 効果という。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図:金属Aと金属Bの両端を2か所で接合して一つの輪にした閉回路)

問題の図(出典: 令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問12/電気技術者試験センター)

図の出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問12

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正解は 5
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解説

熱と電気の間で起こる現象(熱電効果)の名称を問う問題です(令和5年度上期 問12)。

2種類の金属をつないで輪にし,二つの接合点の温度を変えると,温度差に応じた起電力が生じます。これをゼーベック効果といい,温度を測る熱電対に利用されています。

逆に,2種類の金属の接合部に電流を流すと熱の吸収や発生が起こるのがペルチエ効果,磁界中の半導体などに電流を流すと電流と磁界の両方に垂直な向きに起電力が生じるのがホール効果です。正答は(5)です。

【(ア)(イ) ゼーベック効果】

異なる2種類の金属で閉回路を作り,二つの接合点に温度差を与えると,回路に起電力(熱起電力)が生じます。この現象がゼーベック効果です。閉回路なので,この起電力によって電流(熱電流)も流れます。熱電対はこの起電力を測って温度差を求める温度計です。

【ほかの効果との区別】

・ペルチエ効果:2種類の金属の接合部に電流を流すと,接合部で熱の吸収または発生が起こる現象。ゼーベック効果の逆の関係で,電子冷却素子に使われます。原因が「電流」,結果が「熱」です。

・ホール効果:電流が流れている半導体などに,電流と垂直に磁界を加えると,電流と磁界の両方に垂直な向きに起電力が生じる現象。磁界の測定(ホール素子)に使われます。温度差は関係しません。

【各選択肢】

(1) 閉回路では電流も流れますが,ホール効果は温度差による現象ではありません。誤り。

(2) 抵抗の変化もホール効果も,この現象の説明ではありません。誤り。

(3) 金属の長さの変化は熱膨張で,電気的な現象ではありません。誤り。

(4) ペルチエ効果は電流を流して熱が出入りする現象で,温度差を与える本問とは原因と結果が逆です。誤り。

(5) 起電力が生じる,ゼーベック効果。正しい。

正答は(5)です。

【熱電効果の三つの現象】

熱と電気が関係する熱電効果には,次の三つがあります。

・ゼーベック効果:温度差 → 起電力(熱電対,熱電発電)

・ペルチエ効果:電流 → 接合部での吸熱・発熱(電子冷却)

・トムソン効果:温度勾配のある一つの導体に電流を流すと,導体の中で吸熱・発熱が起こる

ゼーベック効果とペルチエ効果は互いに逆の現象で,同じ金属の組合せで両方が起こります。「何を与えて,何が起こるか」の向きで区別すると覚えやすくなります。

【熱起電力の性質】

熱起電力の大きさは,2種類の金属の組合せと,二つの接合点の温度差でほぼ決まり,接合部以外の導線の温度分布にはよりません。熱電対で温度を測るときは,一方の接合点(基準接点)の温度を一定(または既知)にしておき,もう一方(測温接点)の温度を起電力から求めます。電源が要らず,高温まで測れることが熱電対の特長です。

【選択肢の作り】

本問の誤りの選択肢は,(ア)の現象と(イ)の名称を少しずつずらして作られています。

・(1)の「電流が流れる」自体は閉回路では起こりますが,名称がホール効果で誤りです。

・(4)の「電位差が生じる」も起電力に近い表現ですが,名称がペルチエ効果で誤りです。

語句の一方だけを見て選ぶと,こうした選択肢に引っかかります。(ア)と(イ)の両方が合っている組合せを選ぶことが必要です。

【ホール効果との違い】

ホール効果は,電流の担い手(電子や正孔)が磁界からローレンツ力を受けて片側に寄ることで起電力が生じる現象です。起電力の向きから半導体がn形かp形かを判定でき,大きさから磁束密度を測れます。熱電効果とはまったく別の原理で,「磁界」がキーワードです。

【関連する出題パターン】

・ゼーベック効果,ペルチエ効果,ホール効果,圧電効果(ピエゾ効果),光電効果などの名称と内容の組合せ

・熱電対と測温抵抗体,サーミスタなど温度センサの原理の比較

いずれも「入力(原因)」と「出力(結果)」の組で整理しておくと迷いません。

この問題の根拠出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。