簿記2級と宅建、二級建築士と宅建の難易度を、公式の合格率(分母つき)・受験資格・出題範囲・日程で並べて比較します。簿記2級は統一試験の直近10回、二級建築士は学科と設計製図の2段階の数字を一次資料で示し、宅建と重なる建築基準法の範囲も確認できます。
目次
結論:公式の数字で並べると、宅建は年1回の試験で合格率が直近4年17.0〜18.7%と安定し、簿記2級(統一試験)は直近10回で11.9〜28.8%と回ごとに大きく動き、二級建築士は学科40.9%・設計製図46.4%の2段階で総合22.6%です。受験資格・形式・年の回数が違い、公式資料に「どれが難しい」と判断できる共通の指標はありません。
簿記2級と宅建、二級建築士と宅建の難易度を、各試験団体の公表値だけで比べます。勉強時間や偏差値は、公的な出典がないため載せません。
宅建・簿記2級・二級建築士の合格率:宅建は令和7年度18.7%(受験者245,462人・合格者45,821人)、簿記2級(統一試験)は第173回(令和8年6月)15.1%(実受験者4,821人・合格者728人)、二級建築士は令和7年に学科40.9%(実受験者16,383人)・設計製図46.4%(10,006人)・総合22.6%(20,597人)。最終確認日:2026-10-03。出典:不動産適正取引推進機構 試験実施概況・日本商工会議所 簿記2級受験者データ・建築技術教育普及センター 二級建築士試験結果。
1. 宅建・簿記2級・二級建築士の比較表
| 試験 | 実施回数 | 形式と合格基準 | 直近の公式合格率(分母) |
|---|---|---|---|
| 宅建 | 年1回(10月の第3日曜) | 四肢択一50問・2時間。合格基準点は年度ごとに変わる(令和7年度は33点) | 令和7年度 18.7%(受験者245,462人) |
| 簿記2級(統一試験) | 年3回(令和7年は2月・6月・11月) | 商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)。5題以内・90分・70%以上 | 第173回 15.1%(実受験者4,821人) |
| 二級建築士 | 年1回(学科7月→設計製図9月) | 学科(4科目)に合格した人だけが設計製図(5時間)を受験できる | 令和7年 学科40.9%・設計製図46.4%・総合22.6% |
宅建の試験日・形式は不動産適正取引推進機構 試験の概要、簿記2級の形式・合格基準は日本商工会議所 簿記2級 試験科目・注意事項、二級建築士の形式は建築技術教育普及センター 試験についてによります。
3つの試験は、合格率の分母が同じ意味ではありません。宅建は受験者数、簿記2級は実受験者数(申込者のうち実際に受験した人)、二級建築士の総合は、表の「総合」欄に載っている実受験者数に対する最終合格者の割合です(学科・設計製図の欄の実受験者数とは別の数字です)。
2. 宅建と簿記2級の合格率を、分母つきで並べる
簿記2級の統一試験は、直近10回の合格率が次のように動いています。
| 回(実施日) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第173回(2026.06.14) | 4,821人 | 728人 | 15.1% |
| 第172回(2026.02.22) | 6,038人 | 911人 | 15.1% |
| 第171回(2025.11.16) | 6,332人 | 1,492人 | 23.6% |
| 第170回(2025.06.08) | 5,383人 | 1,193人 | 22.2% |
| 第169回(2025.02.23) | 7,118人 | 1,486人 | 20.9% |
| 第168回(2024.11.17) | 7,589人 | 2,187人 | 28.8% |
| 第167回(2024.06.09) | 6,310人 | 1,442人 | 22.9% |
| 第166回(2024.02.25) | 8,728人 | 1,356人 | 15.5% |
| 第165回(2023.11.19) | 9,511人 | 1,133人 | 11.9% |
| 第164回(2023.06.11) | 8,454人 | 1,788人 | 21.1% |
出典:日本商工会議所 簿記2級受験者データ(統一試験)。ネット試験の受験者は含みません。10回の実受験者数の合計は70,284人、合格者数の合計は13,716人で、当サイトの計算では19.5%です。
宅建は、令和4〜7年度の合格率が17.0%・17.2%・18.6%・18.7%で、過去10年(平成28年度〜令和7年度)の幅は13.1%(令和2年度12月試験)〜18.7%です(不動産適正取引推進機構 試験実施概況)。
簿記2級・宅建の直近10回/10年の幅:簿記2級(統一試験)の第164〜173回は合格率11.9〜28.8%・実受験者数の合計70,284人・合格者数の合計13,716人(当サイトの計算で19.5%)。宅建は平成28年度〜令和7年度で13.1〜18.7%。最終確認日:2026-10-03。出典:日本商工会議所 簿記2級受験者データ・不動産適正取引推進機構 試験実施概況。
読み取れること(数字から言える範囲)
- 宅建は年1回の試験で、合格率の幅が狭い。簿記2級は年3回で、直近10回の幅が11.9〜28.8%と広い
- 宅建の受験者数は令和7年度で245,462人。簿記2級の統一試験の実受験者数は、2025年の3回(第169〜171回)の合計で18,833人です。簿記2級はネット試験でも受験でき、その受験者はこの数に含まれないため、受験者数の規模は2つの試験で比べられません
- 簿記2級の合格基準は、公式ページで70%以上と示されている。宅建の合格基準点は、10年間で33〜38点と年度ごとに違う
簿記2級の合格率が回によって変わる理由は、公表資料に書かれていないため、本記事では推測しません。
3. 宅建と二級建築士(一級建築士も)の違い
受験資格と試験の構成
宅建には受験資格がなく、日本国内に居住する人であれば年齢・学歴に関係なく誰でも受験できます。
二級建築士は、次のいずれかに当てはまる人でなければ受験できません(建築士法15条)。
- 学校教育法による大学・高等専門学校・高等学校などで、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した人(1号)
- 都道府県知事が1号の人と同等以上の知識・技能を有すると認める人(2号)
- 建築実務の経験を7年以上有する人(3号)
試験は「学科の試験」と「設計製図の試験」の2段階で、設計製図は学科に合格しなければ受験できません。令和8年の学科の試験の合格者6,829人のうち、受験資格の区分は学歴のみが86.4%・学歴+実務が0.6%・実務のみが12.3%・建築設備士のみが0.6%でした(建築技術教育普及センター 試験結果)。
一級建築士の受験資格(同法14条)には、二級建築士であること(2号)も含まれます。
合格率の推移(令和3〜7年)
| 年 | 二級 学科 | 二級 設計製図 | 二級 総合 |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 41.9%(実受験者19,596人) | 48.6%(11,450人) | 23.6%(23,513人) |
| 令和4年 | 42.8%(18,893人) | 52.5%(10,797人) | 25.0%(22,694人) |
| 令和5年 | 35.0%(17,805人) | 49.9%(9,988人) | 22.3%(22,328人) |
| 令和6年 | 39.1%(17,602人) | 47.0%(9,947人) | 21.8%(21,512人) |
| 令和7年 | 40.9%(16,383人) | 46.4%(10,006人) | 22.6%(20,597人) |
出典:建築技術教育普及センター 二級建築士試験結果。総合の実受験者数は、学科の実受験者数とは別に表に載っている数字で、令和7年は学科(16,383人)より多くなっています。
一級建築士の令和7年は、学科が16.5%(実受験者27,489人)、設計製図が35.0%(11,381人)、総合合格率が11.4%です(建築技術教育普及センター 一級建築士試験結果)。一級建築士の5年分の合格率・科目・免許と宅建士の業務の線引きは宅建と一級建築士の違いで比べています。
資格でできる業務の違い
宅建士の業務は、重要事項の説明、重要事項説明書への記名、37条書面への記名で、宅建士が行う必要があります。建築士は、一定の建築物の設計・工事監理を一級建築士でなければしてはならず(建築士法3条)、それ以外の一定の建築物は一級建築士または二級建築士でなければしてはならないと定められています(同法3条の2)。規模の数値は条文で確認してください。
建築士試験の令和7年の数値:二級建築士は学科40.9%・設計製図46.4%・総合22.6%、一級建築士は学科16.5%・設計製図35.0%・総合11.4%。最終確認日:2026-10-03。出典:建築技術教育普及センター 二級建築士試験結果・同 一級建築士試験結果。
条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-03 時点の現行条文):建築士法。
4. 試験の範囲の違い(公式の出題範囲を並べる)
| 試験 | 公式の出題範囲 |
|---|---|
| 宅建 | 土地・建物の形質/権利及び権利の変動に関する法令/法令上の制限/税に関する法令/需給に関する法令及び実務/価格の評定/宅建業法及び関係法令の7項目(宅建業法施行規則8条) |
| 簿記2級 | 商業簿記、工業簿記(原価計算を含む)。毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠 |
| 二級建築士 | 学科I(建築計画)・II(建築法規)・III(建築構造)・IV(建築施工)、設計製図。適用法令は令和8年1月1日現在 |
科目名のうえで、宅建と簿記2級に共通するものはありません。宅建と二級建築士は、宅建の「法令上の制限」と二級建築士の「建築法規」で、建築基準法が重なります。
当サイトの宅建の問題(360問)では、建築基準法を問題文・選択肢・小分類に含む問題が16問あります(うち、法令上の制限が14問)。自作の論点別問題の数で、本試験の出題数ではありません(2026-10-02 集計)。
建築基準法の問題を解く
5. 両方を目指す順序と日程(令和8年度)
令和8年度の日程:二級建築士は学科が令和8年7月5日(日)・設計製図が9月13日(日)、宅建は令和8年10月18日(日)、簿記2級の統一試験は第174回が令和8年11月15日(日)。最終確認日:2026-10-03。出典:建築技術教育普及センター 二級建築士試験について・不動産適正取引推進機構 試験の概要・日本商工会議所 簿記2級。
宅建の試験日(10月18日)を基準にすると、間隔は次のとおりです(令和8年度の日程で当サイトが計算)。
| 試験 | 宅建(10月18日)との間隔 |
|---|---|
| 二級建築士 学科(7月5日) | 105日前 |
| 二級建築士 設計製図(9月13日) | 35日前 |
| 簿記2級 第174回(11月15日) | 28日後 |
簿記2級の申込受付の日時・方法は、商工会議所によって異なります(日本商工会議所 簿記2級)。
組み合わせの順序は、次の考え方ができます(当サイトの整理で、決まった正解はありません)。
- 簿記2級と宅建:簿記2級は年3回あるため、宅建の試験日と離れた回を選びやすい。同じ年に両方を受ける場合は、宅建の直前(約1か月前)に簿記の回が重ならないようにする
- 二級建築士と宅建:二級建築士の設計製図は9月、宅建は10月で、間隔が35日。設計製図は学科に合格した人だけが受けられる点に注意する
- 3つ全部:年度ごとの日程と、受験資格(二級建築士)を確認し、不合格になった場合の影響も考えて決める
6. 資格同士の制度上のつながり
宅建士の資格の取得や免除の要件に、簿記・建築士の資格は出てきません(宅地建物取引業法の本則に「建築士」「簿記」の語はなく、2026-10-03 時点の現行条文で確認)。ただし、宅建業の業務の場面では建築士が出てきます。宅建業者は、既存の建物の売買・交換の媒介契約を結んだときの書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載します(宅建業法34条の2第1項4号)。この調査を実施する者は、宅建業法施行規則15条の8で「建築士」で「国土交通大臣が定める講習を修了した者」と定められています。建築士と他の資格には、次のつながりもあります。
- 土地家屋調査士の試験では、測量士・測量士補、一級建築士・二級建築士となる資格を有する者は、申請により「土地及び家屋の調査及び測量」についての筆記試験が免除されます(土地家屋調査士法6条5項1号。土地家屋調査士法)
- 一級建築士の受験資格に、二級建築士であることが含まれる(建築士法14条2号)
- 日本商工会議所は、簿記1級に合格すると税理士試験の受験資格が得られると案内しています(日本商工会議所 簿記)。簿記2級の合格が受験資格になるとは、公式ページに書かれていません
FP技能検定2級との比較は、本記事では扱いません。
7. 合格ナビで確認できる範囲
合格ナビは、宅建の論点別問題・解説を提供しています。各問に3レベル解説(初心者・標準・上級)と根拠条文がついています。簿記・建築士の問題は、当サイトにはありません。それぞれの公式サイトで確認してください。
著作権・正確性の方針:本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)と一切関係ありません。掲載問題は過去の試験問題の転載ではなく、出題範囲を参照した合格ナビ独自の自作問題(論点別問題)です。
よくある質問
Q簿記2級は宅建より難しいですか?
公式資料には、試験をまたいで「どちらが難しい」と判断できる共通の指標はありません。宅建は年1回の試験で、直近4年(令和4〜7年度)の合格率は17.0〜18.7%です。簿記2級の統一試験は、直近10回(第164〜173回)で合格率が11.9〜28.8%と回ごとに大きく動いています。形式も、宅建は四肢択一50問(合格基準点は年度ごとに変動)、簿記2級は商業簿記・工業簿記の90分・70%以上と違うため、数字だけで優劣は決められません。
Q簿記2級の合格率が回によって大きく違うのはなぜですか?
日本商工会議所が公表しているのは、回ごとの受験者数・合格者数・合格率です。変動の理由は公表資料に書かれていないため、本記事では理由を推測しません。直近10回の実受験者数の合計は70,284人、合格者数の合計は13,716人(当サイトの計算で19.5%)です。
Q簿記2級はネット試験でも受けられますか?
日本商工会議所は、日商簿記検定の2級・3級・初級・原価計算初級について、ネット試験の案内を出しています。本記事の合格率は統一試験(年3回)の公表値だけで、ネット試験の受験者は含みません。申込方法や日程は、受験する商工会議所の案内で確認してください。
Q二級建築士と宅建は、同じ年に受験できますか?
令和8年度の日程では、二級建築士は学科が7月5日・設計製図が9月13日、宅建は10月18日です。設計製図の試験は学科の試験に合格しなければ受験できません。二級建築士試験は、建築に関する科目を修めた学歴か、建築実務7年以上などの受験資格が必要です(建築士法15条)。宅建には受験資格がありません。
Q一級建築士と宅建は、どちらの合格率が低いですか?
令和7年の一級建築士は、学科が16.5%(実受験者27,489人)、設計製図が35.0%(11,381人)、総合合格率が11.4%です。宅建は同じ年度(令和7年度)で18.7%です。ただし、一級建築士は学科と設計製図の2段階で、受験資格も必要なため、1回の試験の合格率として宅建と同じ意味では比べられません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

