第二種電工

文系でも電気工事士2種は受けられる?未経験者の受験条件・学科の計算の水準・技能試験の入口

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

文系・未経験でも第二種電気工事士を受験できるかを、電気技術者試験センターの受験案内と電気工事士法で確認します。学科の計算は電卓なしで解ける前提であること、公式の出題2問の解き方、技能試験の候補問題が事前公表される点まで、出典つきで整理します。

目次
  1. 文系・未経験の人が確認したい点の早見表
  2. 文系・未経験でも受験できる根拠
  3. 学科の計算は、どの水準まで求められるか
  4. 公式の出題2問で、計算の水準を確かめる
  5. 暗記で取る区分のほうが多い(当サイトの収録数)
  6. 技能試験に経験は要るか(候補問題が事前に公表される)
  7. 学習の順序(学科→技能)
  8. まとめ
結論:第二種電気工事士は、文系の出身でも、電気の仕事が未経験でも受験できます。電気技術者試験センターは「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」と案内しています。学科試験の計算は、電卓を使わず「四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提」とされ、技能試験の候補問題は13問が事前に公表されます。

「文系だから向いていないのでは」と迷う方に向けて、この記事は、電気技術者試験センターの案内と電気工事士法で確認できる事実だけを整理します。合格者の文系・理系の割合のような、一次情報で確認できない数字は載せません。

試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して引用しています。

当サイトに収録している第二種電気工事士の学科の過去問326問(令和4年度上期〜令和7年度下期の10回分から収録した問題)のうち、電気の基礎理論の区分は35問で、残りの291問は工事の方法(配線図を含む)133問、電気機器・配線器具・配線89問、検査・法令69問です。基礎理論35問のうち、数値を計算して答える問題は34問でした(2026-10-04 集計。当サイトの区分での数です)。

文系・未経験の人が確認したい点の早見表

気になる点センター・法令の公表出典
学歴・専攻・年齢などの条件「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」受験案内 冊子4頁
実務経験「受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です。」電気工事士の資格概要(よくあるご質問)
学科の計算電卓・計算尺は使用不可。「四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提」受験案内 冊子42頁
学科の合格基準合格基準点は60点受験案内 冊子9頁
技能試験の受験者学科試験の合格者又は学科試験免除者試験概要
技能試験の課題候補問題No.1〜No.13を事前公表。試験時間は40分の予定令和8年度候補問題

出典:令和8年度下期 受験案内、電気工事士の資格概要、第二種電気工事士の試験概要、令和8年度候補問題。

文系・未経験でも受験できる根拠

受験の条件は、センターの受験案内が「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」と書いています(令和8年度下期、冊子4頁)。センターのよくあるご質問も、「電気系の仕事が未経験でも受験できますか?」に「はい、受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です。」と答えています。

免状(資格証)の側も、法令で確認できます。電気工事士法第4条第4項は、第二種電気工事士免状の交付を受けられる者の1つに「第二種電気工事士試験に合格した者」(第1号)を挙げています。同条第3項の第一種電気工事士免状には「経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者」という要件がありますが、第二種の第1号には、実務経験の要件は書かれていません。受験から免状までの流れと実務経験の整理は、電気工事士2種は実務経験なしで取れるにまとめています。

受験の条件:第二種電気工事士試験の受験に、制限や条件はない(令和8年度下期の受験案内)。最終確認日:2026-10-04。出典:令和8年度下期 受験案内(冊子4頁)、e-Gov法令検索 電気工事士法(第4条第4項第1号)。

学科の計算は、どの水準まで求められるか

文系の方が気にするのは、学科試験の計算です。センターが示している条件は、次の3点です。

  • 電卓と計算尺は使えない。計算は「四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提」(受験案内 冊子42頁)
  • 計算に使う √2、√3、円周率 π の値は、問題の冒頭で指定される。令和5年度上期の一般問題の冒頭には「【注】本問題の計算で√2,√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41 ,√3=1.73 ,π=3.14」「なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。」と書かれている
  • 計算が出る科目の範囲は、センターが示す「電気に関する基礎理論」の4項目(電流・電圧・電力及び電気抵抗/導体及び絶縁体/交流電気の基礎概念/電気回路の計算)が中心

出典:令和8年度下期 受験案内、令和5年度上期 学科試験問題(5頁)、学科試験のポイント。

ここで言えるのは、センターが「電卓なしで解ける前提」で出題している、という点までです。「文系は数学が不利か」という比較は、一次情報の数字が見つからないため、この記事では行いません。

公式の出題2問で、計算の水準を確かめる

実際の出題を2問、解いてみます。どちらも電気技術者試験センターの公表問題で、図はなく、四則計算で解けます。

例1 熱量の問題(令和4年度上期(午前)問3)

抵抗器に100 Vの電圧を印加したとき,5 Aの電流が流れた。1時間30分の間に抵抗器で発生する熱量[kJ]は。
イ.750 ロ.1 800 ハ.2 700 ニ.5 400
(出典:令和4年度上期(午前) 第二種電気工事士 学科試験 問3、一般財団法人 電気技術者試験センター)
  • 式:熱量 Q=電力×時間=V×I×t(電力は100 V×5 A=500 W)
  • 代入:1時間30分=90分=5 400秒なので、Q=500 W×5 400 s=2 700 000 J=2 700 kJ
  • 検算:500 W=0.5 kW、1.5時間なので電力量は0.5×1.5=0.75 kW・h。1 kW・h は3 600 kJ なので、0.75×3 600=2 700 kJ(一致)
  • 答え:ハ(センターの公表した正解もハ)

例2 電力量から電流を求める問題(令和5年度上期(午前)問3)

抵抗に100 V の電圧を2 時間30 分加えたとき,電力量が4 kW・h であった。抵抗に流れる電流[A]は。
イ.16 ロ.24 ハ.32 ニ.40
(出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士 学科試験 問3、一般財団法人 電気技術者試験センター)
  • 式:電力量=電力×時間なので、電力 P=電力量÷時間。電流 I=P÷V
  • 代入:4 kW・h=4 000 W・h、2時間30分=2.5時間なので、P=4 000÷2.5=1 600 W。I=1 600÷100=16 A
  • 検算:16 A×100 V=1 600 W、2.5時間なので1 600×2.5=4 000 W・h=4 kW・h(一致)
  • 答え:イ(センターの公表した正解もイ)

出典:令和4年度上期(午前)問題・解答、令和5年度上期(午前)問題・解答。

この2問で使ったのは、かけ算・割り算と、時間の単位の換算(分→秒、時間→分)だけです。同じ型の問題を、解説つきで確認できます。

この2問は、基礎理論のなかでも解きやすい型です。当サイトに収録した公式の基礎理論35問を、問題文から当サイトが型に分けると、次のとおりです(2026-10-04 集計。1問を1つの型に入れた当サイトの分類で、センターの区分ではありません)。

計算の型問数この記事で解いた型か
電力量・熱量(電熱器の水温上昇を含む)6問上の2問と同じ型
合成抵抗・抵抗率・図の回路の電圧や消費電力9問別の型(合成抵抗は上のリンク先)
三相3線式回路の電流・消費電力・電力損失10問別の型(最も多い)
単相の交流回路(力率・リアクタンス)6問別の型
単相2線式・3線式の電圧・電力損失・断線3問別の型
計算をしない問題(力率の最も良い電気機械器具を選ぶ問題)1問計算なし

つまり、上の2問のような「かけ算・割り算と単位換算」で解ける問題は、基礎理論の公式35問のうち6問です。残りは、抵抗の合成や三相回路など、式を立てて解く型で、三相3線式が最も多くなっています。電卓なしで解ける前提であることは変わりませんが、この記事は「基礎理論の計算がすべて上の2問のように簡単だ」とは言いません。

基礎理論の式と考え方は、電気の基礎理論 攻略法で整理しています。

暗記で取る区分のほうが多い(当サイトの収録数)

学科試験は、基礎理論だけではありません。センターが示す7科目のうち、計算が中心になるのは基礎理論です。器具の名称・工事の方法・検査・法令・配線図の記号などを答える区分は、当サイトの収録では数が多くなっています。

当サイトが収録した公式の問題326問を区分別に数えると、次のとおりです(2026-10-04 集計。区分は当サイトのものです)。

当サイトの区分収録した公式の問題数主な内容
電気の基礎理論35問計算が中心(34問が数値を答える)
電気機器・配線器具・配線89問器具・材料・工具の名称や用途
工事の方法(配線図を含む)133問配線工事の方法、配線図の記号
検査・法令69問検査の方法、電気工事士法などの決まり

これは、当サイトに収録した問題の内訳です。実際の試験で各区分が何問出るかを示す数字ではありません。区分ごとの出題数は、電気工事士2種の学科試験対策に、センター公表の直近5回を問番号で集計した結果があります。

技能試験に経験は要るか(候補問題が事前に公表される)

技能試験は、センターの試験概要によると「学科試験の合格者と学科試験免除者に対して…持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法」で行われます。受験できるのは、学科試験の合格者又は学科試験免除者です。合格基準は「作品に欠陥がないこと」です(受験案内 冊子9頁)。

課題は、候補問題として事前に公表されます。令和8年度は、令和8年1月16日公表の候補問題No.1〜No.13の配線図の中から出題され、「試験時間は,すべての問題について40分の予定です」とされています。電気の仕事の経験がなくても、公表された13問を練習できます。

出典:第二種電気工事士の試験概要、令和8年度下期 受験案内(冊子9頁)、令和8年度候補問題。

候補問題の作業や、欠陥の判断基準は電気工事士の実技試験に、必要な工具は技能試験の必要工具にまとめています。

学習の順序(学科→技能)

試験の順序が「学科→技能」なので、学習もこの順に進めます。

  • ① 学科:基礎理論の計算を、電卓なしで解く練習から始める(上の2問の型)
  • ② 学科:器具・工事・検査・法令・配線図は、問題を解きながら名称と規則を覚える
  • ③ 技能:学科の合格後(または免除が認められた後)に、候補問題13問を作って練習する
  • ④ 学科試験に合格したが技能試験に合格できなかった場合も、センターの試験概要は「前回又は前々回に第二種電気工事士学科試験に合格した方」を、申請により学科試験が免除になる対象に挙げている(次の回とその次の回の試験で、技能試験から受けられる)

勉強時間の目安は、センターが公表していません。この記事では時間の数字は扱わず、考え方は電気工事士2種の勉強時間にまとめています。

学科の免除の条件は電気工事士2種の学科免除にまとめています。

まとめ

  • 文系でも、未経験でも、第二種電気工事士は受験できる(受験に制限や条件はない)
  • 学科の計算は電卓なし。四則計算の筆算で解ける前提で、√2・√3・πの値は問題で指定される
  • 学科のうち、計算が中心の区分は基礎理論。当サイトの収録問題では、公式326問のうち35問
  • 技能試験は、候補問題13問が事前に公表される。学科合格者(または免除者)が受験する
  • 文系・理系の合格者の割合のような数字は、一次情報で確認できないため載せていません

関連:実務経験なしで取れるか・学科試験対策・勉強時間の目安・第二種電気工事士の試験内容。

よくある質問

Q文系の学部や学校の出身でも、第二種電気工事士の試験を受けられますか?

受けられます。電気技術者試験センターの令和8年度下期の受験案内は「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」としています(冊子4頁)。出典:令和8年度下期 受験案内。

Q学科試験に電卓は持ち込めますか?

持ち込めません。受験案内は「電卓(電子式卓上計算機)及び計算尺は、使用できません。」とし、「学科試験問題の計算については、四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提の問題となっています。」と書いています(冊子42頁)。出典:令和8年度下期 受験案内。

Q数学が苦手だと、合格基準の60点に届きませんか?

届くかどうかは、この記事では断定できません。確かめられる事実は、合格基準点が60点であること(受験案内 冊子9頁)、学科は一般問題30問程度と配線図問題20問程度の50問であること、計算の根拠になる範囲が「基礎理論」の4項目に限られることです。出典:令和8年度下期 受験案内、学科試験のポイント。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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