第二種電工

合成抵抗の計算並列・直列・3並列の求め方を過去問で解説

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

合成抵抗の計算を、直列・並列の公式、和分の積、3並列・4並列、直並列・ブリッジ回路の順に整理。第二種電気工事士の公式問題(令和8年度上期など)を3問解き、どの答えも電流や電力で検算します。公表13回分の問1の集計と、電卓なしで速く解く手順もわかります。

目次
  1. 合成抵抗の公式一覧(直列・並列・同じ値・和分の積)
  2. 並列の合成抵抗の求め方:3並列・4並列も同じ手順
  3. 直並列回路の合成抵抗の求め方(手順と3つの注意)
  4. 例題1:ショートを見抜く(令和8年度上期 問1)
  5. 例題2:内側からまとめる(令和7年度下期 問1)
  6. 例題3:合成抵抗から電流を出す(令和4年度下期(午前)問1)
  7. 抵抗を求める計算式(オームの法則・電力・電線の抵抗)
  8. ブリッジ回路の合成抵抗(平衡しているとき)
  9. 計算ツールを使う前に:検算の型と見直しのポイント
  10. 合成抵抗の問題を続けて解く
結論:合成抵抗は、直列なら足し算(R=R1+R2+…)、並列なら逆数の和の逆数(1/R=1/R1+1/R2+…)で求めます。2本の並列は「和分の積」R1×R2÷(R1+R2)、同じ値n本の並列はR÷nです。直列と並列が混ざった回路は、内側の小さなまとまりから1つずつ置き換えていけば必ず1つの値になります。並列の答えは一番小さい抵抗より小さくなるので、これがそのまま検算になります。

合格ナビが電気技術者試験センターの公表問題(令和4年度上期〜令和8年度上期の筆記・学科試験13回分。令和6年度上期以降は第二種電気工事士試験の問題と解答に掲載、令和4・5年度分は同センターのサイトに残る問題PDF)を読んで数えたところ、13回すべての問1が、抵抗をつないだ直流回路の計算でした。そのうち5回(令和8年度上期・令和7年度下期・令和7年度上期・令和6年度下期・令和5年度上期(午後))は「端子a-b間の合成抵抗[Ω]は」と直接聞いています。残りの8回は、電池をつないだ回路で、抵抗の直列・並列をまとめながら電流・電圧・消費電力を求める問題です(2026-10-02 集計)。

合成抵抗の公式一覧(直列・並列・同じ値・和分の積)

つなぎ方公式例(自作の数値)検算
直列R=R1+R2+R3+…10Ω・20Ω・30Ω → 60Ω直列は一番大きい抵抗(30Ω)より大きくなる
並列(一般)1/R=1/R1+1/R2+1/R3+…4Ω・6Ω・12Ω → 2Ω12Vをかけると3A+2A+1A=6A、12÷6=2Ω
並列(2本)R=R1×R2÷(R1+R2)(和分の積)6Ω・12Ω → 72÷18=4Ω逆数の和でも1/6+1/12=3/12=1/4
並列(同じ値n本)R=R÷n8Ωを4本 → 2Ω逆数の和でも1/8×4=1/2

合成抵抗は「その部分を1本の抵抗に置き換えたら何Ωになるか」という値です。直列は電流の通り道が1本で長くなるので足し算、並列は通り道が増えるので小さくなる、と理解しておくと公式を取り違えません。

上の13回分の問題用紙にはすべて、計算で√2、√3、πを使うときの値(√2=1.41、√3=1.73、π=3.14)と、「選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい」という指示が書かれています。合成抵抗の問題は割り切れる値で作られていることが多いので、分数のまま計算すると速く正確です。

この論点の問題を解く:

並列の合成抵抗の求め方:3並列・4並列も同じ手順

並列の基本は逆数の和です。3本でも4本でも、手順は変わりません。

  • ① それぞれの抵抗の逆数を書く
  • ② 分母をそろえて足す
  • ③ 足した結果をひっくり返す(逆数にする)

3並列の例(4Ω・6Ω・12Ω):1/4+1/6+1/12=3/12+2/12+1/12=6/12=1/2。ひっくり返して2Ωです。

4並列の例(2Ω・4Ω・8Ω・8Ω):1/2+1/4+1/8+1/8=4/8+2/8+1/8+1/8=8/8=1。合成抵抗は1Ωです。

どちらも「一番小さい抵抗より小さい」(2Ω<4Ω、1Ω<2Ω)ので、最初の検算は通っています。2つ目の検算として、電圧をかけたときの電流を足してみます。4並列に8Vをかけると、各抵抗の電流は4A・2A・1A・1Aで合計8A。8V÷8A=1Ωとなり、逆数の和の結果と一致します。

和分の積を2回使う方法(3並列の近道)

和分の積は2本の並列にしか使えませんが、2本ずつ順にまとめれば3本以上にも使えます。4Ω・6Ω・12Ωなら、4Ωと6Ωで24÷10=2.4Ω、次に2.4Ωと12Ωで28.8÷14.4=2Ωです。数値によっては分数の通分より早く終わります。

同じ値が並んでいたら先にR÷n

上の4並列のように、同じ値の抵抗が並んでいるときは先にまとめると計算が軽くなります。8Ωと8Ωで4Ω、それと4Ωで2Ω、それと2Ωで1Ω。同じ値2本の並列は「半分」なので、暗算で進められます。

直並列回路の合成抵抗の求め方(手順と3つの注意)

直列と並列が混ざった回路は、次の順で1つずつ置き換えます。

  • ① 図の中で「2つの点のあいだにだけつながっている」抵抗のまとまりを探す
  • ② そのまとまりを1本の抵抗に置き換える(直列なら足す、並列なら逆数の和)
  • ③ 置き換えた図を描き直し、①に戻る。端子a-bのあいだが1本になったら終わり

つまずきやすいのは次の3点です。

  • 電線だけの通り道(ショート):抵抗の両端が電線だけでつながっていると、その抵抗には電流が流れず、ないものとして扱えます(下の例題1)
  • 同じ点を見抜く:電線でつながっている点はすべて同じ電位の1つの点です。図のどこに描かれていても、同じ点どうしをつなぐ抵抗は並列です
  • 端子の外側の抵抗:a-bのあいだに入らない抵抗は、合成抵抗に入れません

例題1:ショートを見抜く(令和8年度上期 問1)

図のような回路で,端子a-b間の合成抵抗[Ω]は。
イ.2.5 ロ.5 ハ.7.5 ニ.15
出典:令和8年度上期 第二種電気工事士 学科試験 問1(一般財団法人電気技術者試験センター)

図は公式の問題PDF(令和8年度上期)の問1で確認できます。回路のつながりを、点の名前をつけて表にすると次のとおりです。

区間つながっているもの
端子a → 点L電線
点L → 点M15Ω(上側)
点L → 点M25Ω(下側)
点M1 → 点M2縦の電線(M1とM2は同じ点)
点M1 → 点R5Ω(右上)
点M2 → 点R電線(下側をそのまま右へ)
点R → 端子b電線

解き方:M1とM2は電線でつながっているので同じ点です。さらにM2から点Rまでも電線なので、M1・M2・Rはすべて同じ点になります。右上の5Ωは両端が同じ点につながっているため電流が流れず、ないものとして扱えます。残るのは、点Lと点M(=端子b)のあいだの5Ωの2本並列だけです。

R=5×5÷(5+5)=25÷10=2.5Ω → 答えはイ(2.5Ω)。公式の解答もイです。

検算1(逆数の和):1/5+1/5=2/5、ひっくり返して2.5Ω。

検算2(電流で確かめる):a-b間に5Vをかけると、左の5Ωの2本にそれぞれ1Aずつ、合計2Aが流れます。右上の5Ωは両端の電位が同じなので0Aです。5V÷2A=2.5Ωで一致します。なお、右上の5Ωを「生きている」と誤って2.5Ω+5Ωと足すと7.5Ωになり、これは選択肢ハと同じ値です。ショートを見落とすと、そのまま選択肢の値を選んでしまいます。

例題2:内側からまとめる(令和7年度下期 問1)

図のような回路で,端子a-b間の合成抵抗[Ω]は。
イ.1 ロ.2 ハ.3 ニ.4
出典:令和7年度下期 第二種電気工事士 学科試験 問1(一般財団法人電気技術者試験センター)

図は公式の問題PDF(令和7年度下期)の問1にあります。つながりは次のとおりです。

区間つながっているもの
点N1 → 点N26Ωと6Ωの2本(並列)
点N2 → 点N33Ω
点N1 → 点N33Ω(上をまわる経路)
端子a・端子baはN1、bはN3につながる

解き方:内側から順に置き換えます。

  • ① N1-N2の6Ωと6Ω(同じ値2本の並列)=6÷2=3Ω
  • ② それと3Ωの直列=3+3=6Ω(下の経路の合計)
  • ③ 下の経路6Ωと上の3Ωの並列=6×3÷(6+3)=18÷9=2Ω

答えはロ(2Ω)。公式の解答もロです。

検算1(一番小さい抵抗との比較):最後の並列は6Ωと3Ωなので、答えは3Ωより小さいはず。2Ωは条件を満たします。

検算2(電流で確かめる):a-b間に6Vをかけると、上の3Ωに2A、下の経路(合計6Ω)に1A、合わせて3Aが流れます。6V÷3A=2Ωで一致します。

例題3:合成抵抗から電流を出す(令和4年度下期(午前)問1)

図のような直流回路に流れる電流I[A]は。
イ.1 ロ.2 ハ.4 ニ.8
出典:令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験(午前) 問1(一般財団法人電気技術者試験センター)

図は公式の問題PDF(令和4年度下期・午前)の問1です。はしご形の回路です。

区間つながっているもの
電源16Vの電池。電流Iは電池から上の線へ流れ出る向き
上の線電池 → 2Ω → 点A → 2Ω → 点B
点A → 下の線4Ω
点B → 下の線4Ωが2本(並列)

解き方:電源から一番遠いところからまとめます。

  • ① 点Bの4Ωと4Ωの並列=2Ω
  • ② それと手前の2Ωの直列=2+2=4Ω
  • ③ それと点Aの4Ωの並列=2Ω
  • ④ それと電源側の2Ωの直列=2+2=4Ω(回路全体の合成抵抗)

電流はオームの法則で I=16÷4=4A → 答えはハ(4A)。公式の解答もハです。

検算1(各点の電圧):電源側の2Ωに4A流れるので点Aの電圧は16-2×4=8V。点Aの4Ωには8÷4=2A、残りの2Aが奥へ進み、点Bの電圧は8-2×2=4V。点Bの4Ω2本には1Aずつ流れ、合計2Aで電流の出入りがつり合います。

検算2(電力で確かめる):電池が出す電力は16V×4A=64W。抵抗で消費する電力の合計は、2Ω×4²+4Ω×2²+2Ω×2²+4Ω×1²×2本=32+16+8+8=64Wで一致します。

抵抗を求める計算式(オームの法則・電力・電線の抵抗)

合成抵抗の前提になる「1本の抵抗の値」を求める式もよく問われます。上の集計と同じ13回分では、問2はすべて電線の抵抗や抵抗を表す式を扱う問題でした(電線の長さ・太さと抵抗の関係、抵抗を表す式の選択など。うち2回は「ビニル絶縁電線(単線)の抵抗又は許容電流」を問う問題)。

分かっている値抵抗を求める式例(自作の数値)
電圧Vと電流IR=V÷I100V・4A → 25Ω
電圧Vと電力PR=V²÷P100V・400W → 25Ω
電力Pと電流IR=P÷I²400W・4A → 25Ω
抵抗率ρ・長さL・断面積AR=ρ×L÷A長さ2倍・直径2倍(断面積4倍)→ 抵抗は1/2倍

3つの式で同じ25Ωになるのは、P=V×Iとオームの法則V=R×Iが同じ関係を別の形で書いたものだからです。どれか1つで出した答えを、別の式に入れて確かめられます。電線の抵抗は断面積に反比例し、断面積は直径の2乗に比例するので、「直径が2倍なら抵抗は1/4」と覚えておくと比の問題が速く解けます。

この論点の問題を解く:

ブリッジ回路の合成抵抗(平衡しているとき)

4本の抵抗をひし形に組み、向かい合う2つの点のあいだにもう1本の抵抗(橋)をかけた形をブリッジ回路といいます。橋の両端の電位が等しいとき(平衡)は、橋に電流が流れないので、橋を取り去って計算できます。平衡の条件は「向かい合う辺の抵抗の積が等しい」ことです。

自作の例:上の経路が2Ω→4Ω、下の経路が3Ω→6Ω、2つの経路の途中の点どうしを5Ωでつないだ回路。

  • 平衡の確認:2×6=12、4×3=12で等しいので平衡。5Ωには電流が流れない
  • 5Ωを取り去ると、(2+4)Ωと(3+6)Ωの並列:6×9÷(6+9)=54÷15=3.6Ω

検算:5Ωを残したまま各点の電位を連立方程式で解いても、合成抵抗は3.6Ωになります。一方、下の6Ωを3Ωに変えて平衡を崩すと、同じ方法で約2.97Ωとなり、取り去る方法は使えなくなります。平衡していないブリッジは、各点の電位や閉路の電流を未知数にした連立方程式(キルヒホッフの法則)で解きます。

計算ツールを使う前に:検算の型と見直しのポイント

合成抵抗の計算ツールは答え合わせには便利ですが、試験会場では使えません。手で解いた答えを確かめる型を3つ持っておくと、見直しの時間が短くなります。

  • 大小の確認:直列の答えは一番大きい抵抗より大きい。並列の答えは一番小さい抵抗より小さい
  • 電流で確かめる:都合のよい電圧(割り切れる値)をかけたと考え、各経路の電流を足して、電圧÷電流が合成抵抗と一致するか見る
  • 電力で確かめる:電源の出す電力(V×I)と、各抵抗の消費電力(I²R)の合計が一致するか見る

選択肢には、よくある間違いをしたときの値が含まれていることがあります(例題1の7.5Ωのように)。自分の答えが選択肢にあっても、上の型で一度確かめてからマークしましょう。

直列・並列の置き換えは、第三種電気主任技術者(電験三種)の理論科目でもそのまま使います。電源が2つある回路のように置き換えだけでは解けない回路も、電験三種では出題されています(令和6年度下期 理論 問6など)。

合成抵抗の問題を続けて解く

ここまでの手順は、第二種電気工事士の「電気の基礎理論」の問題で繰り返し使います。キルヒホッフの電圧の法則を使う直列回路の問題で、電圧の分かれ方も確かめておきましょう。電圧降下の計算は電圧降下の計算式で、基礎理論の全体像は第二種電工 電気の基礎理論 攻略法で確認できます。

よくある質問

Q和分の積は3本以上の並列にも使えますか?

和分の積(R1×R2÷(R1+R2))は2本の並列にだけ使える式です。3本以上のときは、2本ずつ順に和分の積でまとめるか、逆数の和(1/R=1/R1+1/R2+1/R3)で一度に計算します。例えば4Ω・6Ω・12Ωの並列は、4Ωと6Ωで2.4Ω、2.4Ωと12Ωで2Ωとなり、逆数の和の計算と一致します。

Q並列につなぐと合成抵抗が小さくなるのはなぜですか?

並列は電流の通り道が増えるつなぎ方だからです。同じ電圧をかけたとき、各抵抗に流れる電流の合計が全体の電流になるので、全体としては電流が流れやすく(抵抗が小さく)なります。そのため並列の合成抵抗は、つないだ抵抗のうち一番小さい値よりも必ず小さくなります。答えが一番小さい抵抗より大きくなったら、計算のどこかが誤っています。

Q同じ抵抗を4本並列にすると合成抵抗はいくつですか?

同じ値Rの抵抗をn本並列にすると、合成抵抗はR÷nです。8Ωを4本並列にすると8÷4=2Ωです。逆数の和で計算しても1/8×4=1/2なので2Ωになります。

Q第二種電気工事士の試験で電卓は使えますか?

使えません。電気技術者試験センターが公表した筆記・学科試験の問題用紙(令和4年度上期〜令和8年度上期の13回分)の注意事項には、令和7年度下期までの12回分に「電卓(電子式卓上計算機),スマートフォン,携帯電話及び電卓機能・通信機能のある時計等は,使用できません。」、令和8年度上期に「電卓,携帯電話,スマートフォン,スマートウォッチ(電卓機能・通信機能のある時計),イヤホン,パソコン,電子辞書,IC レコーダー等は,使用できません。」と書かれています。合成抵抗は、分数のまま計算する・同じ値の並列はR÷nにする、といった手計算の型で解けるように出題されています。

この資格の問題を解く第二種電工 学科 分野別問題集
解いてみる

法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

合格ナビ 編集長・運営者

第二種電工の出題範囲・法令・公式の統計を参照して書いています。プロフィール・編集方針