安全衛生管理体制を、事業場の体制と建設現場の体制の2つの図で整理。総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医・元方安全衛生管理者の違い、元方の資格と不要な場合、規模別の選任基準を条文で確認します。
目次
結論:安全衛生管理体制は、事業場ごとに置く体制(総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医・推進者・委員会)と、建設業・造船業の現場に置く体制(統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・店社安全衛生管理者・安全衛生責任者)の2系統です。どちらも事業者に選任・設置の義務があり、総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医・統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・安全衛生責任者の選任や安全委員会・衛生委員会の設置の義務の違反には、50万円以下の罰金が定められています(労働安全衛生法第120条第1号)。条文に「安全衛生管理者」という役職はなく、「第一種」は衛生管理者免許の区分です。
この記事の条文は、e-Gov 法令検索の労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則・労働基準法施行規則です(2026-10-04 時点の現行条文)。合格ナビの衛生管理者の論点別問題374問のうち、関係法令(有害業務以外)80問中27問が「安全衛生管理体制」の問題で、問題文・選択肢に産業医が出てくる問題は31問、総括安全衛生管理者は6問です。元方安全衛生管理者・統括安全衛生責任者・店社安全衛生管理者・安全衛生責任者を扱う問題はありません(2026-10-04 集計。当サイトの自作問題の数で、本試験の出題数ではありません)。
安全衛生管理体制の全体図:事業場の体制と建設現場の体制は別
体制には、「事業場」を単位とするものと、「建設現場など請負が混在する一の場所」を単位とするものがあります。どちらも図にすると次のとおりです(表で表した図です)。
図1:事業場の体制(労働安全衛生法第10条〜第19条)
| 層 | 役職・組織 | 担当 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 義務を負う者 | 事業者 | 下の役職の選任・組織の設置 | 第10条〜第19条 |
| 統括 | 総括安全衛生管理者 | 安全管理者・衛生管理者などを指揮し、危険・健康障害の防止、教育、健康診断などの業務を統括管理する | 第10条 |
| 技術的事項 | 安全管理者 | 安全に係る技術的事項の管理 | 第11条 |
| 技術的事項 | 衛生管理者 | 衛生に係る技術的事項の管理 | 第12条 |
| 健康管理 | 産業医 | 医師。労働者の健康管理等 | 第13条 |
| 小規模の事業場 | 安全衛生推進者・衛生推進者 | 常時10人以上50人未満の事業場で業務を担当 | 第12条の2 |
| 調査審議 | 安全委員会・衛生委員会(安全衛生委員会) | 事業者への意見。議長は第一号の委員 | 第17条〜第19条 |
総括安全衛生管理者は、安全管理者・衛生管理者などの上に立つ役職です。条文は、総括安全衛生管理者に「安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせる」と定めています(第10条第1項)。
図2:建設現場など請負が混在する場所の体制(第15条〜第16条)
| 層 | 役職 | 選任する者 | 担当 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 現場の統括 | 統括安全衛生責任者 | 特定元方事業者(建設業・造船業) | 元方安全衛生管理者を指揮し、作業が同一の場所で行われることによる労働災害の防止の事項を統括管理 | 第15条 |
| 現場の技術的事項 | 元方安全衛生管理者 | 統括安全衛生責任者を選任した事業者(建設業など) | 統括管理する事項のうち技術的事項を管理 | 第15条の2 |
| 店社(本支店)単位 | 店社安全衛生管理者 | 建設業の元方事業者 | 統括安全衛生責任者の選任が不要な一定規模の場所を、店社の側で管理 | 第15条の3 |
| 請負人側 | 安全衛生責任者 | 統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人 | 統括安全衛生責任者との連絡など | 第16条 |
図1の役職と図2の役職は、選任の単位も法律上の根拠も別です。総括安全衛生管理者の詳しい条文は総括安全衛生管理者の記事にまとめています。
- 業種と人数から安全衛生管理体制を判断する問題(関係法令 問36)
- 安全委員会・安全衛生委員会の設置と議長の問題(関係法令 問12)
- 衛生委員会の運営(関係法令 問64)
- 事業場単位で体制を判断する問題(関係法令 問76)
役職ごとの選任基準の早見表(施行令・施行規則)
事業場の体制の基準を、条文の区分どおりに並べます。「常時使用する労働者」の人数は、会社全体ではなく事業場ごとに数えます。
| 役職・組織 | 根拠 | 基準 |
|---|---|---|
| 総括安全衛生管理者 | 法第10条・令第2条 | 林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業は100人以上。製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品卸売業・家具建具じゆう器等卸売業・各種商品小売業・家具建具じゆう器小売業・燃料小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業は300人以上。その他の業種は1,000人以上 |
| 安全管理者 | 法第11条・令第3条 | 令第2条第1号・第2号の業種で、常時50人以上 |
| 衛生管理者 | 法第12条・令第4条 | 全業種で、常時50人以上 |
| 産業医 | 法第13条・令第5条 | 常時50人以上 |
| 安全衛生推進者・衛生推進者 | 法第12条の2・労働安全衛生規則第12条の2 | 常時10人以上50人未満。令第2条第1号・第2号の業種は安全衛生推進者、それ以外の業種は衛生推進者 |
| 安全委員会 | 法第17条・令第8条 | 林業・鉱業・建設業・木材・木製品製造業・化学工業・鉄鋼業・金属製品製造業・輸送用機械器具製造業・道路貨物運送業・港湾運送業・自動車整備業・機械修理業・清掃業は50人以上。令第2条第1号・第2号の業種のうちそれ以外は100人以上 |
| 衛生委員会 | 法第18条・令第9条 | 常時50人以上 |
| 安全衛生委員会 | 法第19条 | 安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならないとき、それぞれの設置に代えて設置できる |
選任・設置の基準:総括安全衛生管理者は林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業で100人以上、製造業などで300人以上、その他の業種で1,000人以上(令第2条)。安全管理者は令第2条第1号・第2号の業種で50人以上(令第3条)。衛生管理者・産業医・衛生委員会は50人以上(令第4条・第5条・第9条)。推進者は10人以上50人未満(労働安全衛生規則第12条の2)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則。
事業場の規模別に何を置くか:人数が増えると加わる役職
人数が増えると、置く役職や条件が積み上がります。条文どおりに並べると次のとおりです。
| 常時使用する労働者数 | この人数から加わるもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 10人以上50人未満 | 安全衛生推進者(令第2条第1号・第2号の業種)または衛生推進者(その他の業種) | 法第12条の2・労働安全衛生規則第12条の2 |
| 50人以上 | 衛生管理者(200人以下は1人)・産業医・衛生委員会。令第2条第1号・第2号の業種は安全管理者も。令第8条第1号の業種は安全委員会も | 令第3条〜第5条・第8条・第9条、労働安全衛生規則第7条 |
| 100人以上 | 林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業は総括安全衛生管理者。令第8条第2号の業種は安全委員会 | 令第2条第1号・第8条第2号 |
| 200人を超える | 衛生管理者は2人以上(500人以下) | 労働安全衛生規則第7条第1項第4号 |
| 300人以上 | 製造業などの令第2条第2号の業種は総括安全衛生管理者 | 令第2条第2号 |
| 500人を超える | 衛生管理者は3人以上(1,000人以下)。坑内労働または労基則第18条各号の業務に常時30人以上なら専任の衛生管理者。産業医は、事業場の人数とは別に、有害業務(深夜業を含む業務など)に常時500人以上を従事させるときに専属 | 労働安全衛生規則第7条第1項第4号・第5号ロ、第13条第1項第3号 |
| 1,000人以上 | その他の業種も総括安全衛生管理者。産業医は専属 | 令第2条第3号、労働安全衛生規則第13条第1項第3号 |
| 1,000人を超える | 衛生管理者は4人以上、そのうち少なくとも1人は専任 | 労働安全衛生規則第7条第1項第4号・第5号イ |
| 3,000人を超える | 産業医は2人以上。衛生管理者は6人以上 | 労働安全衛生規則第13条第1項第4号、第7条第1項第4号 |
「以上」と「を超える」を使い分けている点に注意してください。産業医の専属は「常時千人以上」、衛生管理者の専任は「常時千人を超える」です。50人の境目で衛生推進者から衛生管理者に切り替わる点と、それぞれになれる人の要件の違いは衛生管理者と衛生推進者の違いで比べています。
衛生管理者の人数・専任と産業医の専属:衛生管理者は50人以上200人以下で1人、200人を超え500人以下で2人、500人を超え1,000人以下で3人、1,000人を超え2,000人以下で4人、2,000人を超え3,000人以下で5人、3,000人を超える場合は6人。専任は、常時1,000人を超える事業場など(労働安全衛生規則第7条第1項第4号・第5号)。産業医の専属は、常時1,000人以上、または有害業務に常時500人以上の事業場(労働安全衛生規則第13条第1項第3号)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則。
衛生管理者の専任は、坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号に掲げる業務に常時30人以上を従事させる、常時500人を超える事業場にも求められます(労働安全衛生規則第7条第1項第5号ロ)。労働基準法施行規則第18条の各号には、高熱・低温・有害放射線・粉じん・異常気圧・振動・重激な業務・強烈な騒音・有害物のガスや粉じんなどが挙げられていますが、深夜業は列挙されていません。産業医の専属の対象業務(労働安全衛生規則第13条第1項第3号)には「深夜業を含む業務」が入っているので、2つの対象業務を混同しないよう注意が必要です。
規模と業種から体制を判断する例(当サイトの例)
- 金融業の事業場75人:衛生管理者1人・産業医・衛生委員会が必要です(50人以上)。安全管理者は令第2条第1号・第2号の業種だけなので不要、安全委員会も不要、総括安全衛生管理者は1,000人以上なので不要です
- 金属製品製造業の事業場350人:総括安全衛生管理者(製造業は300人以上)、安全管理者、安全委員会(金属製品製造業は50人以上)、衛生管理者2人(201人〜500人)、産業医、衛生委員会が必要です
- 建設業の事業場120人:総括安全衛生管理者(建設業は100人以上)、安全管理者、安全委員会(建設業は50人以上)、衛生管理者1人(200人以下)、産業医、衛生委員会が必要です
- 1,200人の事業場の衛生管理者の人数・専任の問題(関係法令 問11)(2人以上を選任する場合、そのうち労働衛生コンサルタント1人は専属でなくてよい定めがあります。労働安全衛生規則第7条第1項第2号ただし書)
- 衛生管理者の専任要件の人数の問題(関係法令 問62)
- 総括安全衛生管理者の選任義務の問題(関係法令 問7)
- 安全衛生推進者・衛生推進者の問題(関係法令 問8)
- 産業医の選任人数・専属要件の問題(関係法令 問26)
安全管理者と衛生管理者の違い:「安全衛生管理者」「第一種」の誤解
検索では「安全衛生管理者」「安全衛生管理者 一種」「安全衛生管理者 第一種」という言葉が見つかりますが、条文にこの名称の役職はありません。労働安全衛生法・施行令・施行規則の全条文を検索すると、「安全衛生管理者」は「総括安全衛生管理者」「元方安全衛生管理者」「店社安全衛生管理者」の形でしか出てきません(2026-10-04 時点。「統括安全衛生管理者」も条文にありません)。
| 言い方 | 実際の役職・資格 | 根拠 |
|---|---|---|
| 安全衛生管理者 | 条文にはない。安全は「安全管理者」、衛生は「衛生管理者」 | 法第11条・第12条 |
| 第一種 | 衛生管理者免許の区分(第一種・第二種・衛生工学)。安全管理者に「第一種」はない | 労働安全衛生規則第7条第1項第3号 |
| 資格が要る役職 | 安全管理者・衛生管理者・元方安全衛生管理者・店社安全衛生管理者 | 労働安全衛生規則第5条・第7条・第10条・第18条の4・第18条の7 |
| 資格が要らない役職 | 総括安全衛生管理者・統括安全衛生責任者(その事業場・場所の事業の実施を統括管理する者を充てる) | 法第10条第2項・第15条第2項 |
衛生管理者免許の区分は、事業場の業種で決まります。農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業では、第一種衛生管理者免許(または衛生工学衛生管理者免許)を有する者などから選任します。その他の業種は第二種免許でも選任できます(労働安全衛生規則第7条第1項第3号)。第一種と第二種の選び方は衛生管理者 第一種と第二種の記事で説明しています。
安全管理者の資格は、衛生管理者とは別の条文です(労働安全衛生規則第5条)。大学・高等専門学校の理科系統の正規の課程を卒業して2年以上、または高校・中等教育学校の理科系統の正規の学科を卒業して4年以上、産業安全の実務に従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した人のほか、労働安全コンサルタントなどが資格に当たります。衛生管理者の資格は、免許を受けた人のほか、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなどです(労働安全衛生規則第10条)。
元方安全衛生管理者と統括安全衛生責任者の違い(建設業・造船業)
元方安全衛生管理者と統括安全衛生責任者は、元請と下請が同じ場所で働く現場で、役割が分かれた2つの役職です。
| 項目 | 統括安全衛生責任者 | 元方安全衛生管理者 |
|---|---|---|
| 根拠 | 労働安全衛生法第15条 | 労働安全衛生法第15条の2 |
| 選任する者 | 特定元方事業者(建設業・造船業) | 統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業などを行うもの |
| 誰を充てるか | その場所で事業の実施を統括管理する者(資格要件の定めなし) | 資格を有する者(労働安全衛生規則第18条の4)で、その事業場に専属の者(労働安全衛生規則第18条の3) |
| 役割 | 元方安全衛生管理者を指揮し、第30条第1項各号の事項を統括管理 | 第30条第1項各号の事項のうち技術的事項を管理 |
| 人数の基準 | その場所の作業従事者が常時50人以上(ずい道等の建設などは30人以上) | 統括安全衛生責任者の選任と連動 |
「統括」は現場全体の責任者、「元方」はその指揮を受けて技術的事項を管理する役職、と覚えると整理しやすくなります。元方安全衛生管理者を選任した事業者は、その人に、作業従事者の作業が同一の場所で行われることによる労働災害を防止するため必要な措置をなし得る権限を与えなければなりません(労働安全衛生規則第18条の5)。
統括安全衛生責任者の選任基準:作業従事者の数が、ずい道等の建設の仕事・一定の橋梁の建設の仕事・圧気工法による作業を行う仕事では常時30人以上、それ以外の仕事では常時50人以上のとき選任(令第7条第2項)。造船業も特定事業(令第7条第1項)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生法施行令。
元方安全衛生管理者の資格と、不要になる場合
元方安全衛生管理者の資格(労働安全衛生規則第18条の4)
資格は次のいずれかです。
- 大学または高等専門学校の理科系統の正規の課程を卒業した人で、その後3年以上、建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験がある人
- 高等学校または中等教育学校の理科系統の正規の学科を卒業した人で、その後5年以上、同じ実務に従事した経験がある人
- 上記のほか、厚生労働大臣が定める人
元方安全衛生管理者の資格:大学・高専の理科系統卒で建設工事の安全衛生の実務3年以上、高校・中等教育学校の理科系統卒で同5年以上、またはそのほか厚生労働大臣が定める者(労働安全衛生規則第18条の4)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則。
元方安全衛生管理者が不要になる場合
元方安全衛生管理者の選任義務は、統括安全衛生責任者を選任した事業者が対象です(法第15条の2)。そのため、統括安全衛生責任者を選任する必要がない場所は、元方安全衛生管理者も選任の対象になりません。建設現場の例(当サイトの例)で、条文を当てはめると次のようになります。
| 現場の例 | 統括安全衛生責任者 | 元方安全衛生管理者 | 店社安全衛生管理者 |
|---|---|---|---|
| 建設業・一般の建設仕事で作業従事者が常時60人 | 必要(50人以上) | 必要 | 統括を選任する場所なので対象外 |
| 建設業・ずい道等の建設で常時35人 | 必要(30人以上) | 必要 | 統括を選任する場所なので対象外 |
| 建設業・鉄骨造の建築物の建設で常時40人 | 不要(50人未満) | 不要 | 必要(常時20人以上・労働安全衛生規則第18条の6) |
| 建設業・ずい道等の建設で常時25人 | 不要(30人未満) | 不要 | 必要(常時20人以上・労働安全衛生規則第18条の6) |
| 建設業・その他の仕事で常時40人 | 不要(50人未満) | 不要 | 不要(常時50人未満) |
| 製造業の工場構内で請負が混在 | 対象外(特定事業ではない) | 対象外 | 対象外 |
製造業は特定事業(建設業・造船業)に含まれないので、統括安全衛生責任者の選任の対象になりません。ただし、製造業などの元方事業者には、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置などを講じる義務が別に定められています(労働安全衛生法第30条の2)。
店社安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任する場所を除いた、一定規模の建設現場を店社の側で管理する役職です(法第15条の3)。資格は、大学・高専卒で建設工事の安全衛生の実務3年以上、高校卒で5年以上、実務8年以上のいずれかなどで(労働安全衛生規則第18条の7)、少なくとも毎月1回、作業が行われる場所を巡視することが職務の1つです(労働安全衛生規則第18条の8)。
店社安全衛生管理者の選任に係る作業従事者数:ずい道等の建設などの仕事と、主要構造部が鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建設の仕事は常時20人、それ以外の仕事は常時50人(労働安全衛生規則第18条の6第1項)。ただし、統括安全衛生責任者を選任しなければならない場所は除く(労働安全衛生法第15条の3)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則。
請負人側の連絡役は、安全衛生責任者です(法第16条)。職務は、統括安全衛生責任者との連絡、統括安全衛生責任者から連絡を受けた事項の関係者への連絡などです(労働安全衛生規則第19条)。これらの建設現場の役職は、当サイトの衛生管理者の問題には含まれていません。
条文の読み方と、選任義務に違反した場合
事業者が負う選任義務の違反は、50万円以下の罰金の対象です。労働安全衛生法第120条第1号には、総括安全衛生管理者(第10条第1項)、安全管理者(第11条第1項)、衛生管理者(第12条第1項)、産業医(第13条第1項)、統括安全衛生責任者(第15条第1項・第3項・第4項)、元方安全衛生管理者(第15条の2第1項)、安全衛生責任者(第16条第1項)、安全委員会(第17条第1項)、衛生委員会(第18条第1項)が並んでいます。違反行為をした人のほか、法人にも罰金刑が科されます(第122条)。
選任の期限は、総括・安全管理者・衛生管理者・産業医・推進者のいずれも、選任すべき事由が発生した日から14日以内です(労働安全衛生規則第2条・第4条・第7条・第12条の3・第13条)。衛生管理者の選任の手続きは衛生管理者 合格後の選任手続きの記事、労働安全衛生法の全体像は労働安全衛生法をわかりやすく解説した記事にまとめています。
まとめ
- 体制は2系統です。事業場の体制は図1、建設・造船の現場の体制は図2です
- 規模が増えると、50人で衛生管理者・産業医・衛生委員会、100人または300人または1,000人で総括安全衛生管理者、1,000人で産業医の専属などが加わります
- 条文に「安全衛生管理者」という役職はありません。「第一種」は衛生管理者免許の区分です
- 元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任した事業者が選任します。資格は労働安全衛生規則第18条の4で、専属の者です
- 統括安全衛生責任者の選任が不要な規模の現場は、元方安全衛生管理者も不要です
よくある質問
Q「安全衛生管理者」という資格や役職はありますか?
労働安全衛生法・同法施行令・同法施行規則の全条文を検索した結果(2026年10月4日)、「安全衛生管理者」という名称の役職は見つかりませんでした。条文に出てくるのは「総括安全衛生管理者」「元方安全衛生管理者」「店社安全衛生管理者」の3つで、いずれも前に言葉が付いた別の役職です。安全に係る技術的事項を管理するのは「安全管理者」(第11条)、衛生に係る技術的事項を管理するのは「衛生管理者」(第12条)です。
Q元方安全衛生管理者が不要になるのはどんなときですか?
元方安全衛生管理者の選任義務は、統括安全衛生責任者を選任した事業者が対象です(労働安全衛生法第15条の2)。そのため、統括安全衛生責任者を選任する必要がない場所(作業従事者が、ずい道等の建設などで常時30人未満、それ以外の仕事で常時50人未満の建設現場)や、特定事業(建設業・造船業)ではない製造業などの工場は、元方安全衛生管理者の選任の対象になりません。
Q元方安全衛生管理者になるには免許や講習が必要ですか?
労働安全衛生規則第18条の4は、大学・高等専門学校の理科系統の正規の課程を卒業して3年以上、または高校・中等教育学校の理科系統の正規の学科を卒業して5年以上、建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験がある人などを資格としています。条文に免許や講習修了の要件は書かれていませんが、「厚生労働大臣が定める者」の中身は告示で決まるため、この記事では扱っていません。
Q衛生管理者の専任と産業医の専属は、同じ人数から必要になりますか?
境目の書き方が違います。衛生管理者の専任は「常時千人を超える」事業場(労働安全衛生規則第7条第1項第5号イ)、産業医の専属は「常時千人以上」の事業場です(同労働安全衛生規則第13条第1項第3号)。ちょうど1,000人の事業場は、産業医は専属ですが、衛生管理者は専任の対象になりません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

