宅建士は多すぎ?と調べる前に、人数を令和7年度末のRETIO統計で確認。資格登録者124万人・宅建士証の交付者59万人・就業者36.5万人の違い、「5人に1人」の2つの根拠、人口比、10年の推移、登録者の年齢構成を、公表値と条文で整理します。
目次
結論:宅建士の人数は、何を数えるかで変わります。RETIO(不動産適正取引推進機構)の統計では、令和8年3月31日現在、資格登録者は1,243,738人、宅建士証の交付者は590,086人、宅建士証の交付を受けて宅建業に従事している就業者は365,008人です。宅建業法は、宅建士を「宅地建物取引士証の交付を受けた者」と定めているので、法律上の宅建士は、登録者のうち証の交付を受けた人です。「多すぎる」と言えるかどうかの基準は、この記事で参照したRETIOと国土交通省の資料には書かれていません。
この記事は、「多すぎる」「少ない」といった評価をしません。公式に公表されている数字と、宅建業法の条文で確かめられることだけを並べます。年収・求人・就職の話もしません。
宅建士は何人いるのか:令和7年度末の公表値
RETIOは、宅建システムのデータベースから、毎年度末の宅建業者と宅建士の統計を公表しています。令和7年度末(令和8年3月31日現在)の値を、数え方ごとに並べると次のとおりです。
| 数え方 | 人数 | 前年度末からの増減 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 宅建士の資格登録者 | 1,243,738人 | 31,978人増(2.6%) | RETIO 宅建士の統計概要 |
| 宅建士証の交付者 | 590,086人 | 12,686人増(2.2%) | 同上 |
| 就業者(証の交付を受け、かつ宅建業に従事している者) | 365,008人 | 7,651人増(2.1%) | 同上 |
| 専任の宅建士(宅建業者の事務所等に置かれている数) | 239,933人 | 5,191人増(2.2%) | RETIO 宅建業者の統計概要 |
| (参考)宅建業者の従事者数 | 642,798人 | 14,494人増(2.3%) | 同上 |
| (参考)宅建業者数 | 133,727業者 | 1,603業者増(1.2%) | 同上 |
宅建士の人数・令和7年度末:資格登録者1,243,738人、宅建士証の交付者590,086人、就業者365,008人(いずれも令和8年3月31日現在)。最終確認日:2026-10-04。出典:RETIO 令和7年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計(宅地建物取引士の概要)。
宅建業者数・従事者数・専任の宅建士数・令和7年度末:業者数133,727業者、従事者数642,798人、専任の宅建士239,933人(令和8年3月31日現在)。最終確認日:2026-10-04。出典:RETIO 令和7年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計(宅建業者の概要)。
RETIOの統計の一覧はRETIO 統計概要のページにあります(確認時点の更新日は2026年6月1日)。数字は毎年度末に更新されるので、受験する年に使うときは、最新の資料で確かめてください。
登録者・証交付者・就業者・専任の違い
上の表の4つは、数えている対象が違います。
| 呼び方 | 数えているもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 資格登録者 | 試験に合格し、実務経験などの要件を満たして、都道府県知事の資格登録を受けた人 | 宅建業法18条1項 |
| 証交付者 | 資格登録を受けた人のうち、宅建士証の交付を受けた人。有効期間は5年 | 宅建業法22条の2第1項・3項 |
| 就業者 | 証の交付を受け、かつ、宅建業に従事している人 | RETIOの統計の注記 |
| 専任の宅建士 | 宅建業者が事務所等ごとに置く、成年者である専任の宅建士の数 | 宅建業法31条の3第1項 |
宅建業法2条4号は、「宅地建物取引士」を「第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう」と定めています(e-Gov 法令検索の2026-10-04時点の現行条文。宅地建物取引業法)。つまり、試験に合格しただけの人も、登録をしただけで証の交付を受けていない人も、法律上の「宅建士」ではありません。
合格者数とは、また別の数字
宅建試験の合格者数は、その年の試験に受かった人の数です。令和7年度は、受験者245,462人のうち合格者が45,821人でした。合格者が登録まで進むには、宅地建物の取引に関する実務経験(国土交通省令で定める期間以上)か、それと同等以上の能力があると国土交通大臣が認めることが要ります(18条1項)。そのため、同じ年度の合格者数と新規登録者数は一致しません。手続の流れは宅建に合格したらで解説しています。
専任の宅建士239,933人と、就業者365,008人は、別の集計です。RETIOの資料は、この2つの包含関係を示していないので、「就業者のうち専任の人数」とは読めません。
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人口で割ると何人に1人か
「宅建士は何人に1人」という検索には、人口で割った答えが要る場合があります。総務省統計局の人口推計では、2026年4月1日現在(令和2年国勢調査を基準とする確定値)の総人口は1億2283万8千人です(総務省統計局 人口推計)。RETIOの統計の基準日(2026年3月31日)とは1日違いますが、これで割ると次のとおりです(当サイトの計算で、四捨五入しています)。
| 数え方 | 人数 | 総人口に対する割合 | 何人に1人か |
|---|---|---|---|
| 資格登録者 | 1,243,738人 | 約1.01% | 約99人に1人 |
| 宅建士証の交付者 | 590,086人 | 約0.48% | 約208人に1人 |
| 就業者 | 365,008人 | 約0.30% | 約337人に1人 |
0歳の人や、宅建士になれない人も分母に含まれる単純な割り算です。「国民の何人に1人が宅建士か」の目安にはなりますが、働いている人の割合を意味する数字ではありません。
「5人に1人」と言われる2つの根拠と、人口比では当てはまらないこと
「宅建士は5人に1人」という言い方で、数字で確かめられる意味は2つあります。人口の5人に1人が宅建士、という意味では当てはまりません(上の人口比で、登録者でも約99人に1人)。
| 意味 | 確かめられる数字 | 根拠 |
|---|---|---|
| ①事務所の従事者5人に専任の宅建士1人 | 従事者の数に対する専任の宅建士の割合が5分の1以上 | 宅建業法施行規則15条の5の3 |
| ②試験の合格率が5人に1人弱 | 令和7年度 18.7%(受験者245,462人・合格者45,821人) | RETIO 試験結果の概要 |
①事務所の従事者5人に専任の宅建士1人
宅建業法31条の3第1項は、宅建業者に、事務所等ごとに、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置くことを求めています。その数を定める施行規則15条の5の3は、事務所については、「当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する」専任の宅建士の「割合が五分の一以上となる数」と定めています(2026-10-04時点の現行条文。宅地建物取引業法施行規則)。事務所以外の案内所などの「場所」は、「一以上」です。
「専任」の意味や兼務・欠員時の扱いは専任の宅地建物取引士とはにまとめています。
「5分の1以上となる数」は、端数が出たら切り上げた人数が最低ラインです。当サイトで計算した例を示します。
| 事務所で業務に従事する人数 | 必要な専任の宅建士(最低) | 検算 |
|---|---|---|
| 4人 | 1人 | 1÷4=25% ≧ 20% |
| 10人 | 2人 | 2÷10=20%。1人では10%で足りない |
| 11人 | 3人 | 2人では2÷11=18.2%で足りず、3人で27.3% |
| 15人 | 3人 | 3÷15=20%。2人では13.3%で足りない |
業者の統計に出ている全体の数字を割ってみると、令和7年度末の専任の宅建士239,933人は、従事者642,798人の37.3%にあたります(当サイトの計算)。ただし、規則15条の5の3は事務所ごとに判定する決まりで、全体の合計から必要な人数を出せるものではありません。
宅建 令和7年度の合格率:18.7%(受験者245,462人・合格者45,821人)。最終確認日:2026-10-04。出典:RETIO 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要。
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宅建士の人数の推移
国土交通省の「宅地建物取引業法の施行状況調査」には、宅建士の登録者数の過去10年の推移があります。令和7年度は、RETIOの統計から続けて並べました(出典はこの表の下に記載)。
| 年度 | 新規登録者数 | 年度末の総登録者数 | 試験の合格者数 |
|---|---|---|---|
| 平成27年度 | 24,485人 | 982,411人 | 30,028人 |
| 平成28年度 | 23,201人 | 1,004,101人 | 30,589人 |
| 平成29年度 | 23,830人 | 1,024,974人 | 32,644人 |
| 平成30年度 | 25,717人 | 1,049,253人 | 33,360人 |
| 令和元年度 | 27,580人 | 1,074,015人 | 37,481人 |
| 令和2年度 | 26,602人 | 1,098,790人 | 34,338人 |
| 令和3年度 | 28,638人 | 1,126,261人 | 41,471人 |
| 令和4年度 | 29,491人 | 1,154,432人 | 38,525人 |
| 令和5年度 | 29,734人 | 1,182,150人 | 40,025人 |
| 令和6年度 | 30,336人 | 1,211,760人 | 44,992人 |
| 令和7年度 | (この資料には記載なし) | 1,243,738人 | 45,821人 |
出典:平成27年度〜令和6年度は国土交通省 令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(2025年10月3日公表)の表と参考資料。令和7年度はRETIOの統計概要と試験結果の概要。
読み取れるのは次の3点です。
- 総登録者数は、平成27年度末の982,411人から令和7年度末の1,243,738人へ、約1.27倍になった
- 登録者数は毎年度増えている。令和6年度は、年度の初めの1,182,150人に、新たな登録30,728人(うち登録移転392人)が加わり、登録の消除1,118人を引いた1,211,760人になった(国土交通省の資料の表から計算)
- 新規登録者数と、同じ年度の合格者数は一致しない。令和6年度は、新規登録者数30,336人に対し、試験の合格者数は44,992人
国土交通省の資料では、令和6年度末の宅建業者数は132,291業者で、11年連続の増加でした。RETIOの令和7年度末の統計では133,727業者で、12年連続の増加です。RETIOの令和7年度末の資料は、令和6年度末の業者数を132,124業者と記載していて、国土交通省の公表(132,291業者)とは数字が違います。RETIOの資料には「現行の宅建システムでは、年度をまたいでの遡及入力等を反映できるため、この冊子に掲げる令和6年度末の数は、前年度に刊行した統計資料に掲げる令和6年度末の数と一致しない場合があります」という注記があります。年度をまたいで比べるときは、同じ資料の中の数字どうしで比べてください。
登録者の人数と、働いている人数が違う理由
資格登録者の数は、就業者の数の約3.4倍あります。登録者には、宅建士証の交付を受けていない人や、高齢の人が多く含まれています。RETIOの統計にある年齢の数字を並べます。
| 項目 | 資格登録者 | 証交付者 | 就業者 |
|---|---|---|---|
| 人数 | 1,243,738人 | 590,086人 | 365,008人 |
| 平均年齢 | 61.2歳 | 51.6歳 | 50.0歳 |
| 70歳以上の人数(割合) | 440,944人(35.5%) | 72,852人(12.3%) | 37,992人(10.4%) |
| 女性の割合 | 27.0% | 28.9% | 27.3% |
出典:RETIO 令和7年度末 宅地建物取引士の統計概要(別表2-1・2-2・2-3)。2026-10-04 時点。
登録者の35.5%は70歳以上で、平均年齢は61.2歳です。就業者の平均年齢は50.0歳で、50歳代が25.6%と最も多い年齢層です。資格登録者のうち宅建士証の交付を受けていない人は、1,243,738人−590,086人=653,652人で、登録者の約53%です。資格登録の要件(18条1項)に、いま宅建業に従事していることは含まれていません。登録者の人数が就業者より大きく見えるのは、この数え方の違いによるものです。
この記事では、人数の話を整理しました。宅建を取る価値の判断は宅建はやめとけ・意味ない?で、受験者と合格者の年齢は宅建の受験者の年齢で扱っています。
「宅建士が多すぎる」と言われるときに、公式の数字で確かめられること
「多すぎる」という言い方が、何を指しているのかは、人によって違います。公表されている数字で確かめられることと、確かめられないことを分けます。
確かめられること:
- 資格登録者数は、統計を開始した平成5年度以降、増加を続けている(RETIO)
- 就業者数は、平成16年度末から22年連続で増加している(RETIO)
- 宅建業者数は、令和7年度末まで12年連続で増加している(RETIO)
- 1業者あたりの平均従事者数は4.8人、平均の専任の宅建士数は1.8人。従事者5人未満の業者が112,449業者で、業者全体の84.1%を占める(RETIO)
- 事務所ごとに専任の宅建士を置く義務は、法律にある(宅建業法31条の3)
確かめられないこと:
- 宅建士の数が「適正」か「過剰」かの基準。この記事で参照したRETIO・国土交通省の資料には、そのような基準は書かれていません
- 宅建士の収入、求人の数、就職のしやすさ。これらは、この記事で参照した統計に載っていません
試験を受けるかどうかの判断は、人数の評価ではなく、自分が宅建士の資格で何をしたいか(宅建業者の事務所で働く、独占業務を担当する、ほかの資格と組み合わせるなど)で考えるのが確実です。宅建士にしかできない仕事は宅建の独占業務にまとめています。
合格してから宅建士になるまで
人数の数え方の違いは、手続の段階の違いでもあります。
- ①宅建試験に合格する(合格者数)
- ②実務経験などの要件を満たし、都道府県知事の資格登録を受ける(登録者数。宅建業法18条1項)
- ③登録を受けた人が宅建士証の交付を申請して交付を受ける(証交付者数。22条の2第1項。有効期間5年)
- ④宅建業に従事する(就業者数)
- ⑤宅建業者の事務所等に専任として置かれる(専任の宅建士の数。31条の3)
各段階の手続は、宅建に合格したらと宅建業の免許で確認できます。
まとめ
- 宅建士の人数は、令和8年3月31日現在、資格登録者1,243,738人・証交付者590,086人・就業者365,008人(RETIO)。法律上の宅建士は、宅建士証の交付を受けた者(宅建業法2条4号)
- 「何人に1人」を総人口で割ると、登録者で約99人に1人、証交付者で約208人に1人、就業者で約337人に1人(当サイトの計算)
- 「5人に1人」で数字の裏付けがある意味は、①事務所の従事者5人に専任の宅建士1人(施行規則15条の5の3)、②合格率18.7%の2つ。人口比では当てはまらない
- 登録者が多く見えるのは、宅建士証の交付を受けていない人が約53%、70歳以上が35.5%を占めるため。就業者の平均年齢は50.0歳
- 「多すぎる」かどうかの基準は、この記事で参照したRETIO・国土交通省の資料には書かれていない。数字から言えるのは、増加が続いていること
よくある質問
Q宅建士は日本に何人いますか?
数え方で変わります。不動産適正取引推進機構(RETIO)の令和7年度末(令和8年3月31日現在)の統計では、資格登録者が1,243,738人、宅建士証の交付者が590,086人、宅建士証の交付を受けて宅建業に従事している就業者が365,008人です。宅建業法2条4号は、宅建士を「宅地建物取引士証の交付を受けた者」と定めているので、法律上の宅建士にあたるのは、このうち証の交付を受けた人です。
Q「宅建士は5人に1人」とは、どういう意味ですか?
数字で確かめられる意味は2つあります。①宅建業法施行規則15条の5の3が定める、事務所で業務に従事する人5人に対して専任の宅建士が1人以上という割合。②宅建試験の合格率(令和7年度は18.7%で、5人に1人弱が合格)。日本の総人口に対する割合としては当てはまらず、人口比では、登録者でも約99人に1人です。どの意味で使われているかは、文脈で確かめてください。
Q宅建試験に合格した人は、全員が宅建士として数えられますか?
数えられません。合格者は、実務経験などの要件を満たして都道府県知事の資格登録を受け(宅建業法18条1項)、さらに宅建士証の交付を受けて(22条の2第1項)はじめて、法律上の宅建士になります。RETIOの統計でも、年度ごとの合格者数と新規登録者数は別の数字として公表されています。
Q宅建士の人数は増えていますか、減っていますか?
RETIOの統計では、資格登録者数は統計を開始した平成5年度以降増加を続けており、令和7年度末は前年度末より31,978人(2.6%)増えました。証交付者数は2.2%増、就業者数は2.1%増で、就業者数は平成16年度末から22年連続の増加です。この数字は現在までの公表値で、今後を示すものではありません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

