令和7年度(2025年度)行政書士試験を、センター公表の配点・結果・年代別人数と当サイトの出題集計で振り返ります。合格率14.54%、合格者平均197点、科目別の出題数と配点、「難しかった」の読み方、自己採点の方法まで。
目次
結論:令和7年度(2025年度)の行政書士試験は、受験者50,163人・合格者7,292人・合格率14.54%(前年度12.90%)でした。合格基準点は法令等122点・基礎知識24点・総合180点で、合格者の平均得点は197点です(いずれもセンター公表)。センターは問題の「難しさ」を評価していないため、本記事は公表された数字と、当サイトが公式の試験問題を数えた出題の内訳(分類は当サイト独自)だけで講評します。
この記事は「令和7年度の試験はどうだったか」を、公式資料だけで振り返ります。受験直後の感想や予備校の評価は使いません。理由は、感想は人によって正反対になりやすく、根拠の数字が付いていないことが多いからです。10年分の合格率推移と3条件の意味は 行政書士の難易度と合格率 に、科目ごとの学習の優先順位は 行政書士の科目別配点と学習の優先順位 にまとめています。
令和7年度の結果:受験者・合格者・合格率
| 項目 | 令和7年度 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|---|
| 受験申込者数 | 63,845人 | 59,832人 | 59,460人 |
| 受験者数 | 50,163人 | 47,785人 | 46,991人 |
| 合格者数 | 7,292人 | 6,165人 | 6,571人 |
| 合格率 | 14.54% | 12.90% | 13.98% |
令和7年度の試験結果:試験日は令和7年11月9日(日)、申込者63,845人・受験者50,163人・合格者7,292人・合格率14.54%・合格者平均得点197点。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度行政書士試験実施結果の概要。
前年度との差を、公表値から計算するとこうなります(計算は当サイト)。
- 受験申込者:59,832人から63,845人へ、4,013人増(6.71%増)
- 受験者:47,785人から50,163人へ、2,378人増(4.98%増)
- 合格者:6,165人から7,292人へ、1,127人増(18.28%増)
- 合格率:12.90%から14.54%へ、1.64ポイント上昇
- 受験率(受験者÷申込者):79.87%から78.57%へ(センター公表)
合格者数の増え方(18.28%増)は、受験者数の増え方(4.98%増)より大きくなっています。合格率が上がったのは、このためです。
「令和7年度は難しかった?」を数字で読む
「2025年の試験は難しかった」という感想は多く見かけますが、公表資料から言えるのは次の範囲までです。
- 合格率は前年度より高かった(14.54%と12.90%)。過去10年では、平成29年度の15.72%に次ぐ高さです(試験結果の推移の10年分から、当サイトが並べて確認)。
- 合格基準点は3条件とも公表されている(法令等122点・基礎知識24点・総合180点)。基準点そのものの高低で「難化・易化」を断定する材料は、センターの資料にはありません。
- 合格者の平均得点は197点で、総合の基準180点より17点高い値です。ただしこれは合格者だけの平均です。
「問題が易しかったから合格率が上がった」とも「難しかったのに合格者が増えた」とも、数字だけでは言えません。合格率は、受験者の準備の量や層によっても動くためです。本記事は難易度の評価をしません。自分の感触は、次の「自己採点」の節で、3条件に当てはめて確かめてください。
感想記事を読むときは、次の3点を確認すると判断を誤りにくくなります。
- 書き手の自己採点が、3条件(法令等・基礎知識・総合)のどれで語られているか
- 「難しい」の対象が、科目の中身なのか、時間配分なのか
- 数字が出ている場合、出典がセンターの公表資料か
配点と出題数の内訳(当サイトの分類で数える)
令和7年度の配点は、センターの合否判定基準で次のとおり公表されています。
| 試験科目 | 出題形式 | 出題数 | 満点 |
|---|---|---|---|
| 法令等 | 5肢択一式 | 40問 | 160点 |
| 法令等 | 多肢選択式 | 3問 | 24点 |
| 法令等 | 記述式 | 3問 | 60点 |
| 基礎知識 | 5肢択一式 | 14問 | 56点 |
| 合計 | 60問 | 300点 |
1問の配点は、5肢択一式が4点、多肢選択式が8点(空欄ア〜エ1つにつき2点)、記述式が20点です(出典:行政書士試験研究センター 令和7年度合否判定基準)。
次に、公式の試験問題(令和7年度試験問題)の題材を、当サイトが科目に分けて数えた結果です。センターは問題ごとの科目名を公表していないため、分類は当サイトの判断です。分類のルールは、題材で決めます。行政法には行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法・情報公開法・個人情報保護法を含めます。内閣総理大臣や法令の形式(政令・議院規則・最高裁判所規則など、憲法が定める法形式)は憲法に入れます。多肢選択式の問43は、在外国民の国民審査権の事件を題材にしていますが、問われているのは「公法上の法律関係に関する確認の訴え」(行政事件訴訟法の当事者訴訟)なので行政法に入れます。
| 科目(当サイト分類) | 択一 | 多肢 | 記述 | 配点の合計 | 300点に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 行政法 | 19問(問8〜26) | 2問(問42・43) | 1問(問44) | 112点 | 37.3% |
| 民法 | 9問(問27〜35) | 0問 | 2問(問45・46) | 76点 | 25.3% |
| 憲法 | 5問(問3〜7) | 1問(問41) | 0問 | 28点 | 9.3% |
| 商法・会社法 | 5問(問36〜40) | 0問 | 0問 | 20点 | 6.7% |
| 基礎法学 | 2問(問1・2) | 0問 | 0問 | 8点 | 2.7% |
| 基礎知識 | 14問(問47〜60) | 0問 | 0問 | 56点 | 18.7% |
法令等の合計は112+76+28+20+8=244点で、センター公表の244点と一致します。
注:公開PDFには問題1の本文がありません。法令等の択一40問のうち、他の科目に数えた38問(行政法19・民法9・憲法5・商法・会社法5)を除いた残り2問(問1・2)を基礎法学としており、本文を確認できるのは問2だけです(問1の科目は推定)。問題58〜60も公開PDFに含まれないため、基礎知識14問の内訳のうち確認できたのは問47〜57の11問です。
この分類では、行政法と民法で法令等の約77%(188点÷244点)、300点満点の約63%になります。科目の優先順位は 科目別配点と学習の優先順位 で詳しく扱います。
科目別に見た令和7年度の出題
ここからは、題材(論点の名前)だけを挙げます。問題文や選択肢は載せません。同じ論点の学習には、当サイトの論点別問題(当サイトが独自に作った問題で、公式の試験問題ではありません)をお使いください。
憲法:択一5問と、判決を題材にした多肢選択式1問
- 択一式の題材は、法の下の平等、取材・報道の自由、国会の召集、内閣総理大臣、法令の形式(問3〜7)
- 多肢選択式の問41は、最高裁判決の文章の空欄を埋める形式で、憲法13条に関わる人格的利益(不妊手術の強制)を題材にしていました
- 憲法の択一は5問で、行政法・民法に比べて出題数は少ない科目です
この論点の問題を解く(当サイトの論点別問題):
行政法:19問の択一に、多肢2問・記述1問
- 行政法総論・行政手続法・行政不服審査法:行政行為(処分)、行政罰、附款(問8〜10)、弁明の機会の付与、申請に対する処分(問11・13)、審査請求と再調査の請求の関係、教示(問14〜16)
- 行政事件訴訟法:抗告訴訟の対象、出訴期間、処分差止めの訴え(問17〜19)。記述式の問44は、裁決取消訴訟に関する出題でした
- 国家賠償法:問20・21(1条を含む)
- 地方自治:条例の適法性、知事と議会の関係、国・都道府県の関与(問22〜24)。多肢選択式の問42は、条例と国の法令との関係でした。多肢選択式の問43は、在外国民の国民審査権の事件を題材に、公法上の法律関係に関する確認の訴え(当事者訴訟)を問うものでした
- そのほか:個人情報保護委員会(問12)、建築に関わる紛争(問25)、情報公開法(問26)。情報公開法の開示請求と不開示情報は行政書士の情報公開法で条文ごとに整理しています
行政法は、1つの法律の知識だけでなく、複数の法律の関係(審査請求と訴訟の関係など)を横断して問われています。行政法の入口は 行政手続法をわかりやすく、行政不服審査法をわかりやすく、行政事件訴訟法の準用 にあります。
この論点の問題を解く:
- 行政不服審査法の教示制度(行政法 問52)
- 義務付け訴訟・差止め訴訟(行政法 問10)
- 国家賠償法1条(行政法 問12)
- 国家賠償法2条(行政法 問13)
- 個人情報保護法の現行規律(行政法 問125)
民法:択一9問と記述2問で76点
- 択一式(問27〜35)の題材は、行為能力、代理、即時取得、売買代金不払と解除・先取特権(問30)、債権譲渡(問31)、連帯債務(問32)、消費貸借、不当利得、認知(親族)です
- 記述式の問45は代理(配偶者が代理権なく本人の物を売却した場合の、民法110条の趣旨の類推適用)、問46は事務管理(消火活動の継続の根拠と、費用の償還)を題材にしていました
- 民法は、択一の9問(36点)より、記述の2問(40点)のほうが配点が大きい構成です
記述式の採点基準は公表されていません。記述対策は 記述式の書き方 と 記述の部分点 にまとめています。
この論点の問題を解く:
商法・会社法:5問で20点
題材は、交互計算(商法)、発起人、取締役会、監査役・監査役会、株券(問36〜40)です。会社法の機関設計に関する論点が中心で、配点は300点の6.7%にとどまります。
この論点の問題を解く:
基礎知識:足切り24点(6問分)の科目
確認できた問47〜57の題材は、次のとおりです。
- 一般知識(問47〜52):日本の住民投票、政党と政治、米価、自由貿易と関税、経済、ジェンダーと平等
- 行政書士法等の諸法令(問53・54):行政書士法、戸籍法
- 情報通信・個人情報保護(問55〜57):ディープフェイク、投資詐欺、個人情報保護制度
基礎知識は、24点以上が必要な足切りの科目です。24点は4点×6問に当たります。センターの受験案内では、基礎知識の範囲は「一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解」とされています(出典:令和8年度行政書士試験のご案内)。問53では行政書士法が出題されました。令和8年1月1日に施行された行政書士法の改正と試験の関係は 行政書士法改正(2026年1月施行)の要点 にまとめています。
この論点の問題を解く:
基礎法学:確認できた題材は裁判員制度
確認できた問2の題材は、裁判員制度です(問1は公開PDFに本文がありません)。2問で8点(300点の2.7%)と、出題数の最も少ない科目です。
試験地ごとの合格率は、行政書士試験の都道府県別合格率(令和7年度・試験地別)で確認できます。
年代別・男女別の結果(センター公表の人数から計算)
センターは年代別の受験者数と合格者数を公表しています。次の合格率は、当サイトが「合格者数÷受験者数」で計算した値で、センターが公表した合格率ではありません。
| 年代 | 令和7年度(受験者→合格者) | 令和7年度 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|---|---|
| 10代以下 | 723人→66人 | 9.1% | 10.6% | 8.2% |
| 20代 | 8,294人→1,517人 | 18.3% | 16.7% | 16.9% |
| 30代 | 9,907人→1,923人 | 19.4% | 16.7% | 17.8% |
| 40代 | 12,161人→1,867人 | 15.4% | 13.2% | 14.5% |
| 50代 | 12,330人→1,445人 | 11.7% | 10.1% | 11.4% |
| 60代以上 | 6,748人→474人 | 7.0% | 7.4% | 8.5% |
出典:行政書士試験研究センター 最近3年間における受験者・合格者の属性(各年の年代別人数から、当サイトが計算)
令和7年度の男女別では、男性が33,313人中5,099人(15.3%)、女性が16,850人中2,193人(13.0%)が合格しています(人数はセンター公表、割合は当サイトの計算)。
最も受験者が多い年代は、令和7年度は50代(12,330人)と40代(12,161人)でした。合格率は、20代と30代が3年とも10代以下や40代以上より高く(令和7年度は18.3%と19.4%)、60代以上は7.0%でした。ただし、年代の違いで合格しやすさが決まるわけではありません。受験者の準備にかけられる時間や経験の分布が異なるだけで、年代別の人数からは原因までは分かりません。
講評を自己採点に使う:3条件で確認する
令和7年度の公表値を使うと、自分の得点を3条件に当てはめて見られます。
| 条件 | 令和7年度の基準 | 問題数に直すと |
|---|---|---|
| 法令等 | 122点以上 | 択一のみで足りるか試算すると、30問正解は120点、31問正解で124点 |
| 基礎知識 | 24点以上 | 5肢択一14問中6問以上(4点×6問) |
| 総合 | 180点以上 | 法令等と基礎知識の合計 |
計算の確認:4点×30問=120点(122点未満)、4点×31問=124点。したがって、5肢択一だけで法令等の基準点を満たすには31問が必要です。実際には、多肢選択式(8点)や記述式(20点)の得点も加わります。
使い方の例(自己採点の手順):
- ① 5肢択一の法令等(問1〜40)の正解数に4点を掛ける
- ② 多肢選択式は、空欄1つにつき2点で数える(3問・最大24点)
- ③ 記述式は、採点基準が公表されていないため、自己採点は幅を持たせる(例:0点・10点・20点の幅で見る)
- ④ ①〜③の合計が法令等の122点以上か、基礎知識が24点以上か、総合が180点以上かを確認する
どれか1つの条件でも基準に届かなければ不合格です。 法令等で点が取れても、基礎知識が24点未満なら不合格になります。
令和8年度に向けて確認すること
予想は書きません。令和7年度の結果から確認できる、事実だけを挙げます。
- 試験日と法令の基準日:令和8年度の受験案内で確認できます(下の確認欄)。
- 形式:法令等46題・基礎知識14題。令和7年度と同じ問題数です。
- 法令の改正:令和8年度は令和8年4月1日現在施行の法令が出題範囲です。令和8年1月1日施行の行政書士法改正は範囲に入ります(行政書士法改正の要点)。
令和8年度行政書士試験の日程と法令基準日:試験日は令和8年11月8日(日)午後1時から午後4時まで、法令は令和8年4月1日現在施行のもの。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。
令和8年度の合格発表の日時と、合否通知書・合格証の届き方は 行政書士の合格発表 にまとめています。学習計画の立て方は 行政書士の学習スケジュール に、公式の試験問題の使い方は 行政書士試験の問題の使い方 にあります。
科目ごとのハブは 民法・憲法・商法・会社法・一般知識・基礎法学 です。
参照一次ソース
- 行政書士試験研究センター 令和7年度合否判定基準
- 行政書士試験研究センター 令和7年度行政書士試験実施結果の概要
- 行政書士試験研究センター 試験結果の推移
- 行政書士試験研究センター 受験者・合格者の属性
- 行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題
- 行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題の正解
- 行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内
本記事の出題の内訳は、当サイトが公式の試験問題を読んで分類した集計です(2026-10-03 時点)。センターが公表した科目別の数字ではありません。当サイトの論点別問題は、過去の出題論点をもとに独自に作成したもので、公式の試験問題ではありません。
よくある質問
Q行政書士試験研究センターは、試験の「講評」を公表していますか?
センターの試験結果のページ(令和7年度)には、結果概要・合格者受験番号・都道府県別試験結果・合否判定基準・試験問題・試験問題の正解・受験者合格者の属性・試験結果の推移・試験結果分析資料が並んでいます。2026-10-03時点で、「講評」という名前の資料は載っていません。本記事の数字は、これらの公表資料から取っています。
Q令和7年度の「合格者平均得点197点」は、受験者全体の平均ですか?
いいえ。センターの結果概要にある「合格者平均得点」は合格者だけの平均で、令和7年度は197点(前年度198点)です。受験者全体の平均点は、2026-10-03時点で、公表資料には載っていません。合格基準の総得点180点との差を「余裕」と読むのは避けてください。
Q令和7年度の試験問題は、どこで全問見られますか?
センターの「試験問題」(PDF)で見られます。ただし2026-10-03に開いた公開PDFは46ページで、問題1と問題58〜60の本文は含まれていませんでした。理由はPDFには書かれていません。正解は「試験問題の正解」のページに掲載されています。
Q令和8年度試験は、令和7年度と同じ形式ですか?
令和8年度の受験案内では、法令等46題・基礎知識14題で、記述式は40字程度とされています(令和7年度の問題数と同じです)。配点と合格基準点は、2026-10-03時点で確認できたのは令和7年度分(法令等122点・基礎知識24点・総合180点)です。令和8年度分は結果の公表時にセンターのページで確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月6日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

