借地借家法をわかりやすく整理。借地(普通借地権・定期借地権)と借家(普通建物賃貸借・定期建物賃貸借)を、存続期間・更新・正当事由・対抗要件・書面・特約の効力で1つの表にまとめ、28条・32条・38条は条文の言葉で確認。宅建の論点別問題へのリンクつきです。
目次
結論:借地借家法は、建物を持つために土地を借りる「借地」と、建物を借りる「借家」について、民法の賃貸借より借りる側を強く守る特別法です。普通の借地権は30年以上で、更新は最初が20年・その後は10年、地主が更新を拒むには正当の事由が要ります。借家は1年前から6か月前までに通知しないと同じ条件で更新され、更新しない「定期」の契約は書面などで結んだときだけ認められます。借賃(家賃)が不相当になったときに、貸主・借主のどちらからでも将来に向かって増減を請求できると定めるのが32条です。
合格ナビの宅建の論点別問題のうち、権利関係は100問で、そのうち借地借家法を扱う問題は20問です(借地権の存続期間・更新・対抗要件・定期借地権・建物買取請求、借家の更新・正当事由・定期建物賃貸借・借賃増減・造作買取など。2026-10-02 集計)。これは当サイトの問題データの内訳で、本試験の出題数ではありません。
民法の賃貸借・使用貸借の違い、賃借権の譲渡と転貸(612条・613条)、転借人の保護は、宅建の賃貸借・使用貸借で整理しています。
借地借家法の全体表(借地と借家を同じ軸で比べる)
| 借地(普通借地権) | 借家(普通建物賃貸借) | |
|---|---|---|
| 対象 | 建物の所有を目的とする地上権・土地の賃借権(2条1号) | 建物の賃貸借 |
| 期間 | 30年。契約でこれより長く定めたときはその期間(3条) | 1年未満と定めると期間の定めがないものとみなす(29条1項) |
| 更新後の期間 | 最初は20年、2回目以降は10年。長く定めればその期間(4条) | 期間の定めがないものになる(26条1項ただし書) |
| 更新のしかた | 借地権者の請求・期間満了後の使用継続で、建物がある場合に限り更新したものとみなす(5条) | 1年前から6か月前までに通知しなければ同一条件で更新したものとみなす(26条1項) |
| 貸主が更新を拒むには | 正当の事由が要る(6条) | 正当の事由が要る(28条) |
| 第三者への対抗 | 借地上の建物の登記(10条1項) | 建物の引渡し(31条) |
| 終了時の買取請求 | 建物買取請求(13条) | 造作買取請求(33条) |
| 借りる側に不利な特約 | 無効(9条・16条) | 無効(30条・37条) |
| 借賃の増減請求 | 地代等増減請求(11条) | 借賃増減請求(32条) |
条文の出典は e-Gov 法令検索です(借地借家法。2026-10-04 時点の現行条文)。
覚え方の軸は「借地は建物があるかどうか」「借家は引渡しがあるかどうか」です。借地の更新(5条)と対抗力(10条)はどちらも建物が前提で、借家の対抗力(31条)は引渡しが前提になっています。
借地権の存続期間と更新(3条〜7条)
借地権の存続期間は30年で、契約でこれより長い期間を定めたときはその期間になります(3条)。30年より短い期間を定めた場合は、借地権者に不利な特約として無効になり(9条)、期間は30年になります。
更新後の期間は、最初の更新が20年、2回目以降が10年です。当事者がこれより長い期間を定めたときはその期間になります(4条)。
更新には、合意による更新のほかに、法律が更新したものとみなす場合があります。
- ① 借地権者が更新を請求したとき(5条1項)
- ② 期間満了後も借地権者が土地の使用を続けるとき(5条2項)
どちらも「建物がある場合に限り」で、借地権設定者(地主)が遅滞なく異議を述べれば更新されません。ただし、その異議は正当の事由があると認められる場合でなければ述べられません(6条)。
期間中に建物が滅失して再築した場合は、地主の承諾があれば、承諾の日か建物の築造の日のいずれか早い日から20年間存続します。ただし、残存期間がこれより長いときや、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間になります(7条1項)。借地権者が再築を通知し、地主が2か月以内に異議を述べなければ承諾があったものとみなされます(7条2項。更新後の通知を除く)。
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正当の事由とは:6条と28条で考える事情
「正当な理由」と呼ばれることが多いですが、条文の言葉は「正当の事由」です。借地は6条、借家は28条に、何を考慮するかが列挙されています。
| 借地(6条) | 借家(28条) | |
|---|---|---|
| 使用を必要とする事情 | 借地権設定者と借地権者(転借地権者を含む)が土地の使用を必要とする事情 | 賃貸人と賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情 |
| そのほかの事情 | 借地に関する従前の経過、土地の利用状況 | 建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況 |
| 財産上の給付の申出 | 土地の明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出 | 建物の明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出 |
「財産上の給付」は、いわゆる立退料のことです。条文は、申出があれば考慮すると定めているだけで、金額の基準や、申出があれば正当の事由が認められるとは書いていません。「借地借家法 立ち退き」で調べる人が知りたい金額の目安は、法律には定めがありません。
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借地権の対抗要件と建物買取請求(10条・13条)
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、第三者に対抗できます(10条1項)。地主が土地を第三者に売っても、借地上の建物の登記があれば、借地権者は買主に借地権を主張できます。
建物が滅失しても、建物を特定するために必要な事項・滅失の日・建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示すれば、対抗力は続きます。ただし、滅失の日から2年を経過した後は、その前に建物を新たに築造して登記した場合に限ります(10条2項)。
借地権の存続期間が満了して更新がないときは、借地権者は地主に、建物などを時価で買い取るよう請求できます(13条1項)。この規定に反する特約で借地権者に不利なものは無効です(16条)。
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定期借地権の3種類と一時使用(22条〜25条)
更新がない借地権は3種類あり、期間と契約の方式が違います。
| 種類 | 存続期間 | 契約の方式 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 定期借地権(一般定期借地権) | 50年以上 | 更新などをしない特約は「公正証書による等書面」(電磁的記録も可) | 22条 |
| 事業用定期借地権等 | 10年以上50年未満(専ら事業の用に供する建物。居住用を除く) | 公正証書 | 23条 |
| 建物譲渡特約付借地権 | 設定後30年以上を経過した日に建物を相当の対価で譲渡する特約 | 条文に方式の定めなし | 24条 |
事業用定期借地権等は、30年以上50年未満なら更新などをしない旨を定めることができ(23条1項)、10年以上30年未満なら更新などの規定がはじめから適用されません(23条2項)。どちらも契約は公正証書によらなければなりません(23条3項)。22条の「公正証書による等書面」は、公正証書でなくても書面であればよい、という意味です。
臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合は、存続期間・更新・建物買取請求・定期借地権などの規定は適用されません(25条)。
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借家の更新・解約と対抗力(26条〜31条)
期間の定めがある建物の賃貸借では、当事者が「期間の満了の一年前から六月前までの間に」更新しない旨の通知などをしなかったとき、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされます。その期間は、定めがないものになります(26条1項)。通知をしても、期間満了後に賃借人が使用を続け、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも同じです(26条2項)。
賃貸人から解約を申し入れたときは、申入れの日から6か月を経過すると賃貸借が終了します(27条1項)。賃貸人の更新拒絶の通知や解約の申入れには正当の事由が要ります(28条)。
期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがないものとみなされます(29条1項)。また、民法604条の規定は建物の賃貸借には適用されません(29条2項)。
建物の賃貸借は、登記がなくても、建物の引渡しがあれば、その後に建物について物権を取得した者に対して効力を生じます(31条)。
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借地借家法32条をわかりやすく:借賃増減請求権(家賃の増額・減額)
32条は、建物の借賃(家賃)が不相当になったとき、貸主・借主のどちらからでも、将来に向かって増減を請求できると定める規定です。条文には金額の計算式や上限は書かれておらず、「どんな事情があれば請求できるか」と「協議が調わないときの支払い方」を定めています。32条1項の条文は次のとおりです。
「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」
条文の言葉をやさしく言い換える
| 条文の言葉 | やさしく言うと |
|---|---|
| 建物の借賃 | 建物を借りている対価(家賃・賃料)。土地の地代は別の条文(11条)が定める |
| 租税その他の負担の増減 | 建物や土地にかかる税金などの負担が増えた・減った |
| 価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動 | 土地や建物の価格、経済の状況が変わった |
| 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当 | 近くの同じような建物の借賃と比べて、高すぎる・安すぎる |
| 契約の条件にかかわらず | 契約書に決めた金額があっても請求できる |
| 当事者は | 貸主(賃貸人)も借主(賃借人)も |
| 将来に向かって | 請求した後の借賃について。過去の分にさかのぼって増減するものではない |
条文は「~により、~により、又は~不相当となったとき」とつないでいるので、3つの事情のどれかで借賃が不相当になれば足ります。請求の方法(書面が必要かなど)は、32条には書かれていません。
協議が調わないとき:増額請求と減額請求の違い(2項・3項)
話し合いがまとまらないときの支払い方は、増額請求と減額請求で左右対称になっています。
| 増額の請求(2項) | 減額の請求(3項) | |
|---|---|---|
| 請求を受けた人 | 賃借人 | 賃貸人 |
| 裁判が確定するまで | 「相当と認める額」の借賃を支払えば足りる | 「相当と認める額」の借賃の支払を請求できる |
| 確定後に差が出たとき | 既に支払った額が不足していれば、不足額に年1割の利息を付けて支払う(「支払期後」の利息) | 既に受け取った額が正当な額を超えていれば、超過額に年1割の利息を付けて返す(「受領の時から」の利息) |
増額を請求された賃借人は、請求された額をそのまま払わなくても、自分が「相当」と考える額を払えば足りる、と2項が定めています。ただし、裁判で増額が正当と確定すれば、不足分は利息つきで精算します。利息の起算点が「支払期後」(増額)と「受領の時から」(減額)で違う点は、条文の言葉そのものを読み分けるところです。
自作の例で確かめる(当サイトの例・実際の計算は支払期ごと)
次の2つは、32条2項・3項のしくみを確かめるために当サイトが作った例です。利息は月割りの簡易計算で、実際の計算(支払期ごと・日割りなど)とは一致しません。
- ① 増額の例:毎月の借賃が10万円の建物について、賃貸人が12万円への増額を請求した。賃借人は協議が調わないので、相当と認める10万円を払い続けた。6か月後に12万円が正当と確定した。不足は(12万円−10万円)×6か月=12万円。確定の6か月前に払った1回分の不足2万円に付く利息は、2万円×年1割×6/12=1,000円(検算:年の利息2,000円の半年分=1,000円)
- ② 減額の例:毎月の借賃が10万円の建物について、賃借人が8万円への減額を請求した。賃貸人は相当と認める10万円を受け取り続け、3か月後に8万円が正当と確定した。受け取りすぎは(10万円−8万円)×3か月=6万円。確定の3か月前に受け取った1回分の超過2万円に付く利息は、2万円×年1割×3/12=500円
特約と、32条が使えない・適用されない場面
- 「一定の期間は増額しない」という特約は、ただし書によりその定めに従います(有効)。ただし書に書かれているのは「増額しない」特約だけで、「減額しない」特約は条文のただし書の対象に書かれていません
- 定期建物賃貸借(38条)で、借賃の改定に係る特約がある場合は、32条は適用されません(38条9項)。改定の特約があれば、その特約の定めに従います
- 一時使用のための建物賃貸借であることが明らかな場合は、借家の章の規定(32条を含む)が適用されません(40条)
- 駐車場や資材置き場など、建物の所有を目的としない土地の賃貸借は、そもそも借地借家法の対象ではありません(2条1号)
借地の地代は11条:32条との対応
借地の借賃(地代・土地の借賃)には、32条とほぼ同じ形の11条(地代等増減請求権)があります。
| 借家(32条) | 借地(11条) | |
|---|---|---|
| 対象 | 建物の借賃 | 地代・土地の借賃(地代等) |
| 請求できる事情 | 租税その他の負担の増減/土地・建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動/近傍同種の建物の借賃との比較 | 租税その他の公課の増減/土地の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動/近傍類似の土地の地代等との比較 |
| 請求の効果 | 将来に向かって増減を請求できる | 同じ |
| ただし書 | 一定の期間増額しない特約はその定めに従う | 同じ |
| 協議が調わないとき | 2項(増額)・3項(減額) | 2項(増額)・3項(減額)。年1割の利息も同じ |
「建物の借賃は32条、土地の地代は11条」と対にして覚えると、借地と借家の問題で条文を取り違えにくくなります。
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借地借家法38条:定期建物賃貸借(定期借家)
38条1項は、期間の定めがある建物の賃貸借をする場合に、「公正証書による等書面によって契約をするときに限り」、契約の更新がないこととする旨を定めることができるとしています。この場合、29条1項(1年未満は期間の定めがないものとみなす)は適用されないので、1年未満の定期建物賃貸借も結べます。契約は電磁的記録でもかまいません(38条2項)。
| 要件・効果 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 契約の方式 | 公正証書による等書面(電磁的記録も可) | 38条1項・2項 |
| 事前の説明 | 賃貸人は、あらかじめ、更新がなく期間満了で終了することを記載した書面を交付して説明(承諾を得て電磁的方法でも可) | 38条3項・4項 |
| 説明がないと | 更新がないこととする旨の定めは無効 | 38条5項 |
| 期間1年以上の終了通知 | 期間満了の1年前から6か月前までに通知しないと、終了を賃借人に対抗できない(通知期間の後に通知したときは、通知の日から6か月を経過した後は対抗できる) | 38条6項 |
| 賃借人からの中途解約 | 居住用で床面積200㎡未満の建物、転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情で、建物を生活の本拠として使うことが困難になったとき。申入れから1か月で終了 | 38条7項 |
| 特約の効力 | 6項・7項に反する賃借人に不利な特約は無効 | 38条8項 |
通知期間に終了通知をしなかった場合も、条文の効果は「その終了を建物の賃借人に対抗することができない」で、普通の建物賃貸借に変わるとは書かれていません。
このほか、法令や契約で一定期間の経過後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合は、取り壊すべき事由を記載した書面で、取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができます(39条)。一時使用のための建物賃貸借が明らかな場合は、借家の章の規定が適用されません(40条)。
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特約の効力と造作買取請求(9条・16条・30条・33条・37条)
借地借家法の多くの規定は、借りる側に不利な特約を無効にする「片面的な強行規定」です。どの条が守られているかは条文で決まっています。
| 条 | 無効になる特約 |
|---|---|
| 9条 | 借地の存続期間・更新の節(3条〜8条)に反する特約で借地権者に不利なもの |
| 16条 | 10条・13条・14条に反する特約で借地権者または転借地権者に不利なもの |
| 30条 | 借家の更新等の節(26条〜29条)に反する特約で建物の賃借人に不利なもの |
| 37条 | 31条・34条・35条に反する特約で建物の賃借人または転借人に不利なもの |
造作買取請求権(33条)は、賃貸人の同意を得て建物に付加した畳・建具その他の造作について、賃貸借が期間の満了または解約の申入れで終了するときに、時価で買い取るよう請求できる権利です。賃貸人から買い受けた造作も同じです(33条1項)。37条の列挙に33条は入っていないため、造作買取請求をしない旨の特約は37条では無効になりません。
「借地借家法がおかしい」「借地権が強い」と感じられる理由は、こうした強行規定と、更新・対抗力の仕組みにあります。法律の側から見ると、1条が定めるとおり、建物の所有を目的とする借地と建物の賃貸借について民法とは別の「特別の定め」を置いた結果です。
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宅建試験での出方と法令基準日
宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要)。借地借家法は2026年5月21日にも改正が施行されていますが、この記事で扱った1条〜40条は、令和8年度試験の基準日(2026年4月1日)時点の版と現行の版で文言が同じです。差があるのは裁判手続の61条(当事者の住所・氏名等の秘匿)の部分だけです(e-Gov の改正履歴で確認。2026-10-04)。2028年6月13日施行の改正も公布されていますが、26条〜40条の文言は変わりません。
令和5〜7年度の本試験で借地借家法を扱った問
不動産適正取引推進機構が公表している問題冊子(令和7年度・令和6年度・令和5年度)で、問題文に「借地借家法」の語が出る問を挙げます(当サイト調べ。2026-10-04 時点・文字検索による)。
| 年度 | 借地借家法を扱う問 | 分野 |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 問11・問12 | 問11は借地、問12は建物賃貸借 |
| 令和6年度 | 問11・問12 | 問11は借地、問12は建物賃貸借(問12の選択肢に32条が登場) |
| 令和5年度 | 問11・問12 | 問11は借地、問12は建物賃貸借 |
3年とも、借地が問11、借家が問12に並んでいます。これは3年分の事実であり、今後の出題を予想するものではありません。問題文・選択肢は著作物のため、ここには載せていません。公式の問題冊子で確認してください。
権利関係のほかの論点(意思表示・代理・抵当権・相続など)とあわせた学習の順番は、宅建 権利関係の攻略にまとめています。
当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。
まとめ
- 借地借家法は、建物所有目的の借地と建物の賃貸借について、民法の特別の定めを置く法律(1条)
- 普通借地権は30年以上、更新は最初20年・2回目以降10年。法定更新は建物がある場合に限る
- 更新拒絶・解約申入れには正当の事由が要る(借地6条・借家28条)。財産上の給付の申出は考慮要素の1つ
- 対抗要件は、借地が借地上の建物の登記(10条)、借家が引渡し(31条)
- 定期借地権は50年以上(書面等)、事業用は10年以上50年未満(公正証書)、建物譲渡特約付は30年以上
- 定期建物賃貸借は書面等で契約し、事前に書面を交付して説明。説明がないと更新がない旨の定めは無効
- 32条の借賃増減請求は当事者双方が将来に向かってでき、ただし書は「増額しない」特約だけを認める。協議が調わないときは「相当と認める額」を払う(増額)・請求できる(減額)。確定後の精算には年1割の利息が付く
- 借地の地代は11条、借家の借賃は32条。定期建物賃貸借で借賃の改定の特約があれば32条は適用されない(38条9項)
よくある質問
Q民法と借地借家法はどちらが優先されますか?
建物の所有を目的とする借地と建物の賃貸借については、借地借家法の定めが先に当てはまります。借地借家法1条は、この法律が借地権の存続期間・効力等と建物の賃貸借の更新・効力等について「特別の定め」をするものだとしています。借地借家法に定めがない点は、民法の賃貸借の規定で判断します。
Q駐車場や資材置き場として土地を借りる場合も借地借家法が適用されますか?
適用されません。借地借家法2条1号の借地権は「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」なので、建物を建てる目的のない土地の賃貸借は借地権に当たらず、民法の賃貸借の規定によります。
Q造作買取請求権をあらかじめ放棄させる特約は有効ですか?
借地借家法の条文の上では有効です。建物の賃借人に不利な特約を無効とする37条が挙げているのは31条・34条・35条で、造作買取請求権の33条は入っていません。また、33条の対象は、賃貸人の同意を得て付加した造作と、賃貸人から買い受けた造作です。
Q借地借家法32条は、過去の分の家賃にもさかのぼって増減できますか?
できません。32条1項は「将来に向かって」建物の借賃の額の増減を請求できると定めています。請求した後の借賃について増減を求める規定で、すでに支払った分を取り戻す規定ではありません。
Q家賃の増額を請求されたら、請求された額をすぐに払わなければなりませんか?
協議が調わないときは、増額を請求された賃借人は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の借賃を支払えば足りると32条2項が定めています。ただし、裁判で増額が正当と確定したときに、すでに支払った額に不足があれば、不足額に年1割の利息を付けて支払います。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

